10.27
世界遺産シラクーサ観光 (イタリア・シチリア島)
イタリアのシチリア島でイオニア海に面する シラクーサ Siracusa の町に立ち寄ってみました。
古代ギリシアやローマ時代の遺跡が残っておりユネスコ世界遺産にも登録。有名な「走れメロス」はここシラクーサが舞台になっているそうです。
マルタ島からシチリア島までフェリー で渡って来ました。
山あいのリゾート地 タオルミーナ Taormina に向かう途中で日程の都合によりシラクーサに1泊しました。この辺りでは カターニア Catania の町のほうが大きいのですが、船が着くポッツァーロからのローカル列車がシラクーサ止まりなのと駅から歩いて観光しやすいコンパクトな地形に惹かれました。
シラクーサの見どころは大きく2つのエリアに分かれています。
ひとつは駅から北に1.5kmほどの場所にあるネアポリス考古学公園で、ギリシア劇場やロマーノ円形闘技場などの遺跡が残っています。もうひとつはドゥオーモなどが建つオルティージャ島で、こちらは駅から東に1.5km先にあります。
シラクーサ駅 Stazione di Siracusa
イタリア国鉄 トレニタリア Trenitalia のシラクーサ駅。
小さな駅舎で終日ひっそりしていました。鉄道旅行の様子は シチリア島のローカル列車 のページをご覧ください。
滞在は1泊だけで、鉄道で着いて鉄道で出発するので駅の真ん前にあるホテルに泊まりました。写真の右側が駅舎、左の黄色い建物が泊まったホテルです。本当に駅を出たら目の前!着いたのは夜の10時で周りは真っ暗だったので分かりやすい場所を選んで正解でした。
シラクーサのホテル Hotel Como
お部屋は改装されていてモダンな内装でした。Wi-Fiはもちろん朝食も付き、荷物も快く預かってもらえて助かりました。予約は ホテル・コモ Hotel Como から行ないました。とても安く、予定が詰まっていなければ延泊して考古学地区もゆっくり観光したかったくらい。
まずは街並みが美しいと聞いているオルティージャ島を見てみることに。
ホテルの前をまっすぐ東へ歩いて行けばたどり着きます。最初の角を右に曲がると小さなシラクーサのバスターミナルがありました。
開けた場所に見えてきたウンベルティーノ橋。
この先がオルティージャ島でシラクーサの旧市街、観光客に人気のエリアです。
本土と島の間は海なのか川なのか運河なのか…こうして歩いていると島に渡ったという実感がなくほとんど一続きのよう。
小さなボートが係留されていて漁師さんが仕事をしていました。
オルティージャ島 Ortigia
橋を渡ると途端に賑やかになって活気に満ちていました。
通りに露店が連なっていたり、馬車が客待ちしていたり。観光客も多いので周りの人に付いて行くだけで一回りできそう。ホテルやレストランも集まっているエリアです。
アポロ神殿 Tempio di Apollo
まずは市場のある広場の一角に大きな遺跡を見つけました。
紀元前6世紀に建てられたアポロ神殿で、後に教会や時にモスクとしても使われたのだとか。シチリア島に残るもっとも古い教会の跡で、シラクーサが古代都市であったことを感じさせてくれます。
アルキメデス広場 Piazza Archimede
人の流れに乗って路地に入っていくと噴水のあるロータリー、アルキメデス広場を通りがかりました。地図で見るとこの辺りが島の中心のようです。アルキメデスは言わずと知れた天才的数学者ですが、ここシラクーサ生まれとのこと。中央には1907年に作られた アルテミスの噴水 Fontana di Artemide が水を噴き上げていました。
ドゥオーモ広場
もう一息歩けば目指すドゥオーモ広場に着きます。
オルティージャ島は再開発によって随分と整備されたそうで、特にドゥオーモ周辺では美しいバロック様式の街並みを見られました。これほど静かなイタリアの観光地も珍しい、贅沢な時間です。
大聖堂(ドゥオーモ) Duomo di Siracusa
ドゥオーモ広場に面する白亜の教会がシラクーサの大聖堂。紀元前5世紀に女神アテナに捧げられた神殿を教会に改築したもので、かつては地中海でもっとも有名だったそうです。
訪れた時はちょうど結婚式を行なっていて、少しだけ中を見学することができました。
正面のバロック様式のファサードには1693年の震災後に造られた細かな装飾が残っています。
サンタ・ルチア・アッラ・バディア教会 Chiesa di Santa Lucia alla badia
ドゥオーモの南にある教会はサンタルチアアッラバディア教会。
パッと見た感じではこちらも古く感じるのですが震災後の18世紀に再建されたもののようです。
広場の北の角にある堂々とした佇まいの建物は Palazzo Beneventano del Bosco。
ここでも18世紀の美しいファサードを見られました。
有名な見どころを一通り廻った後は入り組んだ島の細い路地を散策。
小さなカフェやお土産物屋さんが点在していて人通りは多いのになぜか静かに感じる不思議なシラクーサの旧市街。海に面して高級ホテルもあるので、何泊かするならオルティージャ島に泊まると良さそうです。
シラクーサの観光名所についてはロンプラのサイトが無料の解説を網羅しているので参考になりました。
www.lonelyplanet.com/italy/sicily/syracuse
駅から島まで徒歩で往復して2時間ほど。
考古学地区にも足を延ばすなら方角が違うのであと3時間くらい必要かな、続けて観光するならオルティージャ島からギリシア劇場までタクシーかミニバスに乗ると楽でしょう。
シチリアで移動の途中に思いがけずノスタルジックな街並みと古代ローマの遺構を見ることができました。歴史を振り返ってみるとシラクーサはシチリア島でもっとも古く重要な町だったんですね。今回はオルティージャ島を一回りするだけで次の町 タオルミーナ観光 や エオリエ諸島クルーズ に向かってしまいましたが、次回は駅の北にある考古学地区も見学したいと思います。
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