SJ高速鉄道X2000 (デンマーク→スウェーデン)
X2000 は、スウェーデン国鉄 SJの運行する高速鉄道で、首都ストックホルムを起点に質の高い旅客サービスを提供しています。2000年に完成したオーレスン・リンクにより、エーレスンド海峡を超えて隣国デンマークまで路線が延長されました 。
Kitagawaが前から乗ってみたいと思っていたヨーロッパの列車の一つで、ようやく2012年の北欧旅行で日程に組み込むことができました。ここではデンマークの首都コペンハーゲンからスウェーデンの首都ストックホルムまでの鉄道の旅をご紹介します。
まずはデンマークのコペンハーゲン中央駅へ。
この駅は空港からも近く、宿泊先のホテルからも歩いてすぐ。予めSJの窓口でチケットの受取りも済ませてあります。この辺りの簡単なご紹介は空港からコペンハーゲン中央駅のページをご覧ください。
SJの高速列車は2~3時間に1本の割合で運行されています。
乗車するのは SJの546号、16:29に出発の予定です。出発案内によると…6番ホームから定刻に出発のようですね。
デンマークの鉄道駅も改札が一切ないので、そのままホームに降りられます。
海峡を越える国際列車としてはイギリスとフランスを結ぶユーロスターがすぐに思い浮かびます。ユーロスターは乗車前に出入国の審査がありましたが、デンマークとスウェーデンはシェンゲン協定域内なので、イミグレもパスポートのスタンプもなく、まるで国内移動のような感じです。
そんなことを考えているうちに、いよいよお待ちかねの列車が入線です!
SJのX2000です、武骨で格好イイなぁ~
もちろん日本の新幹線も大好きですが、この連結面の狭さや、金属光沢を放つコルゲートボディには、機械的な美しさを感じずにはいられません。
撮影も程々に、さっそく乗り込みます。
座席配置は、一等車 First Classでは 2席+1席、二等車 Second Classでは 2席+2席となっています。一編成あたりの客車は7両で、うち1両のみが一等車です。
こちらが一等車の車内全景です。
座席配置はいわゆる“集団お見合い式シート”と呼ばれるもので、全ての座席が車輛の中央を向いており、反転させることはできません。予約の際は、進行方向を向いているシートを指定した方が当然快適です。
僕らは車輛の中央にある、テーブルの付いた向かい合わせのシートを予約しました。
座席番号は、一人掛けの窓側が16と19、二人掛けの窓側は18と21です、ご参考まで。
1等車にはいくつか席の区分があります。例えばガラスの向こう側はQuiet Zoneと呼ばれ、携帯電話やおしゃべりを控えるエリアとなっています。これはとても良いサービスですが、観光客には向かないかな?
また1等車では4席のみ、ミーティング用にコンパートメントになっているシートもあります。これも電車ならではのサービスですね、ビジネスマンの方が資料を広げて熱心に打合せをされていました。
せっかく乗るなら座席にもこだわりたいもの。SJのホームページではシートマップのPDFファイルをダウンロードできますので、ご自身で予約される方は事前にご確認を!
SJ2000の座席表
参考までに、2012年現在のシートマップを載せておきます。
SJ2000ファーストクラスのサービス
SJの一等車(ファーストクラス)には、様々なサービスが用意されています。
まずは朝刊・夕刊のサービスがありますが、スウェーデン語の新聞を読めるはずもなく…。(笑
各シートにはイヤホンで聴く音楽&ラジオのチャンネルが付いています。
デッキには、コーヒー、紅茶、フルーツが用意されており、自由にいただけます。
鉄道でこのようなサービスは珍しいですね~
後ろのラックに突っ込んであるのは僕のスーツケースです。
さらにWi-Fiによるインターネット接続も利用できます。もちろん各シートの下には電源もあります。
そうそう、朝9時までに乗車の際は、朝食まで無料でサービスされます。
また、ストックホルム中央駅では待合室 SJ Loungeが利用できるようです。
次回はぜひ、朝のストックホルム発の便に乗ってみたいものです。
SJ2000、デンマークからスウェーデンまで
さて、列車は定刻 16:29にコペンハーゲン中央駅を出発しました。
間もなく渡る長い鉄橋は、エーレスンド橋。これは2000年に完成したオーレスン・リンクの一部で、この開通により両国間を鉄道で移動できるようになりました。
眼下に広がる海は、デンマークとスウェーデンの間にあるエーレスンド海峡。鉄橋の長さだけでも実に8kmあり、オーレスン・リンクの全長は16kmに及びます。
乗車時間は便によって多少異なりますが、この546号は所要 5時間21分の予定です。
長旅なので、余ったデンマーク・クローネで色々とお菓子を買ってきました。
時々、駅にも停まります。停車時間が短いので、電車から降りない方が無難です。日本みたいに発車のアナウンスはありませんからね…
あいにくの空模様ですが、北欧らしいのどかな風景が車窓に広がります。
さすがに半日も車内ですと、少し飽きてきちゃいますね。(笑
という訳で、ノートパソコンを広げてインターネットに接続。ちょいと仕事なんか片付けてみたり。
風力発電所でしょうか。
時々車窓から見えるローカルの電車もデザインがユニークです。
だんだんと暗くなってきました。
21:50、スウェーデンの首都ストックホルムに到着しました。
改めて、SJの高速鉄道 X2000です。
こちらがストックホルム中央駅のコンコースです。
時刻は夜の10時ちょうど。すっかり遅くなっちゃいました。
本当はもう少し早い時間帯に乗りたかったのですが、2時間前の便は運賃が倍もしていたんですよ。そう、ヨーロッパの鉄道をオンライン予約する際の常で、切符の条件や空席の割合に応じて細かく運賃が変動するのです。
この日のチケットは変更や払戻し不可という条件で探したところ、1等車で 744~2,162 SEK、2等車で 296~1,354 SEKと、かなり開きがありました。Kitagawaが購入したものは 1人1,180スウェーデン・クローナ、約15,000円でした。
X2000の切符をウェブで購入される方は、スウェーデン国鉄SJのオンライン予約方法のページをご覧ください。(製作中)
さて、宿泊先のシェラトンストックホルムは駅を出て右手に見える距離。
雨も上がったようですし、ストックホルムは治安も良いので、このまま歩いて行っちゃいます。
2012年の8か国目、スウェーデン旅行記に続きます。