08.27
東京経済大学
現在、Kitagawaは東京都内の大学生。実はホテルや飛行機の乗り比べよろしく、大学の通い比べに挑戦しています!今年度は 自分の所属する大学 のほかに 上智大学、東京外国語大学、東京経済大学 にも通っており、前期が終わって夏休みの今日は私立大学である東京経済大学から紹介してみたいと思います。
ところで大学の通い比べですが…これは各大学で学事歴や時間割がまったく異なるため下調べとスケジュールの調整がマイルを使った特典航空券のルーティングとは比べ物にならないくらい大変です(笑、聴講生ではなく学生のため、出席が取られて成績も付き単位やGPAに影響を及ぼすため、しっかりシラバスを調べたり先輩に訊いてエグ単を避けなければなりません!
とはいえ大学に通う機会など人生で何度もありませんので、総合大学から単科大学まで、文理にとらわれず、私大だけでなく国公立にも通ってみて、各大学のファシリティやサービスをはじめ客層についても当ブログらしく口コミや体験談を残してみたいと思います。なお、次回は外国語大学として国内最高峰である東京外国語大学を冬休みに取り上げる予定です。
東京経済大学
Tokyo Keizai University
東京経済大学のキャッチフレーズは、「考え抜く実学。」
黄色と青の目立つ車内広告をJRで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?今ある問題をただ解決するだけでなく、「真実を追い、深く考え抜き、新たな挑戦をおそれず、心から納得し、つねに前進する」(大学案内2023)- そんな実学教育が重視されています。
キャンパスは国分寺にあり、学部の学生数は6,550名。歴史は古く、1900年(明治33年)に大倉喜八郎によって創立された大倉商業学校を前身としており、戦後に東京経済大学へと発展。単科大学と思い込んでいたのですが、経済学部と経営学部のほか、コミュニケーション学部と現代法学部を設け、社会科学系の中規模大学となっています。
色んな大学に通うと、各大学ごとの学務システムや履修プラットフォームに対応しなければなりません。東経大の学務システムは「TKUポータル」と呼ばれており、シンプルで一覧性も高く非常に使いやすい。すべて日本語なのも見やすいですね~うちの大学はぜんぶ英語ですから。キャンパスライフに必要な情報も冊子で提供されるなど、案内が細かく丁寧で大学の学生サポートとしては最上位のレベルです。
また、各授業のハンドアウトが配布されたり課題を提出したりする履修プラットフォームも、オープンソースのMoodleではなく日本製のmanabaを採用しており、日本人学生はストレスなく使いこなせると思います。(manabaは東大や早慶、マーチだと明治・中央・法政でも採用されています)
出欠は授業の最初に先生がプロジェクターで映す番号をmanabaから入力する方式で、スマホからも出席を出すことが可能です。
キャンパスライフ
東京経済大学は東京都の国分寺にあり、全学部が一つのキャンパスで一緒に学びます。
新型コロナ対策をかなり徹底して行なっている大学で、門から入ると必ず検温所を通らなければならない動線が組まれており、あちこちに職員も立って誘導するなど隙がありません。学生は男性の方が多いかな?と思っていたのですが、教室には女子学生も結構いました。都心の大学って訳ではないのに周辺の大学に比べて女の子は割と服装や髪型がお洒落にも感じます。ただし男女ごちゃまぜでみんな仲良しのうちの大学に比べると、男女がきっちり別れて2~3人でグループを作っている様子。七夕のときの短冊など、彼女が欲しい、良い出会いがありますように - などの願い事でいっぱいでした(笑
講義・教室
Kitagawaが授業を受けるのは5号館。竣工は2012年で、グッドデザイン賞も受賞しているとあってとても綺麗でモダンな造りでした!大教室などはまさに最近の大学って感じですね~ちょうど今学期にTBSで放映されたドラマ「ユニコーンに乗って」で使われていた“大学の教室”はまさにここ東京経済大学の5号館がロケ地だったりします。
取った講座は、国内外の最新のコマーシャルを俯瞰し手法やトレンドを分析する - という内容。教室で周りの子に訊いたところかなり人気のコマとなっているそうです。これはガチで面白い授業で、かつて自分が広告や映像の制作に携わっていたということもあり、この授業で学んだことや取ったノートは宝物です!まさに大学の講義を通してしか得られない新たな発見と刺激的な体験になりました。
授業は大型のスクリーンに映される映像を何本も見ながら進むため大教室で行なわれるのですが、ほとんどの学生が教室の後ろの方にかたまって座っているのが気になりました…うちの大学だと前の方から席が埋まり教室の後ろの方など誰もいないので、大学によって学生と教員の距離感が目に見える形で違うんだなぁと実感した次第です。
課題レポート提出
宿題はかなり重ためでした。提出期限が翌日であることと、文献やデータベースからは答えを拾えず、自分の経験から事例を引っ張って来たり、主観で感想や評価を述べたり、さらに授業で学んだ手法を使って作品を作るような課題が毎週のように出されて…この分野に興味を持っている僕でもかなり骨が折れ、毎週1200~1500文字の提出物を仕上げるのに2時間半くらいかかりました。うまく言葉を選んで紡いだり形の無いものを考案して説明したり - というクリエイティブなアウトプットが求められ、知識の整理だけでなくセンスやひらめきが鍛えられる授業だったと思います。
なお、これらの課題は次の授業で良いものが何人か取り上げられ、特に創作系の課題では僕のレポートも何度か(というか、ほぼ毎回)ご紹介いただきました…もちろん僕は社会人ですし一応プロなので自慢にはならないのですが、どんなものを作ったのかは学期中にその都度Twitterでもシェアしてみました。ルミネの次期キャッチコピーを考えたりジャパンデスティネーションキャンペーンの絵コンテや企画書を起こしたりと、仕事かよ!ってレベルで頑張りました(笑
当ブログのテーマである旅に絡むものとしては、「暗黙知をくすぐる広告」を紹介して解説せよ - という課題でANAのTVCFを取り上げたのでここに引用してみます。短いレポートですが、先生も初見の映像だったということで授業で全学生に紹介されました。
動画はYouTubeにも上がっているようです:
https://www.youtube.com/watch?v=YAbNgIxbjvE
暗黙知とはご存知の通りマイケルポランニーが提出した概念で、僕らの生活の中で言うとconnotationが意味合いとして同じと考えて構いません。いわゆる「言わなくても分かるよね?」という人々の共感に乗っかって(つまりあえて言葉を使わず → 言葉の限界を超えて)言いたいことを伝えることで、広告としての“文脈のズレ”に“オチがつく” - 言い換えると意外性が納得感に変わり(上のレポートで黄色くマーカーを引いておきました)人の心を動かすことができます。
皆さんもコノテーションを応用した広告、思い付きますか?広告の世界では定番の手法の一つなんですが、この宿題は他の学生も題材を探すのにかなり苦労したようです…ちなみに2000年というとクラスの子たちはまだ生まれてもいないのですが(笑)うちら世代ということで若かりし頃の本上まなみさんを提出物にぶっ込んでみました。
学食
閑話休題、次はご飯のお話。住宅街の中にある大学なので学食のクオリティは重要です。
キャンパスの真ん中にある葵陵(きりょう)会館には学食やベーカリーが入っていて、お昼時は学生だけでなく教職員の姿も。500円前後でランチを食べられます。
僕が東経大で取っている講座は午前中なのであまり利用する機会がありませんでしたが、うちの大学のクラスメイトが遊びに来たときに一緒に学食でお昼ご飯を食べてみました。ランチは味付けがはっきりした若者向けのそれでボリュームもあり、高くてマズいと定評のあるうちの大学とは大違いで羨ましい。でも学食のお洒落さはうちの大学の圧勝で、そこかしこで人が集まり日本語や英語でおしゃべりをしたりみんなでグループワークやディスカッションをやってコミュニケーションの場となっている自分の大学の学食が一番好きです。
図書館
大学図書館はガラス張りの明るくスタイリッシュな建物で、5号館とともに2014年にグッドデザイン賞を受賞しています。地上4階、地下1階建てで、蔵書は84万冊。座席が680席もあり、いつも多くの学生が自習している姿が見られました。中に入るには他大学と同様にゲートに学生証をかざす必要があります。
開架式の書架を見ると、学術書だけでなく実用書も多く並んでいます。ITやデザイン系の本などはうちの大学ではあまり見かけないジャンルなので手に取ってパラパラとめくるだけでも面白い。現在、東経大で履修する学生以外には図書館は解放されていません。
東京経済大学について
入試偏差値としては50前後と中堅の大学ながら、経済学の授業などはうちの大学と同等かそれ以上に専門性が高く、課題の内容や評価も決して緩くはありません。学生も遅刻などせず静かに講義を受けてノートを取っており(うちの大学や 津田塾大学 などはほとんどの学生がPCでノートを取っているのですが東経大は紙のノートに手書きが圧倒的に多い)手書きノート派の僕の目にはきちんと学んでいる印象を受けました。東経大はゼミも重視しており、すべての1年生が初年次ゼミに所属してデータ収集、レポートの作り方、プレゼン発表などを学ぶそうです。もちろん中には「単位がもらえればいいや」と言って宿題やノートが雑な子もクラスで見かけましたが、授業で紹介された他の学生のレポートを読む限りは発想も論述もなかなかレベルが高いものが多く感心しました。一方で、教授陣はほぼ日本人のみで講義も日本語で行なわれており、学内でも留学生や社会人学生はまったく見かけず、多様性や国際性には乏しい印象を受けました。
学力の高い学生には特待生としての支援も手厚く、一般選抜と共通テスト利用選抜の上位200名は特待生となり1年生の授業料が免除されるほか、条件を満たせば最高4年間継続できるそうです。成績だけを条件に授業料が4年もタダになる大学は珍しく、国公立より安くなる可能性も。また、専門学校と提携して簿記やファイナンシャルプランナーや宅建などの資格取得を支援するキャリアサポートコース(CSC講座)も提供しており、学内でダブルスクールを実現するなどかなり実務寄りで実用的なプログラムを組んでいます。就職支援も熱心で、就職希望者の就職率は94.4%。歴史が長いだけあり経済界で活躍している卒業生も多く、今年度の大学案内ではセブンイレブンジャパンの永松社長が卒業生としてインタビューを受けていました。
アクセスは中央線の国分寺駅から1kmで徒歩12分ですが、他大学の授業との兼ね合いで時間の余裕がまったく無いため、Kitagawaは日によって東北門にタクシーを待たせておいて授業が終わったらすぐに次の大学へ移動という慌ただしい一学期でした。そのため東経大ではお友達ができませんでしたが、僕と同じく単位履修生として他大学から授業を受けに来ている津田塾大学や武蔵野美術大学の子たちと知り合って、グルチャ(グループLINE)を作って情報交換しました。それぞれの学校の話も詳しく聞けたので、来年度は津田塾大学や武蔵野美術大学でも授業を受けてみたいな~と考えています。
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