10.20
聖カジミエル教会 (リトアニア・ヴィリニュス)
ヴィリニュスは教会の多い町で、旧市街には十字架を冠した建物が多く目につきます。
このピンクの教会は旧市庁舎の真ん前にある 聖カジミエル教会 Šv. Kazimiero bažnyčia。日曜日以外は閉まっていることが多いのですが、通りがかりに運良く扉が開いていたので入ってみました。リトアニアの守護聖人カジミエルを祀っており、ちょっと離れてみると一番上に王冠が載っているのが確認できます。
起源は17世紀、イエズス会 が建てた教会です。
1604年に建築が開始され1635年に完成しますが、1655年にはロシア軍の攻撃で焼失。その後1707年と1749年にも焼けており、18世紀半ばに Tomas Žebrauskas らによって再建されました。(その一部が主祭壇やクーポラとして今に残っています)
19世紀にはフランス軍が 穀物庫 として利用するために祭壇や彫像を破壊。宣教師によって修復されたものの、追放されてしまい 空き家 に。1839年からは ロシア正教会 として改築され、第一次世界大戦に入るとドイツ軍によって1915年から ルター派教会、1917年から カトリック教会、1919年に イエズス会 に戻され…だんだん訳が分からなくなってきますが、1949年に今度はソヴィエトによってまたもや 穀物庫 になり、1963年からはなんと 無神論博物館 にされてしまいます。
以上は公式サイトの沿革をKitagawaが抄訳したものですが、まさにヴィリニュスの歴史を感じるには充分ではないでしょうか。ようやくイエズス会の教会に戻ったのは1991年、そうリトアニア独立の年なんです。ミサを眺めながら、欧州の戦史と宗教に思いを馳せてしまいました。
Šv. Kazimiero bažnyčia
【住所】 Didžioji g. 34, Vilnius 01128, LITHUANIA
【開館時間】 平日: 午後4時半~午後6時半 / 日曜: 午前8時~午後1時半
【入場料】 無料
【URL】 www.kazimiero.lt/
【TEL】 +370 5 212 1715
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