01.31
アイスランド旅行記 ゴールデンサークル
ただいま常夏のシンガポールにいますが、寒い季節なのでアイスランドの雪景色をアップします。
北欧の島国、アイスランドには自然の見どころがいっぱい。そんな大自然をひとまとめにしてゴールデンサークルと呼ばれています。
アイスランド観光のハイライト、ゴールデンサークル。
ゴールデンサークルGolden Circleとは、アイスランドの南西部に集まる自然の名所を一括りにした“観光客向けの通称”です。ユネスコ世界遺産でもあるシンクヴェトリル国立公園を中心に、シンクヴァトラヴァトン湖の東に点在する見どころを巡る日帰りコースが「ゴールデンサークルツアー」として催行されています。
これに参加すれば、とりあえず首都レイキャヴィーク周辺のハイライトを一通り見て周ることができます。
ゴールデンサークルツアーは通年で毎日催行されており、アイスランドの主要なツアー会社、「レイキャヴィク・エクスカーションズ Reykjavik Excursions」や「アイスランド・エクスカーションズ Iceland Excursions」のものが有名です。各ホテルのレセプションでも簡単に予約を取ってもらえますので、現地に着いてからの手配でまったく問題ありません。2013年4月現在、料金は 9,800アイスランドクローナ(8,280円)でした。
ゴールデンサークルに向かうツアーバスの出発は朝9時。その30分くらい前に、ミニバスが宿泊先のホテルまで迎えにやってきます。
車中ではガイドさんが次の見どころの解説をしてくれますが、乗車の時間が長いのでだんだん退屈してきます。幸い、アイスランドのツアーバスは車内でWi-Fiが使えますので、iPadなどを持っていれば現在地や詳しい情報を調べることが出来て重宝します。
それでは、ゴールデンサークルの主な見どころを以下に掲載します。
トマト農家
最初にバスが停まったのは、どういう訳かビニールハウスの前。
ガイドさんの説明によると、アイスランドでは温室を使って野菜を育てており、どうやらそれを実際に覗いてみましょう…という流れのようです。
他の方の旅行記を読むと、必ず最初に立ち寄る場所のようですが、僕は先入観なく旅行を楽しむために事前にほとんど情報収集をしません。一瞬、バスに間違えて乗ったのか?と焦ってしまいました。(笑
農家の方のお話を聴いたり、獲れたてのトマトで作ったシチューをいただいたり、まるで社会見学みたい!
室温や給水のコントロールはもちろん、卸価格やトレーサビリティまでネットワークで一元管理されているそう。内部も整然としており、随分と近代的です。
でもちょっとお話が長かったかな…途中で飽きちゃって、僕らは外で雪だるまを作って遊んでました。この時は、まさか雪に悩まされる一日になろうとも知らずに暢気なものです。
グトルフォス Gullfoss
最初の見どころは グトルフォス滝 Gullfoss、アイスランド語で黄金の滝を意味するそうです。
辺りは一面の雪景色。パーキングから歩いて滝に向かいます。
すぐ目に飛び込んでくる滝の全景。
周りに何もないことによって、自然のダイナミックな印象が強まります。
写真だとスケール感が伝わりにくいかな。左手の遊歩道と、その先端にポツポツとたたずむ観光客を見れば、滝がいかに大きいかお分かりいただけるかと。
足元が凍り付き、何度も滑って転びそうになりながらも、何とか僕らも滝の先端部まで歩いて行きました。
滝は2段構えになっており、1段目が11m、2段目が21mの落差です。
本当に近くまで行けるのですが、流れの強さと水量に圧倒されて、思わず足がすくみます。
先端部分から滝壺を振り返ってみると、こんな感じ。滝壺から先は、幅20m、長さ2.5kmにも及ぶ渓谷になっています。
全景の写真はちょうど右上に見えている展望スペースから撮ったもの。とにかく寒いので、早々に退散してログハウスで熱いコーヒーをいただきました。
ゲイシール Geysir
続いて向かったのは ゲイシール Geysirという見どころ。火山活動によって沸騰した水が地上に吹き上がる間欠泉を見ることができます。
アイスランドの大自然の中でもオーロラ鑑賞に次いで楽しみにしていた場所で、意気揚々とやってまいりました。なお、火山活動の変化によってゲイシール間欠泉の方はお休みしているそうで、現在景気よく水を吹いているのはストロックル間欠泉となります。
こちらもパーキングから歩いての自由観覧。だだっ広い野原の中にポツンポツンとある小池…と言っては失礼ですが、遠目にはかなり地味です。ところが、しばらくするとドッカーンと轟音を立てて水柱が吹き上がります。おぉ!
沸騰したお湯ですので、吹き上がったあとの湯気も凄いこと。
間隔は10分に一度くらいでしょうか。結構インターバルが長く、規模も大きかったり小さかったりするので、人物を入れて写真を撮るのは至難の業。
一眼レフの高速連射でなんとか撮れた一枚がこちらです。
でもね、訪れた日はあまりに天気が悪くて、これではまったく絵になりません。
ここまで来たら、晴れるまで何度でも来ようじゃありませんか!という訳で、この後のアイスランド滞在が非常に長引くことになるのですが、それでも日参したかいがありました。改めて撮り直した会心の一枚やビデオは、ストロックル間欠泉のページにアップしますのでご覧ください。
世界遺産 シンクヴェトリル国立公園
最後に向かったのは、シンクヴェトリル Þingvellirというアイスランドの国立公園。
含まれるエリアは広大ですが、主な見どころはシンクヴァトラヴァトン湖とギャオと呼ばれる大地の裂け目です。
ギャオ
アイスランドは大西洋の中央海嶺が国土を分断するという地質学的に特殊な場所にあり、西に北米プレートが、東にはユーラシアプレートが広がっています。そのため、海嶺の頂上に生じる割れ目を地上で観測することが出来るのです。あまりにマニアックすぎて、説明を聞いても「は?」って感じですね。(笑
僕も何が凄いのかピンと来なくて、帰国後に改めてプレートテクトニクスを勉強し直したほどです。
御託はさておき、こちらがそのプレートの境目である「ギャオ」の一部です。
確か毎年少しずつ東西に割れていくんでしたよね、万が一にも落ちたら地球の中心まで真っ逆さま!
と言うのは冗談で、ここから地殻が生まれてきますので、大地の裂け目の底を歩いたりもできるそうです。
少し中に入って散策してみたかったのですが、一歩踏み出すごとに靴がスボスボと雪に埋まり、激しい雪で前も見えないほどに。お天気の悪さを恨みつつ、あえなくバスに引き返しました。
シンクヴァトラヴァトン湖
最後に、シンクヴァトラヴァトン湖 Þingvallavatnを望みます。
面積は84km²もあり、アイスランドで最大の天然湖です。このシンクヴァトラヴァトン湖を含むシンクヴェトリル国立公園はユネスコ世界遺産になっています。
ところで、アイスランドって聞くと氷の国をイメージしませんか?
実際はそんなことはまったく無いのですが、こうして一面の雪景色になると、ツーリストとしては「わー、アイスランドだ!」って気分にもなったりするので自分勝手なものです。(笑
ここシンクヴァトラヴァトン湖にはスキューバダイビングのスポットもあって素晴らしい経験ができるようですが、いくら物好きのKitagawaでもさすがにこの吹雪の中を潜ってみようという気にはなりませんでした。(ドライスーツなので、お天気が良ければ冬でも潜ることが出来ます。)
ここも改めて訪れていますが、湖畔の水面や凛とした空気は神秘的で、ゆっくりドライブを楽しむには絶好の場所。遠くから見るよりも水辺を歩く方がおすすめです。
最後に、雪降りしきる中頑張ってページ冒頭の写真を撮って、帰路につきました。
バスは定刻の午後5時、レイキャヴィクに到着です。ミニバスに乗り換えてホテルに送ってもらい、無事ゴールデンサークルの日帰りツアーが終了です。
まとめ
見どころはすべて無料で開放されている場所ばかりです。滞在が短い方はこのような日帰りツアーの利用が便利ですが、旅慣れた方はアイスランドでレンタカーを借りて周ることをおすすめします。このコースは後日セルフドライブにて2周ほどしましたが、天候にも臨機応変に対応できましたし、バスでは見過ごしてしまった絶景もあちこちで車を停めて心行くまで堪能できました。
もしレンタカーでゴールデンサークルを周るなら、事前に場所をGoogle Earthなどで調べておくことをおすすめします。野原の真ん中にあるような見どころが多いので、GPSが無いと見つけるのに苦労するかも知れません。冬場は天候が変わりやすいので、出発前に交通情報センターに電話して路面状況などのアドバイスを受けると安心です。
雪降りしきるアイスランドも素敵ですが、でもやっぱり晴れてた方が清々しいと思います。晴れの日の様子は、セリャラントスフォス滝のページなどを参考にしてください。
ちょっと長くなってしまいましたので、アイスランドのドライブ事情やレンタカーについては、またの機会にご紹介したいと思います。
アイスランドの首都レイキャヴィークからレンタカーまたは日帰りツアー利用
アイスランドの主な観光バス会社は以下の2社。
一日コースや半日コースのほか、馬に乗るユニークなコースなど、様々なプランがあります。
レイキャヴィーク・エクスカーションズ
Reykjavik Excursions
www.re.is/
アイスランド・エクスカーションズ
Iceland Excursions
www.grayline.is/
アイスランドの日本語ガイドブックは2013年現在、絶版となっています。旅行の環境は整備されているので何も手配せずに手ぶらで行っても困ることはありませんが、ゼネラルな情報は以下のサイトをご参考に。
アイスランド気象庁
Icelandic Meteorological Office
(滞在中は毎日ここでお天気をチェックしていました。とても使えるサイトです。)
en.vedur.is/
アイスランド道路沿岸局
Icelandic Road and Coastal Administration
(最新の路面状況が分かるので、冬場にレンタカーで行く場合は要チェックです。)
www.vegagerdin.is/english/road-conditions-and-weather/the-entire-country/island1e.html
シンクヴェトリル国立公園 公式サイト
(ハイキングコースの紹介など、自分で歩き回るなら役立ちます。)
www.thingvellir.is/
Wikipedia
(英語版の方が参考になりますが、日本語ページにリンクしておきます。)
グトルフォス滝
ストロックル間欠泉
シンクヴェトリル国立公園
シンクヴァトラヴァトン湖
地球の歩き方
(僕はあまり使わないガイドブックですけどね、最後に一応。)
ゴールデンサークル
コメント
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人類世界が滅んでも、ここは生き残りそうです。
というか、人類文明最期の風景かな。