12.12
世界遺産 カゼルタ王宮 (イタリア)
イタリアはナポリの北、カゼルタ Caserta の町にある巨大な宮殿は18世紀のブルボン朝の王宮。世界遺産にもなっており、ヴェルサイユ宮殿やマドリード王宮に対抗して作られたと言われる豪華絢爛な宮殿内を見学してみました。
Reggia di Caserta
イタリア ナポリの北30km、カゼルタ駅から北に500m
【営業時間】 午前8時30分~午後7時30分
チケット売り場は午後6時45分まで、最終入場は午後7時まで
※公園の開門・閉門の時間は月によって異なる
【入場料】 12ユーロ (2016年現在)
【定休日】 火曜日、1月1日、イースターの月曜日、5月1日、12月25日
【TEL】 +39 0823-448084 (最初のゼロも入れる)
カゼルタ宮殿(王宮)とは
ユネスコの解説によると、1752年ブルボン王家のカルロ3世の命により建築家ヴァンヴィテルリに造らせたもの。森林地帯のなかに王宮と庭園、水道橋、絹工場などを築き、イタリアで最も華麗なカゼルタ宮殿は“ナポリ王国のヴェルサイユ”とも称されるそうです。カゼルタの18世紀の王宮と公園、ヴァンヴィテッリの水道橋とサン・レウチョ邸宅群 は1997年、ユネスコ文化遺産に登録。1,200室ある部屋のうち2階の36室と宮殿の背後に3kmに及ぶ庭園が一般公開されています。
行き方とホテル
王宮はイタリア国鉄トレニタリアのカゼルタ駅の真正面にあります。
ナポリからのバスもカゼルタ王宮前に停車するので分かりやすい。ナポリから日帰りもできますが、特に王宮庭園は広大なのでカゼルタ観光だけで一日はかかりそう。下の写真は王宮から見たカゼルタ駅の方面です。
Kitagawaはナポリ周辺の アマルフィ海岸・カプリ島・ポンペイ遺跡の観光に1週間の予定でレンタカーを借りました。ナポリのホテルが1日だけ割高だったのでここカゼルタの ノボテル・カゼルタシュッド Novotel Caserta Sud に泊まることにし、予定外のカゼルタ観光です。ナポリからカゼルタまでは車で40分、2016年現在の高速代は1.5ユーロでした。なお、カゼルタの王宮東側には ZTL(進入禁止区域)が設定されているので車でPiazza Danteから向こうには入らないように。
カゼルタ王宮見学 Royal Palace of Caserta
以下に王宮の主な見どころの写真をできる限り順路に沿って掲載しています。
部屋数が多いのでここでは詳しい解説を省略していますが、現地ではオーディオガイドを借りられるほか各所に英語の詳しい解説が書かれたパネルも出ていました。
Staircase of Honour Scalone d’Onore
入口の上階へと続く「名誉の階段」は両側を2頭の大理石のライオンに守られていました。
見上げると楕円形にくり抜かれた天井から覗く美しいフレスコ画、Girolamo Starace の作。
Royal Palatine Chapel Cappella Palatina
最初に覗いたのは礼拝堂、床の大理石の模様が素晴らしいですね。
正面の絵は Giuseppe Bonito 作、無原罪懐胎 Immaculate Conception。
王の居館 Royal Apartments
見学ルートは一続きですが、大きく19世紀の居館と18世紀の居館に分かれます。
どの部屋も天井のフレスコ画が見事で床や壁面にも趣向が凝らされていました、全景を収めるには広角レンズが必要でしょう。
Halberdiers Room Sala degli Alabardieri
最初の控えの間、矛槍兵の部屋。天井画は1789年、Domenico Mondo の作。
Bodyguards Room Sala delle Guardie del Corpo
2番目はボディガードの部屋。
壁に埋め込まれた12枚のレリーフは 第二次ポエニ戦争 Second Punic Wars をテーマとしたもの、そして19世紀にナポリで作られたシャンデリアが下げられていました。
Mars Room Sala di Marte
続く貴族、王国の男爵、政府高官、外交官のための控えの間。
ここで念のため書いておきますが、説明は僕が適当に訳していますので当ブログをコピペするとすぐに分かりますよ。
マールスとはローマ神話における戦いの神、そう言えば火星もマールスから名前を付けられたんでしたっけ。天井画は Antonio Galliano 作、1814年 The Triumph of Mars です。
Astrea Room Sala di Astrea
こちらは専門家や大使など特権を持った人のための控えの間、金色のレリーフが美しいですね。
やはり天井画が部屋の名前の由来になっており、フランスの画家 Jacques Berger によって描かれた The Triumph of Astraea は正義の女神です。
Room of Alexander the Great Salone di Alessandro
第3の控えの間、有名なマケドニア戦士アレクサンドロス大王に捧げられた部屋。
天井のフレスコ画のテーマは アレクサンドロス大王とロクサナの結婚 The Marriage of Alexander the Great and Roxana、1787年 Mariano Rossi の作。
Throne Room Sala del Trono
王座の間、謁見室ですね。金色の漆喰レリーフが見事。
1845年に完成し、長さ40mもあるそうです。
ここでも天井の絵に注目しておきましょう、1752年1月20日にここカゼルタ宮殿で行なわれた定礎式を描いたものです。
XIX Century Back Rooms
以降のバックルームにはブルボン朝の工芸品コレクションを展示。
どうやって使うものなのか現場では調べ切れませんでしたが興味深いカラクリが置かれていました。
Bedroom of Joachim Murat Camera da letto di Gioacchino Murat
Bathroom
Bedroom of Francis II Camera da letto di Francesco II
Spring Room Sala della Primavera
続く旧居館 Old Apartments は18世紀まで遡り、春夏秋冬のテーマ別のお部屋がありました。
Summer Room Sala dell’Estate
Palatine Library Biblioteca Palatina
3つの蔵書室と2つの読書室で構成された王室ライブラリー。
Royal Crib Presepe Reale
聖書のシーンを再現した模型のコレクション。
模型はコルク製で、人形は繊維で作られ頭と手と足をテラコッタ(粘土)で仕上げているそうです。
王宮庭園 Royal Park
王宮の後は庭園の見学となりますが、あいにくの雨。
イタリアにはだいたい3年おきくらいに来ているのでまた機会を改めましょう…ということで2016年の観光でお庭は王宮の裏から眺めるに留めました。
観光客が思ったより少なくて落ち着いて見て回れたのが良かった。公開されている各部屋は状態が良く、煌びやかな内装やフレスコ画の数々。ここでは掲載を省略しましたが王宮の設計図や模型も展示されていて興味深く見応えあり。宮殿と庭園、そして世界遺産を構成するヴァンヴィテッリの水道橋も含めると距離があるので丸一日は欲しいところです。しばらく先になりそうですが、ここはぜひお天気の良い日に再訪したいと思います。
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