01.02
トルコLCCアトラスジェット (イスタンブール→北キプロス・エルカン)
トルコの格安航空会社、LCCの一つである アトラスジェット atlasjet を利用しました。
現在は アトラスグローバル atlas global のブランド名でイスタンブールから国内線・国際線を運航しています。今回はマニアックな北キプロスに飛んでみましたので、ネット上に口コミがなかなか出て来ない エルカン空港からニコシア市内への行き方や北キプロストルコ共和国の出入国情報 も残しておきます。
北キプロス・トルコ共和国について
Turkish Republic of Northern Cyprus
一般にキプロスと言えば“南キプロス”にあたる キプロス共和国 を差し、日本語のガイドブックで紹介されたり広く観光化されているのも南側です。キプロス島は1955年から続くキプロス紛争が解決しておらず、1983年に北部のトルコ系住民が北キプロスとして独立を宣言したもののトルコ以外からは国家承認を受けていない状態。そのため、特別な理由が無ければ北ではなく南キプロスを旅行することをお勧めします。空港で言えばラルナカ空港やパフォス空港からの入国です。
紛争地と言っても戦闘が行なわれている訳では無いので 北キプロス・南キプロスともに安全に旅行が可能 です。双方の首都ニコシアでは北キプロスと南キプロスのクロスポイント(国境ではありません)があり、日本のパスポートなら南から北への日帰り観光が可能。旅ブログで紹介されている北キプロス旅行はほぼすべてこのパターンであり、北側の様子は 北キプロス旅行記ニコシア観光 のページを参考にしてください。ニコシアのクロスポイントは観光客で賑わっていました。
しかし今回はあえて、ほとんど人が行かない…そもそも世界から独立が承認されていない 北キプロス・トルコ共和国 に“正式に入国”するルートを選んでみました。そろそろ和平交渉が進みそうなので国連平和維持軍の監視下にある停戦ラインを北側の立場で見てみたいというのが大きな動機です。ちなみにキプロス紛争については日本の新聞でもしっかり取り上げられており、ツイッターでつぶやきましたが旅行後の2016年11月に再開された和平交渉は決裂に終わっています。
北キプロスで宿泊を伴う滞在をするには北キプロスに空路または海路で入る必要があり、いずれも唯一独立を承認しているトルコからの便のみで、空港はエルカン空港の一か所です。北キプロスの入国にビザは不要 ですが、公式情報を必ず北キプロストルコ共和国・外務省のページで確認してください。
mfa.gov.ct.tr/consular-info/visa-regulations/
首都ニコシアでは北から南に入ることもできますが、必ず戻って来なければならない(南のラルナカ空港やパフォス空港から出国できない)という制約があるので帰りもエルカン空港から飛ぶ必要があります。このように面倒な地域だからこそ、北キプロスは物価が安くて治安も良い、知る人のみぞ知る隠れたリゾート地 になっていたりするのです。割と大きなホテルに泊まったのですが、日本人のゲストは初めてだ!と驚かれまして…そのくらい穴場です。カジノやダイビングも楽しむことができるので、北キプロスのリゾート体験記 もご覧ください。
予約
アトラスジェット atlasjet はトルコのイスタンブール、アタテュルク国際空港(IST)をハブとする格安航空会社。
トルコ国内だけでなく国際線も運航しており、北キプロスの他にもイギリス、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ウクライナ、モルドバ、ロシア、アルメニア、ジョージア、カザフスタン、クウェート、イラク、サウジアラビア、アラブ首長国連邦に就航しています。
この中で目を惹いたのはモルドバですね、2010年にルーマニアからモルドバまで行こうとしたものの足や情報を確保し切れず断念したので(北キプロス並みに情報の少ない謎の国です)イスタンブールから空路というのもありかも知れません。
予約は アトラスグローバル atlas global の公式サイトから。
www.atlasglb.com/en
決済額は片道ひとり 187.42TL(6,612円)でした。
隠れた手数料などが後から加算されることも無く予約はスマートな印象。観光客は皆無に近いので南に比べて運賃も格安です。
ちなみにアタテュルク空港から北キプロスにはフラッグキャリアの ターキッシュエアラインズ(トルコ航空) も就航しています。また、イスタンブールの サビハ・ギョクチェン空港(SAW) 発だとターキッシュエアラインズの他にトルコのLCCであるペガサス航空も飛んでいます。せっかくの機会なので帰りにペガサス航空を使ってみました。
atlas global atlasjet
お馴染みイスタンブールのアタテュルク国際空港。
格安航空会社は遅延しやすいので朝便を選んでおり、早朝に空港へ来るため TAVエアポートホテル に泊まりました。
乗るのは9:30発11:05着のKK1012便。
LCCながら20kgのバゲージが無料というのが助かります。09:20にボーディング開始、09:46にドアクローズ。
機内ではドリンクとスナックが出ました。
フライト時間は1時間35分なのでアッという間。この2016年の秋の旅行では3週間の間に13便も飛行機に乗りましたが、LCCのナローボディ機は乗降が早いので思った以上にスムーズでした。
エルカン国際空港 Ercan International Airport
北キプロストルコ共和国の エルカン空港(ECN) に到着。
めっちゃくちゃ暑い!快適なギリシャや肌寒いトルコが信じられないほどの暑さにビックリ。強い日差しを浴びながらターミナルまで歩いて移動しました。訪れたのは9月末ですが、6~9月は平均最高気温が30℃を超えており日によっては40℃を突破することもあるので旅行のシーズンを考えた方が良いかも知れません。
僕らだけ入国にやたら時間がかかり…とうとう誰も居なくなったイミグレで入国審査官がパスポートを持ってどこかに行ってしまいました。どうやら宿泊先のホテルを訊かれた時に南キプロスの住所のホテルを出したのが引っ掛かったようです。それが問題という訳では無く、南側に行けるかどうかはここでは分からないのでクロスポイントにあるキプロス共和国のイミグレで改めて相談してくださいね、ということをわざわざ調べてくれたようです。
黙っていたら北キプロストルコ共和国の入国スタンプがパスポート上に捺されて戻ってきました。
既にギリシャの旅行は終えており増補分も含めて残りページも少ないので構わないのですが、パスポートに北キプロスの入国スタンプが捺されると紛争の相手国にあたる南キプロスやギリシャへの入国ができなくなる 恐れが高いので、旅程に応じて別紙に捺してもらうよう申し出た方が良いでしょう。
時間はかかりましたがイミグレの係官は友好的でわざわざ北側に観光に来たことを熱烈に歓迎してくれました。
そうそう、開口一番に「留学生ですか?」と聞かれたのも驚きました。後から知ったのですが 北キプロスは英語による大学教育に力を入れており学費収入が大きな産業になっている そうです。そのため観光客はほとんど来ないのに若い外国人の姿を見かけることが多く、話してみると皆さん留学生だったのが印象に残りました。
エルカン空港では携帯電話のSIMカードを売るブースがいくつも出ていたので5GBのデータ通信ができるSIMカードを 50TL(1,764円)で購入。一軒だけですがターミナル内にトルコ資本のカフェが営業しておりWi-Fiの使用可。その他は駐車場にレストランが一軒あるくらいです。
エルカン空港からニコシアへの空港バス
エルカン空港の駐車場にはカジノホテルの集合場所が並んでいました。
地球の歩き方すら北キプロスの情報を一切載せていないので日本ではまったく知られていませんが、北キプロスはヨーロッパで格安のバカンス先となっておりトルコ以外にもイギリス・ドイツ・ロシアなどからのツアー客が多いのだとか。ビーチ沿いの主要ホテルでは送迎サービスを行なっており、帰りにお願いしたところ2名で80TLでした。
エルカン空港から首都 ニコシア Nicosia、トルコ語で レフコシャ Lefkoşa までは45kmあり車で1時間の距離。北キプロス領内ではトルコ語で地名を言った方が通じやすい。
ターミナルを出て左手に KIBHAS のオフィスがあり、レフコシャ Lefkoşa や Girne ギルネ への空港バスが出ていました。
どうやって見るのかは…よく分かりませんが(笑)恐らくルートが複数あり、各地の出発時刻を示しているようです。空港からレフコシャ行きは右端の時刻で1日12本、確かレフコシャの後そのままバスはギルネに向かったハズです。
レフコシャの KIBHAS に出ていたエルカン空港行きの時刻表はこちら、1日12便。
これは出発時刻ですね、タクシーだと時間帯によって60~80TL程度のようです。
13:30のバスは8分遅れで出発、運賃はひとり 10TL(353円)と格安!
窓からの景色は荒涼とした台地が広がるばかりで、経済的にやっていけるのか勝手に心配してしまいました。
意外に早く27分でレフコシャのオトガル(バスターミナル)に着きました。
バスターミナルの南にCity Royal Hotelがあり、朝食付きで265TL。レフコシャの中心部には近代的なホテルが2か所のみで宿泊費は高め。今回泊まったレフコシャの旧市街のホテルは 北キプロス旅行記ニコシア観光 のページでご紹介しますが、相当な物好きで無い限り南キプロス側で泊まった方が安くて快適です。ニコシア観光の後、北キプロスでスキューバダイビング を楽しむためギルネに向かい、デニクジ・ホテル Denizkizi Hotel に滞在します。
全体的に北キプロスの皆さんは無愛想ですが、根は良い人が多いように感じました。
旅行中は一度もボラれることなく、言葉が通じないのに根気よく驚くほど親切にされたことも何度か…もはやアジアでも体験することが稀なホスピタリティがここには生きています。もしありきたりな旅先に飽きてしまったなら、紛争中なのに安全すぎる北キプロス旅行も面白いのではないでしょうか?
コメント
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明けましておめでとうございます
Mr.Kitagawa
お元気そうでなによりです
今年もblogやツイートで楽しませてくださいね!
こちらこそ、よろしくお願いします!
今年はフロリダのディズニーワールド再訪です、オススメがあれば教えてください☆