帰らざる門 Door of No Return (西アフリカ・ベナン)

2015年, '15 ベナン Add comments

Door of No Return, Benin

ベナン共和国の海岸線に Door of No Return、“帰らざる門”と呼ばれる記念碑があると聞いて見に行きました。この地では17世紀から19世紀後半にかけて1200万人もの奴隷がアメリカ大陸へと送られ、二度と戻ることは無かったそうです。

帰らざる門
La Porte Du Non Retour

ベナン共和国 ウィダー Ouidah の町から南に5kmのギニア湾岸

行き方

ベナン共和国への入国には事前に ベナン・ビザ の取得と イエローカード が必要。
首都 コトヌー Cotonou から Door of No Return までは40kmなのでさほど遠くはないものの、まったく観光化されていない(そもそも訪れる外国人が皆無に近い)地域とあって一日がかりになりました。現地では英語が通じないのでフランス語による会話も必須です。

ベナン コトヌー

まずはコトヌーの路上で Zemi-Johns(バイクタクシー)をつかまえて ウィダー Ouidah 行きの車(乗合いタクシー)が集まる溜り場へ向かいます。場所は流動的なのでバイタクに任せるのが確実。上の写真のとおり乗り場は混乱していますが、きちんとドライバーのところまで連れて行ってくれました。車は満席になるまで出発しないうえ、あちこち寄り道するので(それも面白いのですが)すべての席を買い上げてチャーターすると時間の節約になります。

ウィダーの町から海岸へ

かつて奴隷貿易の中心地で、今はブードゥー教の聖地であるウィダー。
どちらにしても暗い印象を拭えませんが、小さな町は静かでコトヌーより断然歩きやすい。ウィダーの様子はベナン旅行記ウィダー観光のページをご覧ください。

ベナン旅行記

ウィダーの中心部から Door of No Return までは約5km。
海岸に向かって南に一本道なので歩けないこともありませんが、未舗装の道が延々と続いており非常に暑いので周辺にたむろっている Zem(バイク)と交渉して往復してもらうのが現実的。この通りの名前が Route des Esclaves と聞いて驚きました、フランス語で「奴隷通り」です。売られた奴隷は砦から海岸へと、まさにこの道を連行されたそうです。

Door of No Return

赤茶けた道を延々と走り海が見えてきました。
周辺にはクラフトマーケットが並んでいますが、声を掛けて来る人は誰一人おらず商売っ気はゼロでした。

ベナン観光

Door of No Return のモニュメント。
フランス語では La Porte Du Non Retour と言います。

Door of No Return, Benin

正面からの写真。
後から作られた記念碑に過ぎませんが、見どころがまったく無いベナンにおいては貴重な観光名所と言えましょう。

帰らざる扉

Door of No Return

レリーフに描かれているのは鎖につながれた奴隷の姿。

La Porte Du Non Retour

門を取り囲む像。

西アフリカ旅行

左右の台座に銘板があり、建立のいきさつがフランス語で記されています。
造られたのは1995年11月30日。International Day for Tolerance とは同年に宣言されたもので、ユネスコは11月16日を国際寛容デーとしています。

Door of No Return

こちらの銘板には設計者や彫刻家の名前が刻まれていました。
最後の一行、Nouréini Tidjani-Serpos はベナンの大統領補佐官で後にユネスコのアフリカ局にも貢献する人物の名前で存命です。

Door of No Return

反対側、海から振り返ったところ。
大西洋奴隷貿易時代の門ではありませんが、下をくぐり抜ける気分にはなりませんでした。

Door of No Return

世界でもっとも旅行者が少ない西アフリカですが、ベナンは特に情報が少なく移動も大変なので、もし奴隷貿易という負の遺産に触れるならガーナの ケープコースト城 を訪れると実際に使われた Door of No Return を見られます。ガーナは西アフリカで唯一英語が公用語の国なので比較的旅行しやすいと思います。

周辺の様子

ビーチにぽつんとモニュメントが建っているだけで、本当に寂しい場所。
Door of No Return と呼ばれる場所は西アフリカに複数残っており、ガーナの エルミナ Elmina やセネガルの ゴレ島 Gorée Island が良く知られています。

ベナン 見どころ

近くにあった建物、用途や絵の意味は不明。

ベナン観光

見事に何も見当たらないビーチ。
“奴隷海岸”とも呼ばれるベナン・トーゴ・ガーナにかけての海域は波が高いので泳ぐには適しません。

ベナン旅行記

近くには三匹の子ブタに登場しそうな藁のおうち。
さすがに最近はアフリカでも藁葺きの家は無いので漁業か農作業の小屋だと思われます。

ベナン共和国

道中で見かけた像、いくつもありました。
ウィダーには不気味なオブジェが多くて暑いのに寒気がしますね。

西アフリカ観光

最後にもう一度、Door of No Return の全景とウィダーからの往復でお世話になったバイクのお兄ちゃん。
アフリカ人も見学に来ていましたが、写真を撮り合ったりして明るい雰囲気でした。僕らにとって戦争が過去のもののように、きっと彼らにとっても奴隷はすっかり過去のお話なのでしょう。

Door of No Return, Ouidah

西アフリカ3か国を横断して、光と影を強く感じる旅となりました。それは歴史だけでなく、経済や文化についてもです。この場所について、ベナン人のLeliaさんが英語で素敵なエントリーを残しておられるので こちら にリンクさせていただきます。

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