09.02
天国に一番近い教会、ゲルゲティ三位一体教会(ジョージア・カズベキ山)
ジョージアの名峰カズベキ山を望む ゲルゲティ三位一体教会 Gergeti Trinity Church を訪れました!標高 2,170m。天国に一番近い教会、と云われるのも納得の絶景が広がっており、人生で一度は行ってみたい場所の一つでしょう。
ジョージアはコーカサス三国の一つで、時計回りにロシア、アゼルバイジャン、アルメニア、トルコに囲まれています。今回はコーカサスを周遊しており、最後にここジョージアを訪れました。かつてペルシア帝国などイスラームの支配を受けた地域であり、お隣のアゼルバイジャンは早くにイスラム化していますが、ジョージアは世界で二番目にキリスト教を国教とした国とあって975年のバグラト朝ジョージアが成立してからキリスト教が再興。現在も国内各地に点在する古い教会が見どころとなっています。
その中で最も観光客から人気を集めているのがゲルゲティ三位一体教会。ロシア国境に近く、背景に聳えるコーカサス山脈がまさにジョージアとロシアの国境です。教会はゲルゲティ村を抱く山の頂にあり、ホテルが集まるステパンツミンダからはカズベキ山を背景にして山頂に佇む教会のシルエットを望むことができます。やはり晴れている方が美しいものの、雲に包まれた教会の姿からも神々しさを感じることができました。
წმინდა სამება – Tsminda Sameba
ジョージア、ステパンツミンダから車で10分または登山道で徒歩1時間半
行き方
ジョージアの北部にある ステパンツミンダ Stepantsminda という小さな町が観光の拠点になります。首都トビリシから車で片道3~4時間。僕らはレンタカーを使い、5泊6日のジョージア旅行のうちステパンツミンダに2泊3日の日程で訪れました。山の天候は変わりやすいので、余裕を持ったスケジュールをおすすめします。
三位一体教会は山の上にあってステパンツミンダの町から結構遠くに見えますが、舗装道が2018年末に開通したことでアクセスが劇的に改善しました(かつては4WDが必要でした)。下の写真で左の山の上に教会があるのが分かるでしょうか…この道を車でかっ飛ばしていくと、なんと片道10分で着いてしまい、下界から一瞬で天国に行けます(笑
徒歩の場合は麓のゲルゲティの村からハイキングコースがあり、片道約3kmで所要1時間半。ただし高低差が450mもあり、ルートも複数あるので現地で予め情報を入手してから出かけるように。疲れ果てて立ち尽くしている人を複数見かけたので、夏と冬の歩きは避けた方が良いと思われます。教会の横に無料のトイレと水汲み場があるものの、道中や教会周辺に売店やレストランは一切無いので飲料水や軽食をお忘れなく。
天国に一番近い教会
ジョージア旅行は長年の夢で、トビリシからステパンツミンダまでの運転も半日がかりでしたが、最後はあっけなく着いてしまった三位一体教会。壁のような山脈を背景にした聖堂と鐘楼が聖らかな存在感を放っています。本当に山の天辺にあり、観光地らしい過度な整備がされていないのも好ましい。教会だけでなく、周りに広がる牧歌的な自然の中も歩き回ってゆっくりと一体感を味わいたい、そんな気持ちにさせてくれます。
牛さんがいっぱいいて草を食んでいたので動画を撮ってみました。
振り返ると真夏でも雪を頂くカズベキ山、風が心地よく空気も美味しい。
トレッキングコース
三位一体教会の西にあるパーキングからハイキングコースが伸びています。
一番手前の丘はかなりの急斜面ですが、これに登るだけでも景色が一変します。背景の山脈がダイナミックに立ち塞がり、人間の無力さと、それでも数百年も前にこの地に教会を建てた信仰心の篤さを強く感じられるのではないでしょうか。
カズベキ山への登山道もここから伸びています。
夏でもアイゼン・ピッケルといった雪山装備が必要な険しい雪山ですが、その手前のゲルゲティ氷河までは中級者であれば日帰りでトレッキングが可能なようです。片道6km、高低差1,000m、中級者で往復6時間ほどが目安とのこと。次回は装備を整えて挑戦してみたいと思います。
ゲルゲティ三位一体教会
Gergeti Trinity Church
最後に、肝心のゲルゲティ三位一体教会についてまとめておきます。
ジョージア語では ツミンダ サメバ Tsminda Sameba と呼ばれ、最初にこの地に教会が建てられたのは14世紀のこと。宗教行事が禁止されたソビエト時代を乗り越え、今もジョージアの大切な教会として機能しています。
鐘楼
南に建つ鐘楼。
中は空っぽですが、入り口のレリーフが美しく目を惹きます。
教会
聖堂の南側にあるアーチの中に小さな礼拝堂があり、中を覗くとぽつんとレリーフイコンが置かれていました。
西側の入り口から聖堂内に入ってみました。
正教会なので装飾は全体的に質素ですが、多くのキャンドルが灯されて篤い信仰心を窺えました。
教会の前から見下ろすと、足元にゲルゲティ村と、その向こうにステパンツミンダの町が広がっています。写真では分かりにくいのですが町は急斜面になっており、奥に行くに連れて坂の上になります。Kitagawaの泊まったホテル(黄色い矢印)が町の一番高い場所に位置しているのが確認できました、どうやら一番大きなホテルのようです。
下の写真はホテルのテラスからの眺め。
カズベキ山とゲルゲティ三位一体教会のパノラマを楽しめる贅沢なホテルでした。詳しくは当ブログ内の ルームズ・ホテル・カズベキ Rooms Hotel Kazbegi の宿泊記をご覧ください。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。