07.14
Rakieta社のバスでトーゴ共和国を陸路縦断!(ロメからカラまで)
西アフリカの大西洋に面するトーゴ共和国は南北に細長い国。この灼熱の最貧国をバスに揺られて内陸まで旅してみました。意外にもエアコン付きバスが運行されていて拍子抜け、首都のロメから北部の町カラまで往復して来たので、乗り方や道中で見た絶景をまとめます。
乗車したのは Rakieta ラキエータ のバスで、隣国ブルキナファソ資本の会社です。トーゴの首都 Lomé ロメ から北部の Kara カーラ を結ぶエアコン付きの大型バスを毎日1便運行しています。2015年5月現在、ロメ発もカラ発も朝7時30分の出発。所要7~8時間で、運賃は 6,000セーファーフラン(約1,200円)でした。
これ以外の移動手段としてはブッシュタクシー(乗合いバス)がありますが、人や物を尋常ではないほど詰め込むうえに途中停車も多く、どれほど体力や時間を消耗するかまったく読めません。旅行者なら迷わずRakietaの利用をおすすめします。ロメとカラの間には特に停留所はありませんが途中下車も可能です。
Rakieta Bus Office, Lomé Togo
バスはロメ郊外にあるRakietaの車庫に発着しています。
辺鄙な場所にあって自力では行けそうにない(と言うか、ロンプラの地図にも載っておらずどこにあるかも分からない)ので、そこら辺にたむろっている Zemi-Johns(バイクタクシー)に連れて行ってもらいました。何人かに尋ねれば誰かしら知っているハズですが、地名の Atikoumé と言った方が通じやすいかも知れません。バイタク代は交渉となり、片道600フラン(約120円)で落ち着きました。
こちらがRakieta社のLomé Bus Station。
国土を縦断する最も近代的なバス会社とは思えない貧相な佇まいですが、ブラックアフリカはどこに行ってもこんな感じです。片隅の小屋が切符売り場になっていました。
以下が2015年5月現在の料金表と時刻表。終着のカラまで 6,000フラン(約1,200円)でした。
運行は1日1便のみ。朝6時半集合で7時半出発となっていますが、遅くても7時前には着いておいた方が安心です。
念のため前日の夕方に偵察にやって来たのですが、運良く窓口が開いていてその場でチケットを購入できました!
営業時間の張り紙が破れていますが、どう見ても午後5時までと書いてあります。僕の腕時計は既に午後6時を指そうとしており、アフリカで時間外に開いているなんて太陽が西から昇るほどあり得ないこと。これは一体どうしたことでしょう?
よく考えてみたら、隣国のベナンからトーゴまで来たまま1時間の時差を忘れており、実際の時刻はまだ5時5分前だったという次第です。これで1日浮いてラッキー☆なんて浮かれていたのですが、後日ベナンに戻った時にまたもや時差を忘れており、まさか今度は パリに帰る飛行機に乗り遅れる!という大失態を犯すことになろうとは…
閑話休題、Rakietaの所在地を以下に示しておきます。ただし来てみて分かりました、座標が分かったからと言って自分で来られるようなロケーションではありません。ロメ中心部から7kmほどあるので、タクシーやバイタクで向かうのが安心・確実です。
ロメ発カラ行きのチケットを手に、ホテルに戻って祝杯を。
これだけで既に大仕事をやり遂げた気分ですね(笑
トーゴ旅行記:ロメからカラまでバス旅行
翌朝は6時に起きて荷物をまとめて意気揚々と出発!
前日には気付きませんでしたが、車庫の向かいは学校になっているようで大勢の生徒が通学して来るところでした。首都とは言え中心部を少し離れただけでのどかな光景ですね~
学校の門の前ではスナックを売っており、僕も朝食に揚げパンを買ってみました。
100フラン出したら4個くれたので、1個25フラン(約5円)のようです。
こちらがロメからカラまで向かうRakieta Bus。
今にも壊れそうな車は必ず道中で故障するアフリカですが、これはなかなか立派な車輌で安心感があります!
勝手に乗ってはいけないようで、座って待つ乗客の皆さん。当然ですが観光客なんて誰一人いません。
7時過ぎに乗車が始まり、チケットを買った順番に名前を呼ばれて乗り込みます。当日券も買えますが、バスは前方に座った方が快適なので早めに入手しておいた方が良い席を選べそう。
シートは典型的なアフリカのそれで、2人掛け+3人掛けです。
車内ではスタッフが各乗客の座る位置を指示していました。体格と顔色を見て決めているようで不公平を感じますが、まぁ合理的と言えなくもありません。搭乗率は3分の2くらいだったので、3人掛けの真ん中が空席になるように調整してくれていたようです。
Kitagawaは最前列の窓側に座るように言われました、飛行機で言えば1Aのシート!
どうやら外国人ということで優遇してもらえたのか、あるいは目の届くところに座らせたかったのか。僕の荷物は足元に置いたこのリュック一つで、さっそくJALの機内用スリッパに履き替えました。しっかりシートベルトも付いていましたよ。
7時30分、なんと定刻にバスが動き始めてビックリしました。
アフリカでは時計なんてあって無いようなもの、軽く1時間くらいは余裕で遅れるのでこれには衝撃を受けました。さらに車内の時計まで正確な時を刻んでいてぶったまげましたよ。今まで西アフリカで乗った車はウィンカーやスピードメーターは壊れていて当たり前、ドアすら開かないこともあったので感動ものです。
ロメ近郊では渋滞していたり途中でお客さんを拾ったりともたもたしていましたが、1時間もせず一本道に。
目的地のカラまで道のりは約400キロ、一路内陸を目指します。
トーゴの東隣にあるベナンから西隣のガーナまでの道は完全に舗装されていましたが、北に向かう国道一号線はまだ未舗装の部分が残っていました。これは時間がかかるかも?と不安を覚えましたが、よく見るとどこも舗装工事の迂回路のよう。この調子だと近い将来にはもっと早く快適に移動できるようになりそうです。ガタガタ揺られながらインフラ整備の様子を見るというのも、アフリカ旅行の見どころの一つでしょう。
午前9時50分、Atakpamé アタクパメ の町で停車。バスを降りてしばし休憩です。
ここはいかにもアフリカらしい賑わいで、腹ごしらえの食べ物を買ったり町の人とおしゃべりしたりと短いながら印象的な時間を過ごせました。その様子は 活気溢れるアタクパメで一休み のページに掲載しています。
しばらくは平凡な景色が続きます。時折り車窓から目につく赤い花の木は鳳凰木(ホウオウボク)でしょうか?
バスの車内はエアコンが効いていてとても快適。今回の西アフリカ旅行では最長の移動距離となりますが、こんな楽をして良いのかしらと思ってしまうほど予想外な車体と安全運転のドライバーに恵まれました。
車内では前方の画面で映画や音楽のサービスがあります。これが結構賑やかなので、しばらくは耳栓アイマスクをして昼寝を決め込むことに。ジュースや飲料水は車内でスタッフから買うことができます。
正午、ソコデ Sokodé を通過。この先、ソコデからカーラまでの道がこのバス旅行で最高の眺めを楽しめる区間です。
しばらく山道が続き、地形図で見ると標高は700mほどの場所。
それでも絶景が見られるのはトーゴの国土の標高が低めだからでしょう。南北にアタコラ山脈が縦断していますが、それでも最高峰の Mont Agou アグー山 は986mしかありません。移動しながら展望台さながらの景色を望めるなんて嬉しいですね。
ご覧ください、この眺め!道路以外の人工物は一切ありません。
遥か彼方まで手付かずの緑が広がっています。来て良かったよ、アフリカを旅している気分も最高潮。
ときどき集落も見え隠れ。こんな田舎に来ても携帯電話の電波は入ります。
衛星電話も持って来ているのですが、どこへ行っても普通に携帯が使えてしまうアフリカの今。
そうこうしているうちにカラの町が見えてきました。
このカラ川を渡れば目的地に到着です。
移動中はGoogle MapとGPSで現在地を追いかけていたので、今いる場所や着く時刻も読めて気持ちを楽に過ごせました。昔のアフリカ旅行では考えられなかったことですね。
午後2時20分、Kara カラ に到着。ロメからは所要6時間50分でした。市内の様子は トーゴ共和国北部の町、カラの様子 をご覧ください。
なお、カラからさらに北上する場合には町のガソリンスタンドから Bush Taxi(乗合いバス)が出ています。
Kandé カンテ までは所要1時間、そこからブルキナファソ国境の Sinkasse シンカセ までは他の旅行者の情報によると所要4時間で 6,000フラン(2015年現在)とのこと。奴隷海岸から内陸のブルキナへと抜けるルートではありますが、カラ以北はネットの使える場所がほとんどなく移動も少し大変になりそうです。
Rakieta Bus Office, Kara Togo
さて、続いて逆方向の情報を。
こちらはカラにあるRakieta社のKara Bus Station。ロメに負けず劣らず貧相な作りの車庫ですが、小さな町の中心部にあるので歩いて来られるのは助かります。
片隅に切符売り場がありました。大切な料金表が剥がれて落ちかかっていたので、写真を撮るためにその辺にいたお兄ちゃんが押さえてくれている図。
ほんとアフリカってどんな些細なことにもエピソード(と言うか突っ込みどころ)が詰まっています。(笑
2015年5月現在、ロメまで 6,000フラン(約1,200円)でした。
運行は1日1便のみで、朝7時半出発となっています。
何日間滞在するか分からなかったので、復路は当日の朝買うことに。
例によって買った順番に名前を呼ばれて乗車するので、7時前には着いておいた方が良さそうです。
ここトーゴ北部ではクタマクの地に足を延ばし、土の家に住み裸で暮らす少数民族バタマリバ人の村を見学して来ました。とにかく旅行者の少ないエリアであり具体的な情報や地図すらも皆無のまま来てしまったのですが、なんとか無事たどり着くことができて大満足のトーゴ旅行となりました。
トーゴ旅行記:カラからロメまで陸路縦断
帰りも長時間のバスですが、この旅最大の目的を果たした後とあってご機嫌そのもの。エアコンバスに乗ったまま首都ロメまで戻れるので気楽なものです。
北隣のブルキナファソから陸路で南下して来た旅行者は、カラまで着けばあとはバスで一気に大西洋まで抜けられますね。
道中の様子は行きと似たり寄ったりなので省略しますが、帰りの方が途中で降りる人が多くて少し時間を要しました。
道の真ん中をトレーラーの荷物が塞いでいたりと、いかにもアフリカらしいトラブルもあり。付近にいた道路工事の重機を動員して撤去作業を行なっていました。
そうそう、車内にトイレはありませんが数時間おきに停車します。前述のアタクパメを除けば一定の時間ごとに停まるようで、まったく何も無い場所で休憩となることも。お手洗いなんて気の利いたものは存在しないので、用を足すときは(女性も含めて)その辺で適当にというスタイルです。
往路では景色を撮ったので復路では建物や人を車窓から撮影してみました。急速なインフラ整備の様子やイスラム教の入り込み具合が分かって興味深いのですが、写真としてはあまりパッとしないかな。
午後3時17分、ロメに到着。帰りは所要8時間弱でした。
西アフリカの内陸への旅行は長時間苦痛に耐える移動になろうと予想していたのに、来てみたら快適なエアコンバスが運行されていて拍子抜けしてしまいました。定刻に出発するのもストレスが無くてありがたいところ。これなら気軽にトーゴを縦断できそうですね。カラの町は本当に小さな田舎町ですが、ここまでバスがしっかりしており検問なども無いので、西アフリカでは旅行がしやすいルートだと思います。
お願い
もし実際に旅行をされた方がいらっしゃれば、ぜひコメント欄にて最新の情報をお知らせください。
特に次回の旅の参考に、カラ以北のブルキナファソへの陸路越境情報(ブッシュタクシーの頻度・料金・所要時間、および道中のホテルやブルキナ側の移動手段など)をお教えいただけると幸いです。ベナンを陸路でブルキナまで縦断された情報もお待ちしています。
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