09.13
世界遺産オルホン渓谷を4WDで疾走!水も電気も無いゲルに泊まって遊牧民の生活を体験(モンゴル)
今も遊牧生活が営まれているモンゴル。広大な草原を4WDで駆け抜けてオルホン川を遡上し、お馬さんに乗ったり伝統的なゲルに泊まるダイナミックなアドベンチャーを体験してきました…まるでドキュメンタリー番組のような経験がモンゴルならできちゃいます!
場所はモンゴルのオルホン渓谷です。
プライベートツアーの3日目にハラホリン(カラコルム)からオルホン滝を目指してオルホン渓谷を横断し、翌4日目に来た道を戻ってハラホリン経由でウギー湖へと抜けました。
ウランバートルからハラホリンまでは舗装道なのでパッケージツアーでも来られますが、オフロードとなるオルホン渓谷に入るには4WDが必要です。当地での大まかなルートと訪れた見どころを以下の地図にプロットしました。Kitagawaは中米やアフリカでも自分で車を運転しますが、さすがにモンゴルでは運転手付きのチャーター車とガイドさんのお世話になることをおすすめします。
オルホン渓谷国立公園
Orkhon Valley National Park
一帯はオルホン渓谷国立公園となっており、オルホン渓谷の文化的景観 Orkhon Valley Cultural Landscape として2004年にユネスコ世界遺産にも登録されています。ユネスコによると、その面積は121,967ヘクタール。だいたい東京23区の倍くらいの面積という途方もない広さで、途中で見つけた案内板を撮ってみたものの、見渡す限りぜんぶオルホン渓谷。どこまで行ってもオルホン渓谷です。
この地域の見どころは、1220年にチンギスハーンが築いた古代モンゴル帝国の首都カラコルム、現在のハラホリンが代表的。しかし、それはあくまで「オルホン渓谷の文化的景観」の一部にすぎず、オルホン渓谷全体が、特にその景観が世界遺産として登録されている点が独特だと思います。
これは中央アジアの歴史におけるオルホン渓谷の重要性だけでなく、この地で現在まで続く伝統的な遊牧生活や、それらを含む眺めそのものが「本物」であると認められた結果です。そこで今回はハラホリンに留まらず、オルホン渓谷へも足を延ばしてみることにしました。
(と書くとまるで自分で調べて計画したっぽくみえますが、実は完全にエージェントとガイドさんの立案であって、僕自身は「大自然」「ゲル」「生き物」という極めて雑なキーワードを出しただけです…まさかこんな辺境へ連れて来られるとは、ガチで当日の朝まで知りませんでした。)
道路の状況…ていうか道がない!
オルホン渓谷は基本的にオフロードです。未舗装とかいうレベルではなく、みんなが走ったところが何となく道っぽくなっている感じ。道路じゃないので場所によっては川が流れていたり水たまりができていたりして、やはり4WDが安心です。
前半は割と平坦な道を一直線に走り、途中で渓谷の山道っぽい部分を通り、後半は草原に転がる岩を避けながらスピードも出せずにオルホン川沿いを右に左に揺られながら走りました。
車窓からの眺めを動画に撮ってみたのでYouTubeにアップしたものを掲載します。
こちらは往路で、後半の石ころや水たまりが点在するエリア。めっちゃ揺れます。
下は復路で、平坦で割とスピードを出せるエリア。大規模な家畜の群れが道をふさいでいることも(笑
なお、一部区間で大規模な道路の造成工事を行なっていました。
舗装までするのかは不明ですが、将来は一直線の道ができるのかも。そうするとアクセスしやすくはなりますが、自然の中を大冒険する感じは薄れてしまうかもしれませんね…
Uurtiin Tokhoi Cliff
オルホン渓谷の絶景スポットとして、Uurtiin Tokhoi の崖をご紹介します。
ここはオルホン川が湾曲していて、変化に富んだ地形が見られるおすすめの場所です!休憩がてらぜひ立寄ってみてください。
かつては「Khuurtiin Tokhoi(死体の崖)」と呼ばれていたそうです。
名前にまつわる伝説や景色を紹介する Mongolian News Montsame の動画を掲載しておきます。
このように往路で崖の上から見下ろしたオルホン川ですが、復路では川辺に降り立ってみました。
シューズを脱いで流れに入ってみると夏だというのに足が凍るほど冷たい!ちなみにモンゴルでも水の事故は多いようで、ここに限らず泳ぐのは絶対にダメだってガイドさんが言っていました。
振り返って見上げると、山肌に騎馬の絵が描かれていました。
オルホン渓谷の動物さんたち
かなりのスピードで車を飛ばしていることもあって、野生動物はしっかり探さないと見落としてしまいます。翼の大きな鷲は見つけやすく、リスやキツネとも出会うことができました。(野生動物を一つずつ並べると終わらないのでモンゴル旅行では省略します)
放牧は大規模に行なわれていて家畜の群れには何度もぶつかります…これ凄くないですか?はるか彼方の丘の上まで羊さんが点々と見えました。ときどき道にまで広がってご飯を食べているので、そんなときはクラクションを鳴らしてどいてもらいます(笑
こっちを向ているのはヤクさんかな、大きくてちょっと怖いかも。
ヤクウールのソックスは肌触りがなめらかでとても温かいそうです。
モンゴルの伝統的なゲルに宿泊
ここは旅の折り返し地点、つまり今回の旅で一番の田舎にあたります。オルホン渓谷では観光名所であるオルホン滝のすぐ近くのゲルに泊まったものの、まったく観光客がいなくって嬉しくなってしまいました!僕はこういう旅が大好きなんです。
モンゴルで通年営業しているツーリストキャンプは、水洗トイレや温水シャワーといった共同のバスが建てられていたり、各ゲルに電気も来ている場所が増えています。しかし、ここオルホン渓谷のゲルは春から秋のみの季節営業。よって、泊まったところはトイレもシャワーもなくってまさにキャンプという感じでした。
顔を洗うくらいのお水はもらえますが、本当にその程度で、車に積んであるミネラルウォーターで歯を磨いたりする感じです。電灯もバッテリーからの給電なのでコンセントもありません。このように水も電気もないのに…なんと現地SIMカードを入れたスマホでインターネットが普通に使えてしまうのが21世紀ですね。仕事の電話もかかってきたりして調子が狂うのですが、もはや地球上にデジタルから逃げられる場所は無いのかもしれません。
夕食や朝食はダイニングがないのでルームサービス、各ゲルまで持ってきてくれました。
ちなみに真夏である8月に旅行していますが、朝晩はとても冷え込むのでストーブ(ゾーホといいます)を点けてもらったほど。これ、めっちゃ暖かくなります!
さらに、各家庭が毎日作るというヨーグルトを試食させてもらいました~
モンゴルにはいろんな乳製品がありますが、これは発酵させたタラグと呼ばれるヨーグルト。さすがナチュラルで普通においしいです!あと驚いたことに、ヨーグルトの器は舌で舐めて綺麗に食べるのがモンゴルのマナーなのだとか。
最後に気になるトイレ事情ですが、トイレが無いといってもキャンプから少し離れた場所にトイレが作られていて、下の写真で緑の屋根の建物がそれです。夜は真っ暗だし、雨でも降ろうものならトイレに行くのも大変そうですね…田舎に出かけるならトイレットペーパーやウェットティッシュは必携です。
この日以外に泊まったゲルは共同バスとはいえすべて水洗トイレと温水シャワーがあったので、ツアーの定番コースを廻る限りはこんなに過酷な状況にはならないと思います。でも、旅を終えてみると、キャンプの周りにフェンスもなければ電気もない、周りに観光客ひとりもいなくて英語も通じない、そんな滞在が一番強く印象に残っているものです。
オルホン滝と感動的な乗馬体験
これほどのアドベンチャーになるとは思ってもみなかったモンゴル旅行ですが、もちろんオルホン渓谷の最大の見どころである オルホン滝 Orkhon Waterfall に行ってきました。落差は22mで、モンゴルで一番大きな滝だそうです。
さらに、一生忘れることができない乗馬もしました!
オルホン渓谷の大草原をお馬さんに乗って自由に走り回り、夕暮れ時に遊牧民が家畜を連れておうちに帰るのに同行したりと、モンゴルでしかできない感動的な乗馬になりました。
今回の旅程の中ではオルホン渓谷における移動距離がもっとも短いのですが、体力的には一番疲れました…ほとんどがオフロードで揺れるし、転がっている岩や水たまりをよけるためにスピードも出せず、まるで半日くらい車に乗っていた気分。でも実際は、ホジルトを正午に出てオルホン滝に午後3時着、戻りも午前9時半に出て12時10分にホジルト、12時40分にはハラホリンに戻っているので、休憩時間を入れても片道3時間程度あればオルホン滝に行くことができそうです。ほかの旅行者のモンゴル旅行記を読むと滝へ日帰りも不可能ではないっぽいものの、設備が整っていないゲルに泊まるのと悪路を一日で往復するの、果たしてどちらが忘れがたい体験になるのでしょうか?僕はこの地に一泊できて本当に良かったなと思います。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。