2015
05.31

西アフリカ国境情報: ベナン・コトヌーからトーゴ・ロメへの行き方

ベナンからトーゴ コトヌーからロメ 国境越え 行き方

西アフリカにあるベナン共和国の コトヌー Cotonou から、隣国のトーゴ共和国の首都 ロメ Lomé までの移動の様子をまとめておきます。両都市間は直行の乗合いタクシーが出ていますが、利用は一筋縄では行きません。これを読めば誰でもギニア湾の国々を旅行できる、かも?

コトヌー発ロメ行きタクシー乗り場

2015年5月現在、コトヌーからロメに向かう車は Gare Jonquet という乗り場から出ています。
場所は変わる可能性があるので、Je voudrais prendre un taxi a Lomé.(ロメ行きのタクシーに乗りたい)とでも伝えてバイタクに連れて行ってもらうのが確実でしょう。

Gare Jonquet

ロメやラゴスなど国境越え乗合いタクシーの溜まり場。コトヌー市内の移動はZemと呼ばれる黄色いゼッケンを付けたバイタクの利用が一般的で、市内の移動なら200~400セーファーフランといったところ。

※ 地図中の右下の赤いピンがGare Jonquetの場所です

このJonquet地区は夜間の治安が良くないエリアのようですが、日中は露店や人通りもあってのどかな雰囲気。近くに両替屋もありました。
タクシーは何らかの法則によって駐車位置や出発する順番が決まっているようですが、外国人目線ではさっぱり理解不能。その辺の人に訊けば乗るべき車のドライバーを呼んでくれます。

Gare Jonquet Cotonou

基本的には人が集まり次第の出発です。
待合いスペース?にはいつ出るとも分からない車を地面で寝て待つ人たち。破れたイスは、ゴミなのか誰かの荷物なのか…謎が多すぎます。有料ですがお手洗いもありました。手桶式ですがお金を取るだけあって清潔です。

Gare Jonquet Cotonou

のんびり正午ごろ来たのですが、余裕をかまし過ぎたようで待てど暮らせど同乗者が集まらず。
3時間待っても誰も来ないのでこの日のロメ行きを諦めることに。本格的なアフリカ旅行は久しぶりで、アフリカでの移動は早発ちが原則だったのをすっかり忘れていました。出直すことにしましたが、結局この日はロメ行きの車は出なかったそうです。

ベナンからトーゴへの国境越え

翌日早起きし、Zemに乗って午前7時にはGare Jonquetへ。早く来たかいがあり8時には人が集まり出発となりました。
料金は 5,000セーファーフラン(約1,000円)です。面倒見の良いドライバーに当たってラッキーでした!

ベナンからトーゴ タクシー

西アフリカの乗合いタクシーについて

エアコンはおろかスピードメーターやワイパーも死んでおり、窓やシートすら壊れている車がほとんど。当然のように途中でブッ壊れて止まったり訳の分からない停車が頻繁にありますが、たいていは何とか目的地に着けます。

助手席は1人分のシートに2人掛け、後部座席は3人掛けが一般的なようです。満席にならないと出発しません。隣町への移動など近距離の場合はもっと詰め込み、1台のセダンに最大9人も!一緒に乗ったことがありました。(驚

今回は4時間の移動ですが、ボロい車のヘタったシートで未舗装の道を走るのは想像以上に辛い…そのため戻りの車では倍の金額を払って助手席に一人で座らせてもらいました。現地では倍の金額で助手席を占有するのは一般的な慣習であり、めちゃくちゃ移動が楽になります。これは費用以上の効用なので、早く着いたら助手席を買ってしまうのもアリでしょう。先着順に座る位置を決める権利があります。もし後部座席なら進行方向を考えて日差しが当たらない方、かつ窓が開けられるか必ず確認を…暑さは半端ではありませんので!

また、もし出発を急ぐ場合は全員分のシートを買い上げて即出発する、いわゆるチャーターも可能です。金額は単純に相場×乗れる人数分でOK、交渉すると逆に吹っかけられます。この辺の事情についてはロンプラの後ろの方に載っているコラムbush taxi tricksが参考になりました。

コトヌーからロメ タクシー

人が集まりいざ出発!となれば良いのですがここはブラックアフリカ、そう簡単には行きません。
まずはぐるぐるとガソリンを探し回ります。入れておけよ!しかも市中のガソリンスタンドはガス欠ばかりで、仮にガソリンがあってもドライバーが売り値に納得しなかったりと、結局給油に30分ほど要しました。

ベナン旅行記

コトヌーの周辺は急ピッチで舗装工事が進行中で、片側2車線の近代的な道路が整備されつつあります。まだ一つも点灯していませんが、信号機も取り付けられていました。それでも少し郊外に行くと道は未舗装になってしまいます。

コトヌー Cotonou

隣国とをつなぐ幹線道路が未舗装ということに驚かされますが、今後は路面状況が良くなって移動のスピードもどんどん上がることでしょう。ギニア湾に面する国々では道路整備プロジェクトが進められており、アゴラからアビジャンに至る道を完全に舗装して物流の大動脈にする計画だそうです。

ベナン旅行記

料金所を2度ほど通りました。検問も3度ありましたが、うち1回だけトランクを開けられたくらいで通過は割とスムーズです。
ガソリンを買うのも一苦労、未舗装に加えてあちこちに検問があるとなると、レンタカーを借りて自分で運転するのは難しいかも。中米くらいだと僕は自分で車を運転してしまうのですが、アフリカはさすがにハードル高いですね。

ベナン 料金所

後ろの席で隣り合わせたアフリカ人はロメに出張するナイジェリア出身のビジネスマンで(ナイジェリアの公用語は英語です)車内で近隣諸国の経済や治安の現況、そして旅に欠かせない国境情報を詳しく教えていただけました。この一帯を毎月のように行き来している人から聞く生の情報は面白い!

ギニア湾の国境口コミ情報

これから越えるベナン-トーゴの国境は、アフリカの中でもベストと言って良いほど通過がスムーズだそうです。その先のトーゴ-ガーナの国境もスムーズであり、ガーナまで行けば西アフリカの発展具合を実感できるそう。

一方、ベナンから東、すなわちベナン-ナイジェリアの国境は最悪とのこと。そもそもラゴスに向かう道の治安が悪いのですが、ナイジェリア国内の検問の多さと官憲のしつこい賄賂の要求にはナイジェリア人の彼ですら辟易しているそう。その上2015年5月現在はナイジェリアのビザが簡単には下りず、加えて先のカメルーン国境が閉鎖されているという状況です。

この話を聞いて、西アフリカ旅行のスタートをベナン-トーゴ-ガーナの順にして正解でした。この順に発展の度合いも増すので、途中で挫けずに旅を続けられそうです。(笑

年が近いってこともあり、すっかりおしゃべりに夢中になってしまいました。そのうち雨が上がり、道も舗装されたものに変わりました。昨日は出発できず1日を無駄にしましたが、今日は旅が良い方向に進んでいる予感がします。
窓を全開にして緑豊かな景色を眺めつつ、西へ西へと走って行きます。

ベナン Benin

午前10時30分、出発から2時間半でベナンとトーゴの国境に到着しました。
ここで車を降りて徒歩で国境を越えます。タクシーは先に進んで待っており自分で探す必要があるので乗って来た車をしっかり覚えておくように。

ベナン トーゴ 国境

ベナン出国

ベナンのイミグレーションは通りの左手(道路の南側)にあります。特に入国と出国で窓口は分かれていないようです。
係官が手書きで台帳にパスポートやビザの内容を書き写すので、それをベンチに座って待ちます。質問を3回されましたが、3回とも「どこに行くのか?」という内容で面食らいました。

ベナン イミグレ

下の写真がベナンとトーゴの国境の様子。
ベナン側のイミグレ前から、ベナンの国境ゲートと、その先に見えるトーゴの国境ゲートを撮ったもの。左奥にちらっと見えるクリーム色の建物の通路を通り抜けます。

ベナン トーゴ 国境越え ボーダー

トーゴ入国

続いてトーゴ側の入国手続き。今度は通りの右手(道路の北側)にある通路に向かいます。まずは検疫のようで、体温の測定とイエローカードのチェック。続いて奥の方にある掘立小屋でスタンプをもらいます。僕はトーゴのマルチビザを東京で取得しており提出書類は特になし、こちらもいたってスムーズです。

ヒラコンジ国境 イラコンジ国境

無事国境を越えたら進行方向の右手(道路の北側)にあるパーキングへ。タクシーは先にここまで進んで乗客を待っているハズ。今回はドライバーや他の乗客が面倒見の良い人達で、手取り足取りイミグレの通過を手伝ってくれて助かりました。ただし後日逆方向のタクシーに乗った時は完全に放置だったので、いつもこうとは限らないようです。

hilakondji ヒラコンジ国境

ヒラコンジ国境 Hilakondji を簡単に図示しておきました。
記憶に基づいて描いているので少し実際と異なるかもしれません。要点は以下の通りです。

イエローカード

現在、各国とも熱心に イエローカード(黄熱病予防接種証明書)のチェックを行なっているので原本必携です。

ビザ

必要。もしトーゴビザを持っていない場合、国境でアライバルビザの発給を受けられます。2015年5月現在、10,000セーファーフラン(約2,000円)。ビザ情報については下調べした内容をトーゴビザ取得のページにまとめてあります。

賄賂

賄賂なし。
今回の西アフリカ旅行(ベナン・トーゴ・ガーナ)では国境で一度も金銭の要求や不愉快な対応を受けていません。

時差

ベナンとトーゴの間には1時間の時差があります。国境越えと同時に時計の針を1時間戻します。
僕は帰って来る時に時差を失念して、帰国するコトヌー発パリ行きの飛行機に乗り遅れる!という大失態を冒しました…ご旅行の際は時差をお忘れなく!

両替

ベナンとトーゴの通貨はいずれもセーファーフランなので両替不要。
それでも国境には両替屋が歩き回っており、ユーロやガーナセディやフランなどの両替が可能です。

写真撮影禁止

参考までに写真を掲載していますが、国境周辺は撮影が禁止されているそうなのでご注意を。
カメラを出しているだけで拘束される恐れがあると警告を受けました。

所要時間

国境の通過に要した時間は25分でした。

西アフリカ旅行記

小腹が空いたので道ばたでお買い物。同乗のアフリカ人に芋のスナック ヤム を奢ってもらいました。
そうそう、僕の荷物と言えば足元に挟んだこのリュック一つだけです。

トーゴ旅行記

トーゴに入ると格段に路面状況が良くなってスピードも増します。
トーゴ国内はベナン国境からガーナ国境まで完全に舗装されています。まだ舗装が終わっていないベナン国民が「トーゴは細長い国だから工事が早く済むんだよ」と負け惜しみ?とも取れる発言をしていたのが印象的でした。もしかして両国にはライバル意識でもあるのでしょうか?

トーゴ Togo

警察の検問ではアフリカ人のパスポートを熱心に調べていましたが、外国人にはほとんど関心が無い様子。ただし東行きより西行きの方がチェックが厳しいようで、少し時間を要することも。
移動中、トイレはドライバーに言えば適当に停めてくれます。女性も含めて道ばたで適当に…と言うのがアフリカンスタイル。水や軽食も物売りが路上にいっぱいいるので困ることはありません。ポケットに100フランの硬貨が何枚かあると窓からパッと買い物しやすいと思います。

アフリカ旅行記

ロメは輸入港として物流の多い町で、港には巨大なガントリークレーンが並んでいました。
ロメ市内に入ると道路も整然としており渋滞までしているほど。コトヌーより明らかに活気を感じられます。

ロメ Lome

11時ちょうど、無事ロメに到着しました。コトヌーからロメまで所要4時間、待ち時間も含めると5時間といったところ。
戻りのタクシーの乗り場を知りたかったのですが、ドライバーが何がしかのお金を払いたくないという理由により車はタクシー乗り場まで行かずに途中で降ろされてしまいました。それを心配した同乗のアルジェリア人の彼がわざわざ ロメからコトヌーまでのタクシー乗り場 に連れて行ってくれることに。

ロメ発コトヌー行きのタクシー

今回と反対方向の移動については トーゴ・ロメからベナン・コトヌーへの行き方 のページにまとめます。
コトヌーからロメに向かう西行きの車より、ロメからコトヌーに向かう東行きの車の方が頻発しているようです。乗り場は海岸通りのBlvd de la Marina沿いにあり、現地では通称 オーナンドー Honllando の名前で呼ばれていました。

Station Honllando

その後、ロメの一大マーケットである グランマルシェ Grand Marché の中を小一時間も案内してもらったうえ、タクシーでホテルまで送ってくださりました。これからお仕事だというのになんという親切!毎日のように予想もしない面倒事が次々と起こるアフリカではありますが、それと同じくらい現地の人の優しさにも触れられるのがここブラックアフリカの素晴らしいところです。33歳Chineさんの親切、Kitagawaはずっと忘れません。

お願い

次回の旅行のため、最新の情報をお持ちの方がいればぜひコメント欄へ。

プロフィール
Kitagawa

Kitagawa
南国のアイランドリゾートから地球の果ての辺境まで、4か国語の会話力を駆使して2008年から2024年までに100か国以上を旅しました!飛行機の搭乗歴は1000回を超え、2012年にはFAA(アメリカ連邦航空局)のパイロットライセンスも取得。バンコク在住。
当ブログでは今まで訪れた旅先から、写真を17405枚と心に残った体験を1110件公開しています。(2024.11.21)

2015年, '15 ベナン, '15 トーゴ

コメント

    • 伊織
    • 2018年 12月 27日

    こんにちは、初めまして。伊織と申します。今夕からガーナ旅行に行って参ります!
     (ガーナのビザ情報では大変お世話になりました。貴ページを読んでいなかったら、うっかりシングルを取ってしまってトーゴから戻ってこれなくなるところでした・・・ 本当に感謝☆)

    アクラ4泊、ロメ3泊で、ロメ滞在中に日帰りでコトヌー(じゃなくてもとにかくベナン)へ行きたいっ、とか思っているのですが、このページで「西アフリカの旅は早朝移動が基本」的なことが書かれており、ロメ朝→昼コトヌー着→夕方コトヌー発→夜ロメ着 は難しいのだろうか、と思っております・・・
    夕方初の国境越えタクシーまたはバスって、ありそうでしょうか? もしご存知だったら教えていただけるとありがたいです。
    スマホを持っておりませんもので、もしご回答いただいたとしてもなかなか見られない・お礼が言えないと思いますが、失礼をご容赦ください。

    それでは良いお年をお迎えください! 

    • kitagawa
    • 2018年 12月 28日

    こんばんは、Kitagawa@Hong Kongです。
    お尋ねの件、トーゴ・ベナンの間にバスは無いので通しで移動できる手段は乗合いタクシーのみですが、お昼を過ぎると人数が集まらないのでチャーター(すべての空席の代金を払う)などをしないと車が出ない可能性が高く、旅したものの意見としてはフランス語を多少話せたとしても日帰りで計画を立てるのは無謀です。
    少なくともコトヌーで一泊入れるか、無理して体調を崩しても意味ないので時間に余裕が無ければベナンをやめて比較的旅行しやすくせっかくビザを取ったガーナで地方都市を訪れることをおすすめします。

    • 伊織
    • 2018年 12月 29日

    kitagawaさま、ご回答ありがとうございました。無事アクラの宿に入りました。
    せっかくこんなところまで来たので、三カ国くらい見て回りたかったのですが、やはりベナン日帰りは難しそうですね・・・
    最悪チャーターしても払えないほどではなさそうなのでどうかなーと思ったのですが、帰れないと大変なので今回は見送ろうかと思います。
    おすすめくださったガーナ地方都市を訪れる余裕はなさそうなので、アクラ近辺とロメだけ楽しんでまいります。
    ありがとうございました!
    香港楽しんでください。

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