02.09
MOCA BANGKOK (タイ・バンコク、現代美術館)
今年は月に一か所はタイのお店や見どころを紹介する予定ながら、デモが活況のようでどこを取り上げるか迷うところ。そこで今月は、バンコク中心部から少し離れた場所にあるミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート、MOCA BANGKOK をご紹介します。在住者の方はもちろん、ご旅行でバンコクを訪れる方にもおすすめのスポットです。
場所はバンコク中心部から旧空港のドンムアンに向かう途中。高速道路でアクセスすれば30分くらいで着けると思いますが、建物は幹線道路に並走する小道ガムペーンペット6通りに面しているため、バンコクから向かう場合も何度かUターンが必要です。しかしアクセスの不便さを割引いても行く価値のある美術館だと思います。
出来てから2年足らずということでとても新しく、遠くからでも目立つかなり大きな建物です。
5階建てになっており、エスカレーターで順番に上階に昇りながら一周するコースが組まれています。展示はほとんどが絵画で、国内の作家が中心。あまり尖った作品は少ないので、それほど現代美術に関心が無くても素直に絵画を楽しめます。
2階の常設展はタイ国内の題材が多く、親しみが持てます。
タイ通の方なら、これが何のシーンなのかお分かりですよね?
Lumpu Kansanoh作、題名は「ソンクラーン」です。
同じ題材でも作家が変わるとまったく違った仕上がりとなり、こちらはSompop Budtarad作のソンクラーンです。この美術館、どういう訳か女性の裸の比率が高めです。
Kitagawaのおすすめは2階の北西角にあるお部屋。
仏教をテーマにした作品が集められています。
ヨーロッパの美術館、例えばプラド美術館なんかに行きますとキリスト教がテーマの宗教画ばかりで辟易してしまうのですが(失礼!)
ここはタイ。宗教画も上座部仏教が背景にあるため関心をもって見ることができました。
その中で一押しは、チャルームチャイ・コシッピパット เฉลิมชัย โฆษิตพิพัฒน์ の作品群。
僕がタイで最も好きな作家の一人で、ご本人にもお会いしたことがあります。
息をのむ極彩色のアクリル画です。
Chalermchai Kositpipat氏は私財を投じてお寺を建てた人物としてタイではよく知られた人物。
チェンライにある白亜の寺院 ワットロンクン Wat Rong Khun は、彼の寄進と設計によって作られたものです。観光名所としても有名なので、チェンライにお立ち寄りの際はぜひ。
その他、フロアーごとに趣向を凝らした作りになっていて、最後まで飽きずに回れるかと。
こちらはタイのKhun Chang Khun Phaenという昔話が題材になっています。タイ人だと見ればすぐに分かるのですが、外国人だとよく分からないまま通り過ぎてしまうかも。もし知識層の友人が現地にいれば、誘って一緒に来るとより一層楽しめると思います。
僅かながら彫像もあり。昔はタイの赤ちゃんはこんな髪型だったそうです。
ミュージアムオブコンテンポラリーアートということで、いかにも現代美術館らしい作品も多数。
Sompong Adusarabhan作、Stream of Life。
4階には世界的に有名なタイの画家、タワン・ダッチャニー ถวัลย์ ดัชนี の作品を中心に展示。
黒を基調とした独特で力強い絵は見るものを圧倒します。僕はご本人の風貌の方に圧倒されますけど…
同4階、巨大な3作品は左から天国、現生、地獄。
この辺りがクライマックスかな。半端ない大きさでした。
最上階の5階はインターナショナルで、このフロアのみ写真撮影は禁止。日本の作家の作品も少し展示されていました。
バンコクのミュージアムオブコンテンポラリーアート、MOCA BANGKOK。
絵画が中心となりますが、作品数や展示方法など欧米の現代美術館に引けを取らない内容です。バンコク中心部のデモとは無縁のアートな世界に、足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
余談ですが、ここMOCA BANGKOKはタイの通信大手DTACの創業者ブンチャイ氏によって作られたもの。最近再婚されたことが現地でニュースになりました。数多くの作品群に紛れて一つだけ題名が付いていない作品があったのでアレ?と思ったのですが、よく見たら新しい夫人の肖像画でした。(笑
【住所】 499 Kamphaengphet 6 Rd., Ladyao, Chatuchak, Bangkok 10900 THAILAND
【開館時間】 午前10時~午後6時/火曜日~日曜日(月曜休館)
【入場料】 180バーツ(駐車場: 無料)
【URL】 www.mocabangkok.com/
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