04.06

ストーリー・ブリッジ(オーストラリア・ブリスベン)
オーストラリア第3の都市ブリスベンに到着したその日。チェックイン時にスタッフが一言、「お部屋から橋がよく見えると思いますよ」と。半信半疑のまま部屋のドアを開けた瞬間、まるで絵画のように窓に浮かび上がる鉄橋。それが、ブリスベンのアイコン――ストーリーブリッジでした。
鉄と時間が紡ぐブリスベンのシンボル
ブリスベン川にかかる主な橋の数は16とも17とも言われています。150年に及ぶ歴史の中で造られたそれらは、時代ごとの工法やデザインが交錯し、都市の風景に豊かな表情を添えています。その中でもひときわ存在感を放つのが、1940年7月6日に開通した ストーリーブリッジ Story Bridge。今年で85年。節目の年に合わせて行なわれていた修復工事が2024年に完了し、その堂々たる姿を見せてくれています。驚くべきは、1日あたりおよそ10万台もの車がこの橋を通行しているということ。 長い年月を経てもなお、橋は交通の要として機能し続けており、まさに生きている建築と呼ぶにふさわしい存在です。(Kitagawa)
額縁のような眺め
Brisbane Marriott Hotel にて
リバーサイドのホテルでもないのに橋が見えるのは、どうやら部屋の窓のアングルが林立する高層コンドミニアムの隙間に奇跡的に一致しているから。これまでも さまざまな橋を見てきました が、このように定点観測するのは今回が初めてです。朝も、夕暮れも、夜のライトアップも、それぞれまったく異なる表情を見せてくれて、まるで“時間のキャンバス”を眺めているかのようでした。
ライトアップは時期やイベントによって変わることも。
正直、ブリスベンマリオットホテル Brisbane Marriott Hotel はビジネス客向けの無難なホテルですが、この景色が滞在を特別にしてくれました。
川辺からの大パノラマ
Riverwalk Lookout にて
橋をもっと間近で見たくなり、川沿いの遊歩道へと足をのばしました。
整備されたプロムナードは Riverwalk Lookout として知られる人気のビュースポットです。
ここからはストーリーブリッジ全体の姿を一望できます。
ジョギングする人や犬の散歩を楽しむ家族連れが行き交い、橋とともにあるブリスベン市民の生活を感じることができました。
近代建築の競演
City Botanic Gardens にて
もうひとつ印象的だったのが、週末の散歩に訪れたブリスベン市植物園からの眺め。
ブリスベン川が緩やかに蛇行し、その向こうにストーリーブリッジが姿を現します。都会の真ん中にありながら、どこかのんびりとした空気が漂うこの場所から見えるのは、20世紀の鋼鉄橋と21世紀の高層コンドミニアムの競演。重厚な雲がよい感じに入りお気に入りの一枚です。
ストーリーブリッジはクイーンズランド州の文化遺産にも登録されています。
橋の歴史や構造に関する情報は州政府のWebサイトがもっとも正確と思われます。以下にリンクを掲載しますので、観光される方は参考にしてください。
apps.des.qld.gov.au/heritage-register/detail/?id=600240#tab-history
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