12.14
ショドルガットから小舟に乗ってカオスな下町見学(バングラデシュ・ダッカ)
国土の大部分がデルタ地帯のバングラデシュ。首都ダッカの中心部を流れるブリガンガ川に面して河港 ショドル・ガット(サダル・ガート)Sadar Ghat があります。桟橋でずらりと居並ぶ貨客船を見学したり、渡し船に乗って対岸のサウスダッカを覗いてみました。
ダッカの旧市街、オールドダッカ観光で最初に訪れました。
時間が限られている方は、ここショドルガットのほかにオールドダッカで最も美しい宮殿 ピンクパレス Ahsan Manzil の見学がおすすめです。
ショドルガット(サダルガート)
Sadar Ghat
ダッカ一の河港で、バングラデシュ国内の各地へ船が出ているようです。
ホテルから車で来たのですが、オールドダッカの周辺は人やリキシャやバスが入り乱れて大渋滞。まったく前に進まなくなってしまったので、ドライバーさんのアドバイスにしたがって途中から歩いて来ました。

写真を見ると入場料 10タカ(12円)とか書いてありますね~よく分からずに勝手に入ってしまいました。ショドルガットはブリガンガ川に面する港というか、ひたすら長い船着場。

結構しっかり整備されています。乗るならバスの方が簡単で快適でしょうけど、バスターミナルほどは汚くありません。(ゴミを全部川に捨てているからかも知れませんが)

小舟に乗ってブリガンガ川を渡る
外国人観光客がうろついていると自称ガイドが現れて案内を買って出てくれるのがお約束。最後に謝礼の金額でもめるところまでがセットですけどね(笑)でもバングラは人が良くてインドほど質も悪くないので、彼らの口車に乗ってみるのも一興でしょう。相場観はページの最後に記しますが、旅慣れた人は乗合いの渡し船を見つけて便乗すれば激安です。


水質汚染が著しく“黒い河”とまで言われたブリガンガ川ですが、多少は改善傾向にあるようです。悪臭が酷いという口コミもあって恐れていたものの、特に嫌な臭いもなく風に吹かれながら気持ちよく小舟での遊覧を楽しめました。
バングラデシュの手工業に触れる
今回はショドルガットで出会った英語の達者なガイドの世話になってみることにしたので、希望を出してあちこち連れて行ってもらいました。個人的に興味があったのはアパレルで、その流れを下流工程から卸売市場まで一通り見せてもらえたのが非常に価値ある体験になりました。もしかすると本職のガイドなのかも知れません。

縫製工場はバングラの主要産業ですが、賃金や安全面などの労働環境が問題になっており、大学の授業でもたびたび題材にされていました。ここで勝手に写真を掲載するのは受け入れ先の好意に反すると思うので、サウスダッカ観光で観光客がいつも連れて来られる船舶修理の現場をご紹介します。
中古船修理街
Docker Ghat
以下は Docker Ghat の桟橋。
その名の通り、辺りは船舶を治す職人街になっているようで、路地裏には無数の工房が建ち並んでいます。


つぎはぎだらけの船体。
傷み過ぎた部分は切り取って、状態の良い鋼板に溶接し直していました。

古いプロペラをグラインダーで磨いて再生。
すべて手作業ですね、金属の粉塵を長期間吸い込むとじん肺を引き起こすのでマスクをした方が良いと思うのですが…

以下はパーツのコピー屋さん。
溶かした金属を鋳型(下の写真、奥)に流し込み、冷えたら手作業で掘り起こす(下の写真、手前)ことで部品を複製できます。

子どもまで作業のお手伝い。
少年は12歳。話を聞いてみると、以前は学校に通っていたけれど今後授業に戻ることは無いそうです…

ガイドさんはバングラデシュの発展を阻む要因として、1に教育、2に交通、3に政治を挙げていました。ちなみに教育の重要性は政府も認識しており、バングラデシュの初等教育就学率は近年大幅に向上しています。
感想・費用
このような下町は外国人が独りで歩き回れる雰囲気ではなく、現地人の案内があると心強い。ガイドを頼むならある程度下調べしておき、何を見たいのかはっきりさせてから訪れた方が得られるものが大きいと思います。この後はショドルガットには戻らずに、船で ピンクパレス 前の桟橋まで送ってもらって渋滞知らずでした。

なお、ショドルガットで現れる自称ガイドは最初300タカで良いと言いながら実際は1,000~2,000タカを要求されたという旅行記が散見され、お金で揉める可能性がかなり高そうです。小舟で往復して対岸の船工場を見学した程度なら、かなり長時間お世話になったとしても500タカ(600円)以上は払い過ぎだと思います。約束の金額を渡して、あとは何を言われても無視して(立ち止まらず歩き去ってしまって)構いませんので、ご旅行の参考になれば幸いです。

最後の写真は、衝撃的だった“ゴミの橋”。
載せるかどうか迷ったんですけどね~こんなリアルを目の当たりにできるのも個人旅行ならではと言えるのではないでしょうか。ブラックアフリカならともかく、21世紀になってもまだこのような光景が見られるのはアジアだと残るところバングラデシュとインドくらいかも知れません。
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