02.15
ナミブ砂漠レンタカー旅行記(アフリカ・ナミビア)
アフリカ大陸の南西にあるナミビア共和国。広大な国土に魅力的な自然の見どころが点在しており、治安も良いのでレンタカーで旅しました。ドライブの様子と運転の注意点をまとめます。
ナミビア旅行について
おすすめ度の高い国ですが、まとまった時間を要する旅先です。
観光客が活用できるバスや鉄道網が無いので公共交通機関を乗り継いでの旅行は難しく、現地発の定期的なツアーも催行されていません。レンタカーを利用するか、国外からのパッケージツアーに参加するか、あるいは時間と交渉力があれば現地に着いてから車とドライバーをチャーターして旅することになります。
ルート
首都ウィントフックを発着点として反時計回りに、北部のエトーシャ国立公園、西部の海岸の町ウォルビスベイ、南部のナミブ砂漠の順に廻りました。それぞれが非常に離れているので移動に時間がかかります。走行距離は2,100kmでした、東京から福岡を往復する距離に相当します。
ナミビア北部はコンディションの良い舗装路なので、南部のオフロードを走る前に運転に慣れるためにも反時計回りのルートがおすすめです。ウォルビスベイの代わりにドイツ統治時代の面影が残るスワコップムントに泊まっても良いでしょう。
日数
飛行機が欠航した影響 で一日短くなり6泊7日で済ませましたが、とても忙しい日程となってしまいました。エトーシャ国立公園とウォルビスベイはいずれも日没頃に着いて一泊し、翌朝から観光してそのまま次の目的地へ向かうというハードスケジュールで、余裕の無さが悔やまれます。最後のナミブ砂漠では2泊3日しており、感動的な情景を見られて疲れも吹き飛びました!
現実的には上記の4か所を廻るだけでも 8泊9日 欲しいところ。
10日あればヒンバ族の暮らすカオコランドなど興味深い見どころにも足を延ばせそうです。
予約
日本のAVISのコールセンターに電話し、トヨタの4WDを予約しました。
ウィントフック・ホセア・クタコ国際空港のAVISレンタカーの窓口は夜10時までの営業。公用語として英語が話されており、対応も親切でした。空港内の様子は 南アフリカ航空搭乗記 に写真を掲載しています。
車種
4WDに限ります。
ほぼ新車を用意してもらえて、スマホからBluetoothでカーオーディオに接続して同乗者のお気に入りの音楽を聴きながらドライブできました。
ナミビア南部、具体的にはウィントフックから南やウォルビスベイから南はすべてオフロード(未舗装)なので、四輪駆動でないと運転が危なっかしい。稀にセダンで旅行される日本人バックパッカーの旅行記が見受けられますが、例外なく道中でパンクして日程が狂っていますし、現地で4WD以外の車でドライブしている観光客など一組も見かけませんでした。
保険
パンクと飛び石によるフロントガラスの損傷も含めた保険に入るようにアドバイスする口コミが多いのでそのようにしました。どれだけ注意していてもパンクや飛び石に遭ってしまうようで、実際に両方とも発生したのでフルカバーの保険にしておいて正解でした。
交通ルール
ナミビアは治安が良く、日本と同じ左側通行。交通マナーも良いので運転はしやすいと思います。自動取締装置が設置されているので速度も守りましょう。大きな都市の手前では警察が検問を行なっていましたが、外国人が停められることは稀。夏は陽射しが強いので運転にあたって長袖とサングラスも必要です。
給油
大きな町に有人のガソリンスタンドがあり、クレジットカードが使えます。併設されている売店もコンビニ代わりになって便利。ただし町と町の間は商店の一つすら存在しないので、常にガソリンは満タンにして予めスーパーなどで水やスナックなどを買い求めてから次の町へ出発した方が安心です。
注意点
ナミビア南部(ウィントフックから南やウォルビスベイから南)は、後述するソリティアという地にガソリンスタンドが一か所あるのみで、道中には冗談抜きに 人家や商店が一軒も存在しません。交通量も少なく、オフシーズンは一時間近く走って一台も対向車とすれ違わないほど。事故に遭ってもレスキューが来るまで恐ろしく時間がかかるので、くれぐれも安全運転で…また万が一、脱輪やパンクなどで誰かの助けが必要な場合を想定して、明るい早めの時間帯に移動することをおすすめします。
通信事情
町を出てしまうと、ナミビアの携帯電話会社MCTのSIMカードであっても電波が入らず通話できません。常に連絡手段を確保したいなら衛星携帯電話のみとなります。Kitagawaは自分のインマルサット衛星電話を持っていますが、ホテルの手配をする際に旅行会社からもレンタルを提案されました。
チャーター機も使えます
ナミビアも他のアフリカ諸国と同様にゼネラルアビエーションが発達しており、小型機をチャーターして移動することも可能です。ご参考までに、ウィントフックからセスリム空港まで二名で往復すると見積金額は 2,920 USD、往復のいずれかをウォルビスベイに変更すると 3,160 USD でした。
ウォルビスベイからセスリムまで
ナミブ砂漠に向かうドライブの様子を写真で紹介します。
午後1時にウォルビスベイの Protea Hotel Walvis Bay Pelican Bay を出発し、まずはナミビアで最も標高が高いという砂丘 Dune 7 に立ち寄りました。その後は一路ナミブ砂漠を目指し、セスリムの南にある Kulala Desert Lodge に午後7時に到着。ぎりぎり日没には間に合いましたが、もう少し早めに動いた方が良いと思います。
これほど人も店も何も無いとは思わず衝撃を受けました。
大げさではなく大自然の中に一本の道路しか存在しません…もちろんトイレも設置されておらず(笑)もし対向車が来るなら遠くからでも砂煙が見えるので、その辺で手早く済ませるしかありません。
南回帰線
Tropic of Capricorn
途中で 南回帰線 Tropic of Capricorn を通過します。
インスタにもいっぱい写真がアップされている有名な看板なので、ぜひ見つけてみてください。
ソリティア
Solitaire
ナミブ砂漠へ行き来する途中で営業している唯一の施設が ソリティア Solitaire というドライブインです。錆びたトラクターが置かれていたりしてまるで西部劇のセットのような雰囲気が面白い。ここは売店、ガソリンスタンド、レストラン、ホテルも備えています。給油の支払いは現金のみ、店内にATMも設置されています。
道中では野生の生き物にも出会えます。
ゲムスボック Gemsbok は良く見ることができる動物の一つ。
5時間近く走りますが、変化に富んだ無骨な景色が面白く運転に飽きません。借りる時に追加のドライバーの登録をしたならば、ぜひ交代しながらハンドルを握ってみてください。ようやく僕らが泊まる クララデザートロッジ Kulala Desert Lodge や リトルクララ Little Kulala の看板が出て来ました、ここを右折します。
セスリム
Sesriem
ナミブ砂漠の観光の拠点となる、セスリム Sesriem。
町と言うより、ガソリンスタンドや売店を中心にキャンプサイトが集まっている感じ。
写真がナミブ=ナウクルフト国立公園のゲートのようです。
Google Map だとここから中に入るルートが示されているのですが、Wilderness Safaris は国立公園への専用道を持つリゾートなので、このゲートではなく更に南下するように…とのこと。それを知らない宿泊客が僕ら以外にも頻繁に来るのでしょう(笑
ウィルダーネス・サファリズ
Wilderness Safaris
ようやく ウィルダーネスサファリズ Wilderness Safaris の入り口を発見。
ここから入って リトルクララ Little Kulala や クララデザートロッジ Kulala Desert Lodge にアクセスします。地味過ぎてスピード出して走っていたら通り過ぎてしまいそうですね(汗)地図上にゲートの場所を示しておきました。
入り口からホテルまでが、また遠い遠い。
13kmくらい距離があって、真正面に見える砂丘に向かって20分以上走り続けます。野生のダチョウやシマウマなどが歩いていたりして、とてもリゾートの敷地とは思えないワイルドさ。お部屋の作りや砂漠観光も期待以上で最高の思い出になりました!詳しくは クララデザートロッジ宿泊記 のページをご覧ください。
ナミブ砂漠から首都ウィントフックまで
セスリムからウィントフックまでの復路も半日がかりの大移動。
距離は340kmあります。正午ちょうどにホテルを出発し、ウィントフックに午後6時半に着きました。
山脈を越えるためつづら折りの山道を通ります。高いところに駐車できるスペースがあって彼方まで続く山の連なりを望めました。しかし道路にガードレールは無いし路面も滑りやすく、まったく気を抜けない運転となりました。
道路が舗装されているのは最後の15分くらいだけ(笑
何とか事故も起こさずウィントフックで泊まる Protea Hotel Windhoek Fürstenhof に到着しました。
まさか最終日にパンクするとは
トラブルも無く順調に終えられたように思えたナミビア共和国のドライブ旅行ですが…なんと最終日、しかも今から空港に向かおうというタイミングで前輪がパンクしてしまいました!
悪路を走り続けたものだからタイヤが疲労して割れてしまったようで、ウィントフックに着くまで持ってくれたのは不幸中の幸いか。こういう時に限って緊急用電話番号はお話し中で、レンタカー会社への連絡はホテルのレセプションに任せてしまいました。
レスキューを待っていては飛行機に乗り遅れると判断して、自分でタイヤ交換を試みることに。
車が大きく傾いてしまってシャシーのジャッキアップポイントに車載のジャッキが入らず、他の宿泊客に頼み込んで背の低いジャッキを貸してもらったりとひと騒動。旅のメンバーは女ばかりで写真を撮る以外の戦力にはならず、幸いホテルの敷地内とあってセキュリティのおじさんがタイヤ交換を手伝ってくれて助かりました。
いや~やっぱ本当にパンクするんですね!
アフリカを含め世界中で車を運転して来ましたが、ギリシャのザキントス島でも空港に向かう道中で脱輪を起こしてしまい、現地の皆さんには助けられました。車を返却するとき、タイヤを自分で交換したと話したら驚かれましたが、こうしてトラブルに遭った国をますます好きになってしまうのは旅の不思議なところです。
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