07.31
世界遺産 サン・アグスチン教会 (フィリピン・マニラ)
フィリピンの首都マニラで旧市街のイントラムロスを訪れました。中でも創建当時の姿を今に留める サン・アグスチン教会 San Agustin Church & Museum は必見、ユネスコ世界遺産にも登録されており併設の修道院は見応えのある博物館になっています。
San Agustin Church and Convent
【住所】 Corner of General Luna and Real St., Manila, Metro Manila, PHILIPPINES
フィリピン共和国 マニラ首都圏マニラ市ジェネラルルナ通り
【開館時間】 博物館/午前8時~午後6時
【入場料】 博物館/200ペソ(約4ドル、2017年現在)
【駐車場】 あり(無料)
マニラのサン・アグスティン教会を含む4つの教会が フィリピンのバロック様式の教会群 Baroque Churches of the Philippines としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。他の3か所はルソン島北部パワイにある同名の サン・アグスティン教会、サンタ・マリアの ヌエストラ・セニョーラ・デラ・アスンシオン教会、パナイ島ミアガオの サント・トマス・デ・ビリャヌエバ教会 で、いずれもスペイン統治時代である16世紀に建てられたもの。登録は1993年で、フィリピン初の世界遺産です。
行き方
メトロマニラ中心部、古い建物が集まる イントラムロス Intramuros にあります。ここは城壁内に多くの名所があり、コロニアルな街並みそのものも見どころなのでゆっくり時間をかけて観光したい場所。近くにあるマニラ大聖堂やカーサ・マニラ、そしてサンチャゴ要塞も見逃せません。カレッサと呼ばれる観光馬車やトライシクル(三輪車)が熱心に案内を申し出てくれますが、なかなか客引きがしつこいので徒歩で回りました。
正面が教会で、右が博物館の入り口です。
マニラの教会は結婚式にも使われているそうで、日曜日はサンアグスチン教会だけでなくマニラ大聖堂でも挙式がありました。時間帯がぶつかると自由に見学できないこともあるので平日に観光した方が良いかもしれません。
入場券代わりのポストカード、これはユニークですね。
泊まっているホテル ペニンシュラ・マニラ のコンシェルジュに頼んで現地からエアメールとして送ったら良い記念品になりました。
サンアグスチン教会
ルソン島に最初の教会が造られたのは1571年。その後2度建て直されており、現在の石造りのサンアグスチン教会は1587年に着工、1607年に完成したもの。イントラムロスの中で破壊されずに残っているのはここだけという貴重な建物です。
風格を感じさせる重厚で堅牢な外観はヨーロッパのバロック建築の影響が窺えます。
聖堂内は白い柱に金色のアーチという、思ったよりシンプルなアーキテクチャで古さを感じさせません。
誰もいない聖堂内、世界遺産が貸切り状態!
我ら日本も深く関わる戦争史に思いを馳せ、静かな時間を過ごすことができました。
艶やかな天井はまるで本物のレリーフのようですが、よく見ると描かれたものだと分かります。
美しいクリスタル製シャンデリアは19世紀のもの。
現存する石造りの教会としてはフィリピン最古。
第二次世界大戦の日本占領下では強制収容所として使われたのだとか。
片隅に置かれている大きな釣鐘は説明によると重さが3.4トンあり、1863年の地震で損傷を受けたもの。サンアグスチン教会を正面から見ると鐘楼が1つだけ建っていますが、かつては左右にあったところ北側の塔は地震の被害により解体されてしまったそうです。
パイプオルガン
博物館から教会の二階テラスに出ることができました。
18世紀のパイプオルガン。
裏には昔ながらの「ふいご」が展示されており、これは初めて見ました。
テラスから見下ろした聖堂内。
身廊長さ67m、幅25mあります。
博物館
ここは教会に併設された古い修道院を利用したミュージアムも見どころです。
回廊に沿って展示室が並んでおり、1階と2階がありました。
数が多いので、雰囲気だけでも伝わるように何枚か写真をピックアップして以下に掲載します。
裏庭にサンアグスチン教会と修道院の模型が置かれていました。
修道院は1つの建物を除いて1945年のルソン島進攻によりアメリカ軍に破壊されています。
ズラリと並ぶ植物研究の資料、オリジナルではなくレプリカのようです。
宗教画は近年のものもあり、左手の絵画は2014年の作。
日本の陶磁器も見つけました。すべて19世紀、明治時代のもの。
1617年に彫刻家 Juan de los Santos によって作られたレタブロが見事でした。
ここでは割愛しますが展示品には必ず英語とタガログ語で詳しい説明が出ており、これが米英を巻き込んだ一大ドラマでフィリピンの歴史そのものだったりして一つ一つ読んでいるといくら時間があっても足りません!
フィリピン最古の石造教会であり、そしてイントラムロスの中で唯一、天災や戦災を免れて破壊されずに現存する貴重な建物。教会はもちろんのことミュージアムの展示もボリュームがあります。いくつかの展示室はエアコンが効いており(座るところはありませんが)暑い町歩きの途中で一息つくこともできました。すべての展示品に付けられた解説も実に丁寧で、手ぶらで来ても歴史の勉強になるでしょう。マニラの市内観光でここだけは必ず立ち寄っておきたいオススメの見どころです。
コメント
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素敵な写真ですね〜。
フィリピンは教会たくさんありますけど、ここは行った事なかったです。
サンアグスチン教会、是非今度マニラに行く時に行って見たいです。
こんばんは、Gotoさんからblogの方にコメントをいただけるとは!
教会たくさんあるようですね、今年は初フィリピンなのでイントラムロスの中だけ一回りしてみました。雰囲気はツーリスティックですが路地裏には昔ながらの素朴な光景が広がっているので、カメラ片手にぜひ歩いてみてください。
昔ながらの素朴な光景。
いいですよね。
大好きです。
マニラも今すごい勢いで開発進めていますが、少し先の未来どうなるでしょうね。