2020
04.08
04.08
奴隷の家 (セネガル・ゴレ島)
セネガルにある ゴレ島 Île de Gorée はかつて三角貿易で栄え、ユネスコ世界遺産にも登録されています。いわゆる“負の遺産”であり、奴隷貿易の象徴的な建物 奴隷の家 La Maison des Esclaves を見学しました。
大航海時代に重要な貿易港として発展したゴレ島。
島に建ち並ぶ商人の館は下が倉庫、上階は事務所や住居として使われたそうです。そのうち1786年に建てられて最後まで残った建物が La Maison des Esclaves、奴隷の家として保存されています。1990年にフランスの支援で改修され、訪れた2019年も上階の工事が行なわれていました。
海への通路は“doorway to nowhere”(帰らざる扉)との異名も。
ただし、いくつか資料を読んでみるとここゴレ島における取扱品目の中で奴隷の重要度は低く、その数は年間300人程度だったという記述も見られます。また周囲は波が強く打ち付ける岩場であり、島の桟橋を使わずにこの建物から直接船に人を乗せたとは考えにくく、観光客へのアピールとして奴隷貿易という側面が史実以上に誇張されている点には注意が必要でしょう。
大西洋を渡ったアフリカ原住民の数は1000万人とも2000万人とも言われています。
以前廻ったギニア湾沿いは“奴隷海岸”と呼ばれ、ガーナの ケープコースト城 やベナンの 帰らざる門 など、いくつもの史跡や記念碑が残されていました。歴史の陰の部分も、客観的に見つめる勇気と知識を持って今後も旅を続けたいものです。
プロフィール
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。