04.09
モロッコ旅行記 世界遺産エッサウィラ観光
大西洋に面するモロッコの港湾都市、エッサウィラ Essaouira へ旅しました。城砦に囲まれた旧市街(メディナ)は世界遺産にも登録されており、マラケシュから日帰りで訪れることが可能です。
※ オレンジの線がエッサウィラのメディナを囲む城壁を示す
場所・行き方
モロッコきっての観光都市、マラケシュ Marrakesh から西へ 180 km。車で3時間の距離です。
今回の旅行は現在Kitagawaが通っている大学のクラスメイトとヨーロッパ滞在中に完全な思い付きで来てしまっており、下調べなどの準備をまったくしていません(汗)マラケシュの市内観光は最終日に半日あれば大丈夫だろうと考えて、エッサウィラまで出掛けることをハイライトにしてみました。
とは言え日程が2泊3日と短いので、マラケシュ発エッサウィラ行きの日帰りツアーを利用しました。料金は一人当たり € 22。検索すれば多数のツアーが見つかると思いますが、参考までにクラスメイトが選んでくれた現地ツアー会社のリンクを掲載しておきます。
www.marrakech-desert-trips.com/tours/day-trip-to-essaouira-from-marrakech/
泊まっている ル メリディアン エンフィス Le Méridien N’Fis までの送迎は無料。当日は約束の午前8時半を15分ほど遅れてお迎えの車が来てくれて、マラケシュ中心部で下の写真の車に乗換え。僕ら以外のお客さんはほぼヨーロピアンで、コロナ渦中にも関わらずほぼ満席でしたが、横3列のゆったりしたシート配置のため移動は快適でした。
マラケシュとエッサウィラの間には2つの町があるくらいで、車窓からの眺めは赤茶けた荒野がほとんど。片側一車線の区間もありますが、モロッコの路面状態は良いようです。ドライバーさんは安全運転で、途中の警察による検問もスムーズに通過していました。
アトラス山脈
左手にはモロッコからチュニジアまで及ぶアトラス山脈の雄姿が見られます。アフリカなのに雪を冠しているのが凄いですね!と言うか、3月のモロッコはまだかなり寒いので朝晩はダウンジャケットが必要です。
途中、観光客向けレストランで休憩があり、飲食しなくてもトイレは無料で利用できます。
ヤギがなる木(アルガンツリー)
また、ヤギさんがたくさん木に登っているユニークな場所でも停車しました。観光客向けのパフォーマンスかと思ったのですが、調べてみるとこの木はサハラ砂漠でも枯れることの無いアルガンという種類の木で、ヤギたちは実や葉っぱを食べるために木に登ることを覚えたのだとか。
しかし足場が組まれていたり子ヤギが紐でつながれていたり、そしてチップを集める男の子もしっかり待機していたりして、不自然な気がするのは僕だけでしょうか?確かにかつては野生のヤギがアルガンツリーに登ったのかも知れませんが、木の上にいるヤギさんたちは寒風の中で途方に暮れているように見えて、やはり観光客向けのパフォーマンスだと感じました。
アルガンオイル
そのアルガンの木から採れる実は、種の核の部分から抽出したオイルが美容品として商品化されており、髪の毛や保湿に良いそうです。ツアーの途中でもアルガンオイルの抽出を実演する作業場に立ち寄って見学させられます。
搾りたてのオイルはパンに付けて食べられるらしく、僕も試食してみましたがオリーブオイルに似ています。しかしその成分はオリーブオイルより格段にビタミンや抗酸化作用が高く、ヘアケアやスキンケアに適していることは間違いないようです。こういう販売店に寄ることで格安ツアーが成り立っている訳ですが、アルガンオイルを売るお店はエッサウィラのメディナに何軒もあります。ここで慌てて買う必要はありませんし、モロッコは大変物価の安い国なので日本の相場とも比べた方が良さそうです。
エッサウィラ旧市街観光
エッサウィラには12時半ごろ到着し、昼食を含め自由行動です。午後5時の集合時間まで、4時間半もの時間がありました。この日は天候が不安定で、日が射したり雨が降ったり、日が射しているのに雨も降ったりと、冴えないお天気でした。それでも城砦に囲まれた旧市街(メディナ)は活気に溢れ、多くの人が行き交い、雑多な商品が取引されている様子を見ることができました。興味があれば、城壁や稜堡を辿ったり、歴史博物館を見学するのも良いでしょう。
エッサウィラ観光は城壁の内側、メディナの中心を貫く Av. Oqba Ibn Nafiaa を往復すると、その規模や空気を感じられます。少し様子が分かったら、無数にある小路に入ってみるのも面白い。迷路のような道が入り組んでいて方向感覚をすぐに失いますが、城壁に囲まれているお陰で行ったり来たりしているうちに大きな通りに戻れました。角を曲がるたびに雰囲気が変わり、工房が連なっていると思ったらモスクが出てきたり、学校の下校時間に重なって狭い小路が子供たちで埋め尽くされたりと、その変化によって探検気分を味わえました。また、エッサウィラは世界遺産とあって旧市街の人たちは観光客に慣れていて基本的には外国人を気にせず生活しているので、写真の撮影にも寛容に感じられました。メインストリートのお土産物屋さんも価格が安くてしつこく無いので、気軽にお店を覗いたりショッピングを楽しむことができそうです。
スイーツ
アラブ圏にはお菓子の店が多い。
猫
町の至るところで猫を見かける。
タジン鍋
港町ということで、お魚のタジン鍋をお昼ご飯に食べた。野菜が多く素朴な味が嬉しい。
エッサウィラ漁港の青い舟
旧市街の南西にある漁港には漁に使う青い小舟が並んでフォトジェニック。空にはカモメが何羽も舞う。
感想
世界遺産とは言え、外国人観光客はサハラ砂漠に向かうことが多く、あまり大西洋岸のエッサウィラには足を延ばさないようです。空模様だけが残念でしたが、荒ぶる大西洋の様子や、カモメ舞う城砦都市の外観、そしてまるで迷路のようなメディナの中を歩き回り、マラケシュとは違ったリアルな生活感も感じることができました。その国をもう少しだけ深く知るには、地方の小さな町への遠出が欠かせません。片道3時間、やや距離がありますがその分モロッコの広さや自然もしっかり感じられました。帰りの車では大きな虹が前方にかかり、しばらくして雨も上がって翌日は青空に恵まれます。
ここからは余談ですが、エッサウィラの広場に我が国の国旗が載った看板が出ていました。モロッコでは地方都市の水質が問題になっており、日本はエッサウィラを含むモロッコの9つの都市に対する下水道整備事業に対して円借款にて援助を行なっています。この件に関するJICAのレポートを読むと、当事業を支援しているのは他に世界銀行、アフリカ開発銀行、フランス援助庁、ドイツ復興金融公庫、欧州投資銀行などであって、そこに並んで果たして我が国が援助する必要性があるのか?ここに引用はしませんが、本件に関与する理由のあまりに雑な記述には呆れました。以前は海外で日本の国旗を見ると誇らしく感じたものですが、経済の停滞が固定化してしまっており、もはや諸外国を支援するより国内の立て直しが先だろうと思わずにはいられません。
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