08.26

アルティンアラシャンからアラコル湖への絶景ホーストレッキング(キルギス)
中央アジアのスイスと評されるキルギスでお馬さんに乗って山登り、ホーストレッキングを楽しみました!アルティンアラシャンからアラコル湖まではその標高差ゆえに地形や植生の変化に富む人気のルートです。まさか往復7時間もかかるとは思いませんでしたが…乗馬なら日帰りが可能なので体力に自信のある方はぜひ挑戦してみてください。
必要な費用や時間の目安、実際に体験して感じたことは後半に回して、まずは動画をご覧ください。
お馬さんの背中に乗って美しい景色に包まれながらパカパカと歩みを進め、途中で川を渡ったり牛さんの群れに出会ったりと最高のアドベンチャーでした!最後は…まさか雷雨に見舞われて、真夏だというのに薪ストーブで暖を取ることになろうとは(汗
道中の様子。
お馬さんはある程度道を覚えているのか、放っておいてもだいたい道を辿ったり前の子に続いてくれました。
山場が以下の渡渉です。
橋は架かっておらず水も手が凍るほど冷たいのですが、馬に乗っていれば濡れずに越えられます!
前半は針葉樹が並び傾斜も比較的緩やか。
後半になると急斜面があったり景色が荒涼としてきました。
途中で一休み、お馬さんも葉っぱを食べてお昼ごはん。
道中に売店はもちろんのことトイレ一つすらありません。軽食やお水は必携です。
行く道は長く、終わりが見えません。
こんな感じでパーティがばらばらになって進むこともたびたびありました。
振り返って、来た道。
ずいぶん高い所まで来てしまいましたね~空も空気も澄んでいて爽快です。
お疲れ気味のKitagawa。
そうそう、この日の朝に一人旅の日本人から「付いて行っていいですか?」と声を掛けられて一緒に登っています。彼女とたくさん撮り合いっこをしたのでいつにも増して写真が多めです!
出発してから3時間半、ようやく着きました!
でもゴールではなく、馬で来られるのがここまでであり、最後にして最大の難所である「絶壁」が立ちはだかっているのです。絶景アラコル湖を見下ろすには、この砂と石の急斜面を登らなくてはなりません。それにも関わらず(登れる登れない以前に)到着する直前から激しい雨が降り始めてユルトに駆け込むのが精一杯という…もう少し到着が遅ければずぶ濡れでした。
さらに急激に気温も下がってしまい、点けてもらった薪ストーブで濡れた服を乾かしつつ暖を取ることに。本格的なパーティは装備を整えて雨の中でも出発していましたが、週末お散歩気分で来ている僕らは吹けば飛ぶような雨具しかなく、というか寒過ぎて一刻も早く帰って温泉に浸かりたいと願ってしまうほど。いくつもの旅行記が最後の最後で断念してアラコル湖を見ずに下っているのは、こういうことだったのか…
それでも1時間ほど様子を見ましたが、ここからビューポイントへの往復に最大2時間を見込むと下山後の夕食に間に合わなくなりそうです。残念ですが僕らも話し合って撤退することに。その後30分ほどで雨は止み、濡れることなく下山できたのが幸いです。
行き方・費用・所要時間
標高2,600mにある アルティンアラシャン Altyn Arashan の集落が拠点になり、馬での往復に丸一日かかるので、アルティンアラシャンに最低2泊必要です。アルティンアラシャンからアラコル湖を見下ろせるビューポイントまで片道11km、標高差1,300m。アップダウンが激しく冷たい水流に浸かっての川の横断(渡渉)もあり、ここはお馬さんに乗るの一択です。(装備を整えたガチ勢トレッカーですら息も絶え絶え登っていたので歩き慣れない素人が徒歩に挑むのは無謀としか思えません)
麓のカラコルの町からアルティンアラシャンまでの行き方については、当ブログ内の アルティンアラシャンまでのトレッキング のページをご覧ください。
カラコルからアルティンアラシャンへのトレッキングだけの旅行者が結構いますが、それではもったいない!キルギスまで来た意味がないと言ってもよいくらいです。世界100か国以上を旅しましたが、こんなに安く手軽に本格的なホーストレッキングが楽しめる場所はほかにありません。何がなんでも山のうえで2泊は確保して、この素晴らしい景色をお馬さんの背中で堪能してください。
費用
馬(終日)2,500ソム(4,326円)
ガイド(終日、ガイドの馬代は不要)3,500ソム(6,057円)
僕らは村のお馬やさんに直接行きましたが、宿を通して予約してもコミッションはかからないようです。また、ハイシーズンであってもアルティンアラシャンに着いてからの相談・依頼で間に合いそうです。ガイド代は声を掛けてくれた日本人のバックパッカーさんとシェアしたので(というか僕がロシア語で人数変更をねじ込みました)安く収まりました。
ベストシーズンと所要日数
9月に入ると雪が降るらしく、7~8月がベストシーズンとのこと。
(オフシーズンは営業している宿が激減します)
携帯電話の電波が入らないエリアなので、このキルギス旅行は電話がかかってこないであろう日本のお盆に重ねました。
現地から投稿した“実際の日程”は以下の通りで、6泊7日となりました。
首都ビシュケクからカラコルまでの往復(マルシュルートカで片道7時間)、登山口からアルティンアラシャンまでの往復(登りは徒歩6時間、ジープなら2時間が目安)、そしてアラコル湖までを馬で往復するのに丸一日(登り3時間半、下り2時間半の乗馬)を要します。したがって、弾丸でもキルギス内で丸4日必要です。
僕らはカラコル以降は宿の予約すら取らずにキルギス入りしており、どう動くかは現地でお天気や体力をみながら前日または当日に決めました。結果としてまるでモデルコースのような綺麗な日程に収まったわけですが、キルギス滞在を最大2日延長できる余裕を持って山登りに挑んでいます。疲れ具合なんてやってみないと分からないし、天候なんてその日その時まで分かりませんから。
実際は割と無理が効いて、下山日に一気にビシュケクへと戻り(旅程の5日目)、ビシュケク2連泊と市内観光で疲れをほぼ回復することができました。ただし、徒歩で下山し、カラコルのホテルに預けた荷物を回収して、その日のうちにマルシュルートカでビシュケクまで戻るのは(なんとマルシュは8時間半もかかりました、涙)なかなかハードだと思います。同様の日程を組む場合はジープでの下山も検討の価値があると思います。
キルギスで最も美しい高山湖であるアラコル湖を望むことは叶いませんでしたが、本格的なホーストレッキングは旅のハイライトになりました。この夜 アルティンアラシャンのゲストハウスで浸かった温泉 や、無事を祝ってビシュケクで訪れた 人気ステーキハウス Torro Grill & Bar のディナー も忘れられません。
感想(正直な疲れ具合)
Kitagawaは少しだけ乗馬経験があって、直近1年で3回目のホーストレッキング。最近だと モンゴルの大草原で馬に乗って遊牧民の家路に同行 しましたが、こんなに長時間の乗馬は初めてです。はい、みんなが口を揃えるようにお尻がめっちゃ痛くなりました!たぶん片道ぐらいが観光客には適していて、最後の難所の手前にもゲストハウスがあると良いんですけどね~(なんて無理を言ってみる)。別にてっぺんまで行く必要はないので、疲れ果てるくらいなら途中の綺麗なところでピクニックをして折り返してくるのもアリかもしれません。なお、キルギスのホーストレッキングに乗馬経験は要りません。初心者だけでなく初めての人でも無事に行って帰って来られます。ただスケールがでかすぎるあまりに体力勝負になりがちなんだと思います。
晴れていたら登れたか?
直線距離900mで標高差300mは滑り落ちるくらいの急斜面で、垂直登攀は無理。さらに高度があるガレ場のキリマンジャロなどを登頂していますが、こればかりは「やってみないとわからない」というのが正直なところで、現場での体調を振り返ると登れても下山で足が痛くなったりカラコルでもう一泊必要になっていた可能性があります。一緒に登った大学生のお友達は元気にしていましたけどね、僕は(お馬さんのお世話になったのに)疲労困憊でした。
もう一度チャレンジする機会があったら?
最後の部分は「荷物を持たずに」「きちんとしたトレッキングシューズを履いて」「トレッキングポールを持って」登ると思います。今回は雷雨に見舞われたことで敗因があやふやになってしまいましたが(僕を含めて)多くの旅行者がラストの登攀で挫折する原因はきっと天候以外に準備不足もあるのかなと思います。うーん、悔しい!
今後行かれる方、どうか万全の備えでアラコル湖の絶景を望んでから帰ってきてください!
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