07.22
旧ソ連潜水艦 スコーピオン (北米・ロングビーチ)
ロサンゼルス郊外ロングビーチに、ロシア(旧ソ連)製の潜水艦 スコーピオン Scorpion が係留されています。
ちょっとマイナーな見どころですが、軍事用の潜水艦の内部を見学できる場所って世界でもかなり珍しく、ミリタリー好きには見逃せないスポットです。
この潜水艦は1972年の建造で、ソビエト連邦のもの。
1994年に退役しており、冷戦終結の記念のためにアメリカ合衆国に置かれているそうです。
潜水艦は丸いから、船ほど甲板が広くなくてちょっと怖いかも。艦橋には窓が並んでいました。
さっそく上部ハッチから急な階段を降りて乗り込みます。
潜水艦と言えば兵器ですからね、まずは魚雷の発射管室です。
魚雷管は前に6つ、後に4つ。最大22本の魚雷を搭載できたそうです。
狭い艦内に大きな魚雷、戦争の狂気を感じずにはいられません。
小さな水密ハッチをくぐり抜けながら、艦内を見学します。
これは僕でも通るのが大変、体の大きなアメリカ人はしっかり引っかかっていました。
艦内の断面図。
全長 299フィート6インチ(約91メートル)、全幅 24フィート7インチ、喫水 20フィート。排水量は 1,952トン、水中排水量 2,475トンとなっています。
映画で出てきますよね、こういうテーブルで会議している光景。
冷戦は1945年から1989年まで44年間続きましたが、冷戦で終わって本当に良かったと思います。
発令所の様子。
計器はすべてアナログで、さすがにクラシカルな雰囲気です。
光学式の潜望鏡はきちんと機能しています。
潜望鏡から対岸のロングビーチのウォーターフロントを覗いてみました。水色の丸い建物はロングビーチアリーナ Long Beach Arena です。
まるで映画「レッド・オクトーバーを追え!」の世界。
この潜水艦、セットじゃなくて本物なんですよね。
表示はもちろん、キリル文字。
こういうの見ると、手当り次第に動かしてみたくなってしまいます。動かしてよいのか分かりませんが、さすがにいきなり潜航することは無いでしょう。(笑
通路の脇に乗員の寝室。とっても居心地が悪そうです。
航行可能距離は 浮上8ノットで20,000マイル、潜航2ノットで380マイル、潜航可能日数は3~5日だったそうです。
最大潜航深度は 985フィート(300メートル)、最大速力16ノット、潜航時15ノットです。
ちなみにスコーピオンとはコードネームで、正式な名前は B-427 と言うそうです。
ソ連の潜水艦を北米で見られるなんて、冷戦時代では考えられなかったことでしょう。
日本人だとあまりピンと来ませんが、口コミサイトに寄せられているアメリカ人の感想を見るといかに凄いことかを窺い知ることができます。
場所はカリフォルニア州ロングビーチ。有名な見どころであるクイーンメアリー号の前に泊まっています。ミリタリー好きの方は、ぜひロサンゼルスにお越しの際に足を延ばしてみてください。
この記事を書いていたら、広島にある 海上自衛隊呉史料館 にも潜水艦を見に行かなくちゃ…って気になって来てしまいました。
Scorpion Submarine
ロングビーチのダウンタウンからの行き方は、ロングビーチトランジットの無料シャトルバス PASSPORT を利用するのが簡単です。詳しくはロングビーチ旅行記のページをご覧ください。
【住所】 1126 Queens Hwy., Long Beach, California, U.S.A.
アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロングビーチ、クイーンズハイウェイ1126番地
【入場料】 大人12.95ドル
【営業時間】 午前10時~午後6時
この潜水艦についての詳しい説明はこちら:
www.queenmary.com/tours-exhibits/tours-exhibits-attractions/scorpion-submarine/
Wiki Pediaにもページがあります:
en.wikipedia.org/wiki/Soviet_submarine_B-427
2014年, 2012年以前, アメリカ合衆国, '14 アメリカ合衆国
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