12.27
ミシュラン星付き広東料理「紫逸軒」(フォーシーズンズホテル・マカオ)
紫逸軒 Zi Yat Heen はマカオのフォーシーズンズホテル内にある広東料理レストラン。口コミによると煎釀鮮蟹拑や蜜汁叉焼の評判が良く、贅沢な食材をふんだんに用いた紫逸軒のランチコースをいただいてみました!
Zi Yat Heen
Four Seasons Hotel Macao Cotai Strip
【営業時間】
ランチ/正午~午後2時半(日曜のみ午前11時半~午後3時)
ディナー/午後6時~10時半
【TEL】 +853 2881 8818
【URL】 www.fourseasons.com/zh/macau/dining/restaurants/zi_yat_heen/
先日発表されたマカオの2019年版ミシュランガイドに中華のお店は11軒も掲載されています。必ずしも星付きレストランの満足度が高いとは限らないと承知していますが、コタイストリップにある飲食店は全体的にお値段が高い。それなら評価が高く話題のレストランから順番に周ってみようとミシュランの星集め(笑)を思い立った次第です。
さすがに今一番人気の 譽瓏軒 Jade Dragon は年明けまで予約が一杯でしたが、宿泊先の セントレジス・マカオ のコンシェルジュが徒歩圏内でいくつか有名店の予約を取ってくれました。高級ホテルのコンシェルジュを通すと直前でも良いテーブルを押さえられるので、上手く活用したいですね。
その中でも紫逸軒は特に値段が高い一軒で、場所はフォーシーズンズマカオのロビーの突当りなので分かりやすい。サンズコタイセントラルからベネチアンマカオを経てつながっているので手ぶらで訪れました。ランチのドレスコードはスマートカジュアルとなっていますが皆さんドレスアップして来店されていました。
ちなみに紫逸軒はフォーシーズンズ香港にあるミシュラン三ツ星レストラン「龍景軒」の元シェフ、麥協富氏が招聘されたことでも話題になりました。当ブログでも以前 龍景軒のランチ をご紹介しましたが、今や数か月前でないと予約が通らなくなってしまいました(涙
紫逸轩 Zi Yat Heen
ランチはアラカルトのメニューだと聞いていたのですが、来てみると 品味宴 Exploration という特選コースも用意されているとのこと。2名だとアラカルトでは多くの品数を選べないので、迷わずコースにしました。
お会計は飲み物を除いて2名で 3,960マカオパタカ(56,097円)なり、もし夜だとワインも飲むでしょうから相応の予算を覚悟しておいた方が良さそうです。
柚子醋拌什菌
ゆず酢とキノコ和え
アントレショードとしてキノコの和え物が出てきました。
みたらし団子っぽいタレにゆずのフレーバー、やや和風な立ち上がりです。
紫逸軒金裝拼盤
紫逸軒の前菜盛り合わせ
間を開けずに前菜の三種盛り。
思わずカワイイ!と声を上げてしまったのですが、スタッフがその日本語を知っていたようで場が和みました。左から、蜜汁叉燒(広東風蜂蜜チャーシュー)、杏片百花鵝肝多士球(海老とフォアグラのトースト)、金箔乳豬(仔豚のバーベキュー)で、食べる順番についてもレコメンドがありました。
蜜汁叉燒が評判とのことですが、個人的には広東料理と言うと皮がカリカリのローストポークを外せませんね~しかも絶品。香港だと最初に焼腩仔を一皿頼むくらいです。
姬松茸瑤柱燉金腿野水鴨
アガリクス茸、干貝、ユンナンハム、真鴨のスープ
スープは透き通っていますがお味は複雑で、薬膳のような深みを感じます。
干した貝柱の歯ごたえもしっかり残っていました。
鮑汁扣南非鮑魚
南アフリカ産鮑の蒸し煮、アワビソースで
そうそう食べる機会の無い大きなアワビを丸ごと蒸した贅沢な一皿。
このコースのハイライトですね、特上の食材を最高の料理人が仕上げた極上の蒸し鮑。新鮮な海の香りとプリプリした弾力を残しながらもナイフでスパッと切ることができ、ソースも素材の旨さを引き立てる絶妙なコンビネーション。下に敷かれたほうれん草も美味しくいただけました。
翡翠脆皮關東遼參
クリスピーナマコと季節の野菜
ご飯の前にもうひと品、ナマコです。
実は苦手な食べ物というか生き物の一つでして、最初に嫌いな食材を訊かれたものの特に差替えはお願いせず…まさか一匹まるまる出て来るとはね!ちなみに外はパリッと中はジューシーに仕上がっていて予想以上に美味しいのですが、さすがに僕には身が大き過ぎます。
魚湯龍蝦球海鮮泡飯
海鮮チャーハンを魚スープに浸して
締めのご飯ものは衝撃の旨さ!
香ばしくパリパリに揚げたライスが小鉢に分けて出てきて、食べる直前に白く濁ったスープに一気に投入します。シーフードがごろごろ入った濃厚なスープに浮かんだ弾けるようなライスの食感がサクサクと実に楽しい。コースの内容ではアワビが最高級でしょうけど、Kitagawaはこの見たことも無いチャーハンのアレンジが一番印象に残りました。
燕窩芋茸蛋白燉鮮奶
上級燕の巣のデザート
食後のデザートもツバメの巣で、最後まで高級食材のオンパレードでした。
ツバメの巣と言うと申し訳程度に入っていることがほとんどですが、ここでは贅沢な量でしっかり味わえました。栄養価が極めて高いので美容にも良さそうです。
精選四季美點
プティ・フール
食後のコーヒーに合わせてカスタードのおもちとコーヒーゼリー。
ゼリーはコーヒーとミルクがレイヤードになっており、これまた作るのに時間がかかりそうですね。
感想
全体的には奇を衒わず、広東料理の基本に忠実な調理と味付けで、安心して食べることができます。値段の高さも厳選された食材の質と量に順当に応じたものであり「良いものを口にしたい」という希望を叶えてくれるのではないでしょうか。反面、クリエイティビティに訴えるお料理は少ないので「見たことが無いものを食べたい」という新鮮さを求める方には向かないと思います。鮑にせよ燕の巣にせよ、他の中華料理店で出されるお料理のアベレージを知っていてこそ高い満足度を得られるので、食べ比べの中のトップエンドの一軒として訪れるのが良さそうです。
今回はお昼なので普洱茶(プーアール・ティー)で通してしまいましたが、お店の中央には天井まで達する圧巻のワインセラーが鎮座していました。インスタグラムのフォロワーさんからの情報ではワインの品揃えも素晴らしいそうで、メニューにはグラスでペアリングのオファーも載っていたのでワインを合わせるのも良いでしょう。
口コミでは料理が出てくるまで時間がかかるという評判も聞きましたが、そのタイミングやサービスの所作は完ぺきで、食事に要した時間は2時間強でした。満席でも天井の高さと客層の良さで店内が静かなのも良いですね、周りには日本人のグループや子連れの中国人家族も見かけ、マカオらしく気取らずに最高の広東料理を楽しめます。なお、ここ紫逸軒はポーションが大きめらしく普通にチャーハンを頼んだりするととんでもない量が出てくるのでご用心を、アラカルトからお食事を組み立てるなら4人~で来るのが良いようです。
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