11.14
ヴルカーノ島の珍しい海底温泉と泥風呂 (イタリア・エオリエ諸島)
イタリアはシチリア島の北に散らばる エオリエ諸島 Aeolian Islands。
島巡りの観光船で火山島 ヴルカーノ Vulcano に立ち寄りました。ここは今でも火山活動が活発で海中からもボコボコと硫黄が湧いて温泉を成しています!世界の温泉 シリーズ、今回はヴルカーノ島のビーチと泥温泉をご紹介します。
Isola di Vulcano
イタリアの エオリエ諸島 Isole Eolie に属し、シチリア島から北に20kmの距離。
エオリエ諸島は2000年、自然遺産としてユネスコ世界遺産に登録されています。
【行き方】
個人旅行で島巡りをする場合、シチリア島の ミラッツォ Milazzo からヴルカーノ島まで高速船で40分、またはお隣の リパリ島 Lipari からも船が出ています。写真はSiremar社 www.siremar.it/ のフェリーです。
【ツアー】
Kitagawaはエオリエ諸島のリパリ島とヴルカーノ島を巡るミラッツォ発の観光船に乗船しました。シチリア島のリゾート地 タオルミーナ Taormina から観光バスと船で往復するSAT社 www.satexcursions.it/ のガイド付き日帰りクルーズを利用し、大人ひとり70ユーロ。タオルミーナは各種ツアーが充実しています。
まずは洋上、島の東側から見たヴルカーノ島の全景。
右に続くのはエオリエ諸島で一番大きな リパリ島 Lipari で、諸島の主要7島(リパリ島・ヴルカーノ島・サリーナ島・ストロンボリ島・パナレーア島・フィリクーディ島・アリクーディ島)のうちこの二島を巡るクルーズに参加しています。ツアーの概要や前半の旅行記は リパリ島観光 のページをご覧ください。
観光客で賑わうリパリ島を見学した後、ヴルカーノ島に上陸したのは午後1時半。
まずは強烈な硫黄の臭いが鼻を突く!岩肌にも硫黄が析出しており、なるほど火山の島ですね~
面積は21平方キロありエオリエ諸島で三番目に大きな島。
ほとんどが山に覆われており人口わずか400人、麓に集落がある程度で大きな町は無く、主な見どころは歩いて観光できます。船着場から右の道を進めばスグ右手に有名な泥の温泉やビーチが見えてきました。
海底温泉 Acqua Calda
港から一番近い アクア・カルダ Acqua Calda と呼ばれるビーチ。
いきなりですが島のハイライトで、海底温泉や泥のプールはここにあります。見上げる山も美しく、半分くらいの参加者はここでノンビリ景色を楽しんでいました。
ヴルカーノ島にある山のうち標高391mの グラン・クラテーレ Gran Cratere が活火山で、最後の大きな噴火は1888~1890年。今回はツアーなので時間がありませんが歩いて片道1時間~1時間半くらいで噴火口のクレーターを見に行けるそうです。
このビーチが面白いのは、なんと海中から熱い温泉が湧いているのです!
海水浴には少し水が冷たい季節ですが意を決して僕らも海に入ってみました。周りに着替える場所が無いので予め水着を身に着けて来ると手軽でしょう。
明らかに色が異なるコバルトブルーの場所に熱水泉があるようで、足元から湧き上がる熱湯と冷たい波が混ざって絶妙な湯加減!意外に浅いので肩まで浸かって波に身を任せてみました。
波打ち際にも小さな噴気孔があるらしく、あちこちでブクブクとガスが噴き出していました。
岩場の近くには湯葉のような火山性の析出物がフワフワ漂っていて水着にたくさん張り付いてしまいました。コレがなかなか洗っても落ちない曲者で、使い古しの水着とタオルを持って来るのが正解です。
泥温泉 La pozza termale dei fanghi di Vulcano
ビーチの脇には 温泉 Fanghi Termali もあり。
温泉と言っても大きな水たまりの沼の底から硫黄ガスがブクブク湧いていて、ニュージーランドなどにある マッドスパ のような感じ。ここは夏のみのオープンらしく、入場料も3ユーロと安いので入ってみました。
沼の水や底にはミネラルをたっぷり含んだファンゴでねっとり。これを体に塗りつけて乾燥させるとお肌がスベスベになり関節痛などにも効くのだとか。ただしここのファンゴは硫黄の成分が強いそうなので肌が弱い方はほどほどにしておいた方が良いかも知れません。
金属製のアクセサリーや腕時計も外すのをお忘れなく、アッという間に酸化して真っ黒になってしまいます。
温泉の敷地内には小さいながら更衣室とシャワー(有料、1ユーロのトークンを買って使います)があるので最後にここでサッパリしてから着替えました。
また一つ、世界の温泉 のネタが増えました。
見てるだけの人も結構いますけどね、他の国でマッドスパに入るとめちゃくちゃ高いので天然の露天でこの金額はとてもお値打ち、ぜひ挑戦してみてください。
黒いビーチ
港や温泉から歩いて10分くらいで島の西側のビーチまで行くことができます。
営業しているお店は一つも見当たらず、なかなか寂しいメインストリートです。
たどり着いた西のビーチ、こちらはとにかく黒い!火山灰でできた砂浜のようです。多肉植物が黄色い花を咲かせていました。人が少なく、きっと夕方には素晴らしい日没を見られるはず。日差しを遮るものが無いので僕らは早々に退散しました。
お土産物屋さんやレストランが軒を連ねるリパリ島とは正反対の自然溢れるヴルカーノ島。生きた地質に触れることができて貴重な体感になりました。まさか世界遺産でファンゴの泥パックまで楽しめるとは!
観光船は午後4時に出航。
反時計回りに島をぐるりと回り、リパリ島の南西にある有名な Faraglioni di Lipari の奇石を船から見せてくれました。遠くに霞む島影は サリーナ島 Salina。
続いてヴルカーノ島の北西にある 馬の洞窟 Grotta del Cavallo へ回り込み、これも船からしか見られない地形の一つ。最後まで目が離せないクルーズでした。
ミラッツォの港で観光バスに乗り換えて タオルミーナ の町まで帰りました。午後7時、バスターミナルで解散。
ツアーの参加者は年配のヨーロピアンばかりで、そのせいかガイドさんが僕らに過保護なくらい世話を焼いてくれました(笑)どうやって行こうか迷っていた世界遺産エオリエ諸島、ツアーを利用してお手軽に旅行することができました。
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