06.15
世界遺産 コトル旧市街 (モンテネグロ)
バルカン半島の小国、モンテネグロを訪れました。
ユーゴスラヴィアから2006年に独立した国ですが、自然に恵まれておりツアーで気軽に来られるとあってアドリア海沿岸を周る観光客に人気のディスティネーション。特に港町コトルの城壁に囲まれた中世の街並みは美しく、ユネスコ世界遺産にも登録されています。
行き方
ドゥブロヴニクから南に約100kmなので、クロアチア観光と合わせて旅するのが定番。
国際バス での行き方やコトル発着のバス時刻表を モンテネグロ・コトルまでの国際バスの乗り方・料金・時刻表 のページにまとめました。
現地発ツアー もドゥブロヴニクから数多く催行されており、一例として僕らがボスニアヘルツェゴビナ日帰りツアーでお世話になった Amico Tours 社のコトル日帰りツアーはひとり 380 kn とのこと。
飛行機 でもアクセスでき、ティヴァト空港(TIV)はコトルから車でわずか10分。
旧ユーゴ圏内では エアセルビア Air Servia がベオグラードから就航しており、意外にもドゥブロヴニクよりティヴァトの方が便が多くて安い。バルカン半島を周遊するならセルビア経由の空路で周るのも効率的です。
コトル旧市街
海岸線が複雑に入り組んだボカコトルスカ湾、その最深部にコトルの町があります。モンテネグロに入ってしばらくすると美しい水面が車窓に広がりました。まるで湖のように澄んでいますが、これもアドリア海の一部なんですね~
コトルの旧市街は強固な城壁に守られており、その内側に見どころが集まります。
いくつかの教会をはじめ、オレンジ色の屋根に染まる街並みそのものが大きな魅力。城壁は山の稜線へと続いており、地図に示した赤線に沿って山腹の教会まで登ってみると旧市街を一望できてオススメです。
南門
コトルバスステーション から徒歩10分、南門の Gurdić Bastion から旧市街に入りました。城郭都市が大好きなKitagawa、無骨な壁に囲まれた教会やおうちの屋根が見えただけで盛り上がってしまいます!
ヨーロッパに残る多くの城塞は防衛のため丘の上に築かれていますが、ここコトルは山麓の港町という珍しい地形。国名のモンテネグロとは、ベネツィア語で「黒い山」を意味するそうです。
ユネスコ世界遺産のロゴが出ていますね。
1979年に町全体が「コトルの自然と文化 歴史地域」として世界遺産に登録されています。
正門
ツアーだと旧市街の西側にある正門から入ります。こちらは残念ながら工事中でした。
門の左手にある建物はツーリストインフォメーションで、無料の地図をもらっておくとガイドブック代わりに役立ちます。
北側はお堀のようになっていて随分と雰囲気が変わります。
この水、アドリア海がそのまま引き込まれていました。
レストラン
通りにはカフェやレストランが建ち並び、観光地らしくフレンドリーなお店ばかり。
ドブロブニクより物価が安く、モンテネグロの通貨はユーロなので利用しやすく感じました。当地のビールは Nikšićko Pivo が定番です。
お腹を満たしたらさっそく旧市街を散策。
ベストシーズンは4~10月で、特にハイシーズンとなる7~8月が混み合います。この日はクルーズ船も寄港しており賑やかでした。コトルは治安が良いので首からカメラをぶら下げて歩き回ってもまったく問題ありません。
聖トリプン大聖堂
Saint Tryphon Cathedral
コトル旧市街の南寄りに建つローマカトリック教会。
年中無休で、2,50€ の入館料が必要でした。
1160年創建で、地震による損傷を受け1667年と1979年に再建されています。
15世紀に作られたという祭壇。
階段を登ると教会ゆかりの品を展示する博物館になっていました。
教会のテラスから広場を一望。
日本から来ている団体のツアー客も見かけました。
聖ニコラ教会
Saint Nicholas Church
18世紀に焼失した修道院の跡地に建てられたカテドラルで、1902~1909年の築。
こちらはセルビア正教会のため、大きな汎スラブ色の旗が掲げられていました。
入場無料。
中に置かれた堂々たるイコノスタシスは煌びやかで必見です。
別のカメラで撮った聖ニコラ教会。
右側にKitagawaが入っちゃってますね、
聖ルカ教会
Saint Luka Church
この小さな教会は1979年の地震の被害を受けていないコトルで唯一の建物だそうです。
1195年に建てられたカトリック教会で、後に正教会となったもの。モンテネグロはちょうどローマカトリックと東方正教会が接する地域にあたり、それぞれの祭壇を見られます。
城壁
主な教会を見学し、カフェで一休みしてから城壁へ。登り口は2か所あります。
ツアーで来るとのんびり城壁を歩き回る余裕が無いので今回はバスで来たのですが、国境の通過に思いのほか時間がかかってしまい急ぎ足。コトルのホテルは数が多くて安い ので、個人旅行なら一泊すると良いでしょう。
城壁の入場料は2018年5月現在、8€ でした。
一番上の23番 セントジョン城 Kaštel Sv. Ivan は標高260mですが、体力も時間も持たないので中ほどの14番 救世聖女教会 Crkva Gospa od Zdravlja を目指して登り始めます。
つづら折りに続く石畳の階段。
踏み台になっている石が小さくて歩きにくい!城壁には僕以外誰も登らないというので(笑)荷物はカフェに置いてカメラと水だけ持って来たのですが、それでも息が上がり途中で引き返そうと思ったほど。それでも頑張って登ったら、とうとう眼下に旧市街を一望できました!高さは100mを超え、陽射しと風が心地よい。
救世聖女教会
Gospe od Zdravlja
山腹にある古い教会。
中も狭いのですが、年代を感じる祭壇を見ることができました。
登ってきた道を振り返る。
健脚で立ち止まらなければ城壁の入口から教会まで片道15分くらいです。
箱庭のように可愛らしいコトルの眺め。
右手に見える丸いドームが特徴の聖ニコラ教会。
こちらは聖トリプン大聖堂。
視線を上げれば山に囲まれたボカコトルスカ湾。
クロアチアからのツアーやバスはこのリアス式海岸に沿って走ります。
後ろを見上げるとさらに上の方まで城壁が続いていました。
感想
旧ユーゴ圏もすっかり落ち着いて普通に観光できるようになりましたね。来てみたらあまりの陽気な雰囲気に拍子抜け!これはボスニアヘルツェゴビナのモスタルも同様で、クロアチアのリゾート地ドブロブニクから日帰りでやって来る観光客が多いからでしょう。その分モンテネグロの素顔とは言い難いところですが、中世から続く街並みや周辺の地形は独特で美しく、国境を越えて訪れるコトルへの旅は印象深いものになりました。ドブロブニクから来るとその静けさと緑の多さにもホッとさせられます。今回はバルカン半島の未訪問4か国を駆け足で周っており日帰りになってしまいましたが、いずれ改めて自然豊かなモンテネグロを旅したいと思います。
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