Los Angeles Special Flight Rules Area
Kitagawa@U.S.A.です、こんにちは。
今日から3回に分けて、飛行訓練のハイライト、ロサンゼルスでのクロスカントリーフライトの様子をご紹介します。思いっきり好き勝手を言いまして、まるで遊覧飛行のような見所満載のルートなんですが、今回は飛行計画の肝となる部分について説明します。
僕のいる空港はロサンゼルスの南東部にありますが、飛んで行きたい空港はロサンゼルスの北西部に位置しています。直線距離にすれば75マイル(120キロ)程度なんですが、問題はルートのど真ん中に LAX(ロサンゼルス国際空港)があることです。
西海岸きっての大空港であり、旅客機が絶え間なく発着していますので、進入するには管制からの許可が必要ですが、ここは Class B(クラス・ブラボー)という最強の空港であり、VFR(有視界飛行)の飛行機がフラフラと近付くような場所ではありません。もっとも許可など下りるわけもなく、ここを抜けようなんて、正気の沙汰ではありません。(爆
少し分かりやすく図解しましょう…
LAXの空港の真上は、地表面から高度10,000フィートまでClass Bとなっています。薄いピンクで塗ってみましたが、これはロサンゼルスの真ん中に絶壁が建っているようなもの。どうやって飛んで行っても壁に突っ込んでしまいます。さらに手前も、5,000フィートから上の濃いピンクの部分がすべてClass Bだったりします。つまり、前方には一面の壁、頭の上には巨大な天井という、まるで袋小路なんです。
ところが…図のように、空港の真上にポツンと窓が空いているのです。面白そうでしょ?これはタワーからのクリアランスなしに、なんとLAXの真上を通過できる!という抜け道なんです。上手に飛行機を操縦してこの穴に突っ込んでいけば、無事向こう側に抜けられるのですが…問題は窓が目に見えないってことですかね。(笑
この抜け道は ロサンゼルススペシャルフライトルールエリア Los Angeles Special Flight Rules Area というもの。見えない窓を見つけるには、向こうにある SMO(サンタモニカ空港)から発射されている電波を使います。次の記事 ロサンゼルススペシャルフライトルールエリアでLAXを飛び越える で実際の通過の様子を詳しくご紹介しようと思います。
なお、免許を取る前の練習で、しかもソロのクロスカントリーで、この特例を使って飛行計画を立てるなんて、狂っているとしか言いようがありません。Class Bの空域に近付くのは冗談抜きにヤバいので、間違っても真似をしないようにお願いします。