2016
02.17

本物の潜水艦を展示!海上自衛隊呉史料館てつのくじら館 (日本・広島)

海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館

Kitagawa@Japan です、こんにちは。
広島県は呉市にある 海上自衛隊呉史料館 JMSDF Kure Museum にやって来ました。ここは「てつのくじら館」の愛称で呼ばれ、日本で唯一実戦用だった潜水艦の中に入れる場所。また戦後の海自の掃海活動について知識を得ることもできます。

行き方

広島で宿泊先の シェラトンホテル広島 のコンシェルジュに尋ねたところ、営業時間と行き方を調べていただけました。
ホテルの前にある広島駅からJR呉線に乗車し呉駅へ。所要45分前後で運賃は片道500円でした。

海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館 行き方

JR呉線

JR呉線

呉の駅からはプロムナードでつながっています。
距離は600mほど、徒歩10分でした。

呉駅 地図

海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館 行き方

海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館

ここは割と新しい施設で2007年のオープンです。
当ブログでも何度か名前を出していますが、ようやく来ることができました。てつのくじら館という可愛らしいネーミングで本質がボケている気もしますが、この日本的なセンスは決して嫌いではありません。

海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館

自衛隊の広報施設なので入館は無料。
巨大な潜水艦に圧倒されてしまいますが、館内はコンパクトな作りです。

海上自衛隊呉史料館

向かいに 呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)もあるせいか、思ったより多くの見学客の姿がありました。戦後の自衛隊の歩みが簡潔にまとめられているので気軽に一回りするだけでも訪れる価値ありです。

てつのくじら館

機雷掃海

2階は機雷の掃海活動に関する展示。
機雷とは水中に仕掛けられた爆弾で、艦船が近付くと爆発するもの。初めて見ましたが想像以上の大きさですね、船を真っ二つにするほど威力があるのだとか。

機雷

機雷 種類

島国である日本。戦後、安全な航海は自衛隊の掃海あってのものですが、資料によると78名の自衛官が機雷の除去作業中に殉職しています。現在も掃海は続いており、平成26年度も1個の機雷を処分。まだ297個が残っているそうです。

機雷掃海

機雷を処分するための機器やその使い方も解説。
こちらは初期型の「処分具S-4」という海中ロボットでペルシア湾で活躍したとのこと。感応機雷が作動しないように木やプラスチックで掃海艇の船体が造られているなど初めて知った情報が満載のコーナーでした。今では日本の機雷掃海能力は世界一と評されており、その一端に触れることができます。

機雷 処分 ロボット

続く3階は海自の潜水艦に焦点をあてた内容。
とは言っても我が国にどんな潜水艦があったのか…という軽いもので、艤装や兵装に関する技術的な情報や実際の活動については綺麗サッパリ省略されています。展示されている魚雷もかなり旧型であり、もう少し防衛活動に沿ったものが欲しいところです。

潜水艦 博物館

海上自衛隊呉史料館 てつのくじら館

艦内のお食事の一例。
あちこちにいる係の方が解説もしてくれるので色々と疑問を投げかけてみるのも良いでしょう。

海上自衛隊 食事

こちらは潜水艦乗りに与えられるドルフィンマーク(潜水艦徽章)ですね。
世界中の海軍のものが展示されていました。

潜水艦 ドルフィンマーク

僕らが活動中の潜水艦の姿を見ることはまったくありませんが、数多く造られていることが分かります。
てつのくじら館の前に鎮座しているのはこちら、「ゆうしお」型で基準排水量2,200トン。

潜水艦 ゆうしお型

昭和50年度から昭和60年度にかけて、ゆうしお、もちしお、せとしお、おきしお、なだしお、はましお、あきしお、たけしお、ゆきしお、さちしお の10隻が建造されています。「あきしお」は、ゆうしお型潜水艦の7番艦、三菱重工業神戸造船所製です。

あきしお

いよいよ内部へ!
諸元は以下の通りで、乗員75名の2,200トン型潜水艦。1985年の進水で2004年に除籍となっています。

展示用潜水艦 あきしお

ハッチをくぐり抜けて入るのかと思ったら、見学しやすいように壁がブチ抜かれて通路が設けられていました。
歩きやすいのですがちょっと残念ですね…

あきしお

艦内の会議室。
映画やマンガで緊迫したシーンに出てきそうな一角です。壁にはゴツい艦内電話、スイッチには触れないでくださいとのこと。

てつのくじら館

海上自衛隊呉史料館

あきしおの中枢である発令所。
テーブルの上には沈降・浮上の仕組みなどの資料が置かれていました。これはイラスト入りで分かりやすいので、ぜひ資料館の方でも展示して欲しいくらいです。

潜水艦

2つある潜望鏡はなんと実際に機能していて外の景色を眺められました!
よく見るとニコンの社名が入っていますね。

潜望鏡

こちらがコックピット。
前を見ずに計器だけを頼りに操艦するとはいえ、ずいぶん隅の方に小さく押し込まれてしまっている印象。メーターのアナログ感もたまりません。

潜水艦 操舵室

てつのくじら館

見学していたら照明を赤灯に切り替えていただけました。
これは艦内で昼夜の感覚が狂わないよう、夜間に灯される照明です。映画などの先入観で赤色は戦闘時の照明と勘違いする見学客も多いのか、この点は係の人もしっかり説明していました。

潜水艦 司令室

一つ下のデッキにある魚雷発射管。
防諜上の理由でしょうか、上から覗くだけとなっていました。アメリカのロングビーチに展示されている 旧ソ連製潜水艦スコーピオン など、海外の古い潜水艦だと魚雷発射管室に入れてもらえる施設もあります。

魚雷発射管

最後は制服の試着コーナーが。
海士は伝統のセーラーカラーですね。

セーラー服 試着

軍オタなら一度は訪れたい海上自衛隊呉史料館。来てみたら軍事色が薄くてサッパリした内容でした。海自の掃海と潜水艦についてデータを並べて淡々と説明されていますが、各所にいらっしゃる係の方の解説がリアルなので興味のある方はお話を聞いてみると刺激になります。お尋ねしたところ解説はボランティアで行なっているらしく、自衛官OBの方が多いそうです。平和なご時世だからこそ敬意を表したいですね。

メインの潜水艦は狭いエリアしか公開されておらず正直物足りなさも感じましたが、日本の潜水艦としては一般公開されている唯一のものであり、発令所も見学できるので貴重な史料館であることは間違いありません。そしてやっぱり外から見る巨大な艦体が一番の見どころでしょう。ぜひお隣の大和ミュージアムと合わせて観光してみてください。

海上自衛隊呉史料館

【住所】 広島県 呉市 宝町5-32
【TEL】 0823-21-6111
【URL】 www.jmsdf-kure-museum.go.jp/

【開館時間】 午前9時~午後5時 (入館は午後4時30分まで)
【休館日】 火曜日(祝日の場合は翌日休館)、12月29日~1月3日
【入場料】 無料

プロフィール
Kitagawa

Kitagawa
南国のアイランドリゾートから地球の果ての辺境まで、4か国語の会話力を駆使して2008年から2024年までに100か国以上を旅しました!飛行機の搭乗歴は1000回を超え、2012年にはFAA(アメリカ連邦航空局)のパイロットライセンスも取得。バンコク在住。
当ブログでは今まで訪れた旅先から、写真を17205枚と心に残った体験を1101件公開しています。(2024.04.27)

2016年, '16 日本

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