05.29
死の沼地、デッドフレイの奇妙な光景(ナミビア・ナミブ砂漠)
ナミブ砂漠でもっともフォトジェニックな デッドフレイ Dead Vlei を訪れました。あまりに苛烈な気候によって、なんと7世紀も前に立ち枯れた樹がそのままの姿を留めています。
DeadVlei
ナミビア共和国 ナミブ砂漠
Sossusvlei, Namib-Naukluft National Park, NAMIBIA
国立公園ゲートから65km(車で1時間)
泊まっている クララ・デザート・ロッジ Kulala Desert Lodge の砂漠ツアーで連れて来てもらい、ソススフレイで一番大きな砂丘 ビッグ・ダディ Big Daddy に続けて見学します。
ここは地質学的にユニークな見どころで、少し予備知識があった方が理解しやすいと思います。
デッドフレイ
Dead Vlei
デッドフレイは砂漠の中に忽然と現れる真っ白な盆地。
大昔に ツァウチャブ川 Tsauchab の洪水により生まれた浅い湖が、その後の気候変動で干し上がって残った平地です。ここソススフレイに至る地形そのものがツァウチャブ川のお陰で形成されたようなものですが、その水の流れは現在 セスリム・キャニオン Sesriem Canyon の地底で認めることができ、僕らも翌日連れて行ってもらいました。航空写真の左側に聳える砂丘がビッグ・ダディで、東京タワーと同じくらいの高さがあります。
Dead Vlei at Sossusvlei, Namibia (2017) by Olga Ernst, Licensed under CC BY 4.0
砂丘を駆け下りて
ソススフレイではビッグダディとデッドフレイを合わせて見学するため、先にビッグダディへ登っています。となるとデッドフレイは足元に広がっており、砂丘の斜面を一気に駆け下りてみました!
砂、砂、砂。死ぬ思いをして登ったナミブ砂漠 ですが、降りるのも想像以上の急斜面で息が上がってしまいました。
死の沼地
デッドフレイとは英語とアフリカーンス語の組み合わせで、その意味は「死の沼地」。内陸流域ゆえに水が溜まった場所は塩湖となり、残留した塩によって白く見えているようです。死という恐ろしい名前が付けられていますが、周辺ではゲムスボックなどの生き物の姿も見られました。水と塩ですから、どちらかというと生き物には欠かせないものですよね。
枯れたまま立ち続けること数百年
デッドフレイで目を惹くのは盆地に点在する真っ黒な樹木。気候変動で水が干し上がった後、あまりの暑さに分解されることなく化石になってしまったのだとか。その年数は600~700年とも、資料によっては900年とも書かれています。そんなに長い時間をかけて、砂に埋まってしまわないのも不思議です。
青い空、赤い砂丘、白い塩湖に、化石となってもなお立ち尽くす黒い樹木。
風の音すらせずに現地はまったくの無音。
時間の進行が止まってしまったかのような奇妙な感覚に包まれました。あまりに音がしないものだから耳鳴りがするくらいで「転生したら人類が絶滅していた」なんて映画的な光景ですらあります。なお、樹木には手を触れたり座ったりしてはいけません。
角度や露出によって色んな写真が撮れるのでカメラに凝っている人はナミブ砂漠で一番時間をかけて撮影したい場所。幸い雨が降ることはありませんし(笑)ナショジオ並みの絶景を狙ってみてください。
体力を使い果たし、ランチタイム
さて、ビッグダディに登りましたが…砂丘の“お父さん”がいるなら“お母さん”ことビッグマミィもあるの?と疑問が浮かびます。ガイドさんに訊いたら本当にあるそうで、この後はソススフレイの最深部に聳える ビッグ・ママ Big Mama へ移動してランチタイムとなりました。
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