07.28
イベリア半島で最長を誇るアモレイラ水道橋 (ポルトガル・エルヴァス)
Kitagawa@ポルトガルです、Boa tarde!
今日は城塞都市エルヴァスに水を供給している アモレイラ水道橋 Aqueduto da Amoreira をご紹介。なんと現在も使われているそうで、7.5kmに及ぶ全長はイベリア半島で最も長い現役の水道橋。はるばる見に来てみたら誰一人おらず、サンセットを背景に迫力ある写真を撮れました。
エルヴァス Elvas はポルトガルの首都リスボンの真東、アレンテージョ地方にある町で、スペイン国境からわずか12kmの距離。ポルトガルとスペインを結ぶE90号線に沿っているのでドライブの途中に立ち寄ることができますが…旅行記は少なく、エルヴァスまで足を延ばす観光客はあまりいらっしゃらないようです。
2012年には「国境防衛都市エルヴァスとその要塞群」としてユネスコの文化遺産として登録されており、アモレイラの水道橋も世界遺産の一つとなっています。
アモレイラの水道橋
まずはご覧ください、その姿を!
ドーンと続く水道橋。何も無い広場とのコントラストが強烈な存在感を放っています。しかし、一体何なんだ…この広大なスペースは。
ヨーロッパで最後に残った未訪問国がここポルトガル。来たらここだけは必ず見たいと思っていたのですが、辿りついてみたら誰も見当たらずにその静けさの方に驚いてしまいました。スペインのセゴビア旧市街にあるローマ水道橋のような観光名所を想像していただけに、この人っ気の無さは不気味ですらあります。
お天気は最高、突き抜けるような青い空!
道路が水道橋の下をくぐり抜けていました、ここだけアーチごとに一車線ずつ分かれているのが面白いですね。
全長は7.5km、高さは最大で31m。
ぽこぽこと空いたアーチの数は843個にも及びます。
建造には一世紀を要し、完成したのは1622年のこと。
設計は フランシスコ・デ・アルダ Francisco de Arruda によるもので、彼はリスボンの ベレンの塔 Torre de Belém を設計したことでも知られる人物です。
ちなみに水道橋の名前である「アモレイラ」とは、水源の泉から取ったそうですよ。
今も上水道として使われているというのだから驚きますよね、保存状態が良いのも納得です。
超広角レンズでグッと引いてみましょう、下の写真で水道橋の先にある小高い丘の上がエルヴァスの町。あそこに水を供給しているのですね~。
スペインから防衛するための城塞都市となっており、ぐるりと星形の城壁に囲まれています。
南側に廻ってみると水路が折れ曲がっているのもよく分かります。
水源に近い部分は地下になっているそうで、ここエルヴァスの手前の部分が最も高さがあって迫力を感じます。
エルヴァスの紋章。
ヨーロッパには数多くの水道橋が残っていますが、ここは必見だと思います。その長さだけでなく現役だって言うのが貴重じゃないですか。ぜひ城壁の内側のエルヴァス歴史地区と合わせて見学したいですね。
最後に、お約束の記念写真も。日没の直前に撮ったら長い影が出来て良いアクセントになりました。
この旅行ではイベリア半島の南部を車でぐるり一周しており、スペインからポルトガルへの道中にアモレイラ水道橋へ立ち寄りました。これから向かう エヴォラ の町にも水道橋が残っており、アグア・デ・プラタ水道橋 は町と一体化しているそうなので今から楽しみです。
Aqueduto da Amoreira em Elvas
ポルトガル共和国 アレンテージョ地方 エルヴァスの町の南西城壁外
【URL】 Direção Geral do Património Cultural
www.patrimoniocultural.pt/pt/patrimonio/patrimonio-imovel/pesquisa-do-patrimonio/classificado-ou-em-vias-de-classificacao/geral/view/70195/
【行き方】
首都リスボン Lisboa からバスで約3時間
または エヴォラ Évora の町からバスで1時間30分
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