11.21
JAL Sky Suite 767 (日本航空ビジネスクラス)
以前はKitagawaが頻繁に利用していた日本航空のバンコク線。しばらく他社便への搭乗が続いていましたが、ボロかったJALの767もようやくシートの換装が進み、羽田-バンコクの夜行便にフルフラットになる JAL Sky Suite II が入ったので乗ってみました。さて、その乗り心地はいかに?JALとの付き合いも長いですからね、今日は本音で行ってみます。
ちょっとややこしいので、まずはネーミングについて説明を。
JALではシートの換装が済んだボーイング767型機自体のことを SKY SUITE 767 (スカイスイート767)と称しており、そのビジネスクラスに搭載されたシートの名称が JAL SKY SUITE II (ジャル・スカイスイートⅡ) です。他社では最上級のファーストのみに与えられるスイートの称号、JALさんでは大安売りです。
さらにⅡなんて付くと今までより改良された凄いシートに聞こえますが、これもネーミングの罠。777に搭載されているスカイスイートと767に搭載されているスカイスイートⅡはまったくの別物。もう少し実態に沿ったネーミングだったら分かりやすかったのですが…
国際線、ボーイング767-300ER型機。
JALでは主に中距離のフライトを担っており、東京発着のアジア線に投入されているシップです。
新しくなったビジネスクラスキャビンの様子。座席数は24、アブレストは1-2-1です。
姉さん、ようやくJALのビジネスクラスも他社並みになりました!
JALビジネスクラス「スカイスイートⅡ」
さて、羽田からバンコクに向かうJL32便。
シートは1Aをアサインしていただきました。広くなりました、広くなりましたよ~!
こちらは別のフライトでもう少し後ろの4A。
下の写真は最前列の中央席。
各席にアメニティが予め配られており、搭乗時は収納の扉が開かれた状態でした。シートに置かれた枕に注目。いつから変わったのか知りませんが、この枕は乗り心地を向上させるのに大いに役立っています。
JALの国際線ボーイング767ビジネスクラスに一人で乗る場合、Kitagawaがオススメするのはシートが窓側にオフセットしている偶数列。具体的には 2A、2K、4A、4K、6A、6K の6席です。
改めて自席、1Aシートからの眺め。
画面サイズは15.4インチ、タッチパネルです。機内エンターテインメントは目的地に到着してドアが開くまでめいっぱい視聴できますが、ヘッドホンは従来通りなのが残念です。
最前列の窓側に限りダッシュボードのような場所がありますが、単なるデッドスペースです。ここに物を置くなって書いてありますが、ついつい置きたくなってしまいますね。足元の一番奥が一応バッグなどを置いても良いスペースになっていますが、見かけによらず深い穴なので、ここは素直にオーバーヘッドキャビンに収納するほうが良さそう。
画面の下にはUSBポートや映像入力端子、パソコン用電源など。席を立つときもコードをひっかけにくくなりました。
ようやくクソ機材も生まれ変わって僕は嬉しい!と正直な感動を伝えたらCAさんが懇切丁寧にシートの使い方を教えてくれました。もちろん写真は了解を得たうえで撮影しています。
説明書
スカイスイートⅡのシート説明書。
これを読まなくても、使い方に迷っているとCAさんがフォローをしてくれます。このタイミングが絶妙で、パッセンジャーが困るタイミングを既に把握しているのか、あるいは僕がマークされているのか分かりかねますが、ともかく助かります。
2014年末の時点では、周りの席からも「この飛行機は初めて乗る!」なんて声が聞こえてきました。新しい機材、ワクワクしますよね。
テーブルの出し方がちょっと変わっています。水平に引っ張り出して、さらに天板は観音開き。テーブルを出したままトイレに立てる構造は素晴らしい、大幅にストレスが減りファーストに一歩近づいたのではないでしょうか。
ウェルカムサービス
おしぼりや挨拶はいつも通りなので省略。
シャンパンの銘柄は Delamotte Brut N.V. ドゥラモット。2015年11月現在もシャンパンは同じ銘柄でした。もしこのセレクションを“JALらしい”と感じたら…シャンパンとJALの両方に精通している方でしょう。(笑
夜行便に乗るときはたいてい羽田空港サクララウンジや帰りはカンタス航空ビジネスクラスラウンジで夕食を済ませているのですが、お休み前の軽食が変なお寿司じゃなくなっていたので今回は貰ってみました。
ちなみにお寿司の場合はこんな感じ…
シートコントローラー
電動のシートコントローラー。あえて電動の!って書くのは、以前の767は驚くことなかれ手動でしたからね。ボタンの色はシートに合わせてえんじ色。ダサいカラースキームですが、全体の統一感は取れています。
カクテルテーブルは大きくなって使いやすくなりました。
見た目より座席間隔は広いようで、シートベルトをした状態ではマガジンラックに手が届きません。
シート
座席周りは手の届くところに充分な容量の収納があって使いやすい。
物を入れるスペースを一か所にまとめたことと、一体成型なので変な隙間に小さな物が入り込む心配が無い点は良い感じ。機内でいろいろ散らかしちゃうKitagawaも、これなら探し物が減りそうです。
さらに収納の扉は、開けることでお隣の席との目隠しの役目も兼ねているそうです。
少しこじつけっぽい気がしますが…これは割と評価されている方が多いようですね。
難点を挙げればシューズストレージ、もう少し大きければ言うことなしでした。
僕は足のサイズが小さめですが、それでも無理に入れると型が崩れるので残念な設計です。
ベッドポジション
シート幅は最大箇所で52cm、シート長は最大で約200cmとなっています。
数字で書いてもピンと来ませんか?分かりやすく言えば、棺桶のMサイズと同じくらい…つまり多くの人が狭いと感じるサイズだと思います。Kitagawaは小柄な方ですが、それでも肩が壁に当たるほど。寝返りを打つことは不可能なものにスイートという名称、名前負けしていないでしょうか?
シートはフルフラットになりましたし、今までのスカイラックスとは比ぶべくもなく良くなりましたが、外観がとても広そうに見えるだけに実際に寝転んだ時の横幅の狭さを感じてしまいます。
もっとも、たかが数時間程度のアジア線では充分過ぎるシートです。設計は非常に秀逸なので、今後のSky Suite 767の路線拡充を期待したいところです。
機内エンターテインメント
ひじ掛けの中にコントローラーが隠れていました。
天井の読書灯のスイッチはこのコントローラーで点ける必要があります。CAさんに教えてもらうまで気付きませんでした。
一方、機内エンターテインメントはタッチパネルだけで直観的に操作でき、反応もスムーズ。夜行便なので音楽くらいしか聴きませんでしたが、使いやすいインターフェイスで文句なしです。
機内食
夜行便ではいつも寝る前に口頭で伝えていた朝食のリクエスト。
2014年9月の搭乗時は用紙にチェックを書込む方式に変わっていました。僕は常に変化を好む方なので良い取り組みに感じますが、早々に元に戻りそうな気もします。
ちょっと話が脱線しますが、機内サービスでお借りした雑誌でウラカンを発見!
お値段2750万円、今だにこんなバブリーな雑誌があるとは驚きです。
ちなみにランボの実車はこちら♪
って、こっちはもっと高いアヴェンタドールですけどね。
閑話休題、機内食のメニューです。
最近ビジネスクラスではあまり朝食を食べないのですが、今回は久しぶりなのでオーダーしてみました。
一度ガツンとレベルが下がったように感じるJALの機内食、また良い感じに復活してきました。次回も頼もうと思えるお味とサービスに満足です。
別の日の SKY SUITE 767 にて。
感想
クソ機材のスカイラックスよりは圧倒的に良くなった!テーブルも収納もエンタメも使いやすい。
念願のフルフラットシートであり、全席通路アクセス、パーソナルスペースも広いので、積極的に選択したい。
ただし見た目ほど横幅は無いので、スイートという名称は名前負け。
Sky Suite 767のスカイスイートⅡってSky Suite 777に搭載されたスカイスイートより横幅が13センチも狭いんですよね。そもそもまったく設計の異なるシートに対して、Ⅱなんてネーミングを与えたのは失策だと思います。旧来の767より大幅に良くなったにも関わらず、このネーミングによってユーザーはより広い777のシートとも比較しますので、結果として広くなったのに狭いという感想も出て来てしまうのではないでしょうか?これが“スカイラックス・フルフラット”くらいの名前だったら丁度良かったのに。搭乗記を読まれる方は、書き手が何と比較して感想を述べているか留意した方が良いかも。
就航路線
JAL Sky Suite 767は主にアジア線で就航しています。
2014年の運行スケジュールを以下にまとめました。
出発地 | 目的地 | 便名(行き/帰り) | 運航日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
羽田 | シンガポール | JL35/JL38 | 毎日 | |
バンコク | JL33/JL32 | 毎日 | ~11月30日 | |
ホーチミン | JL79/JL70 | 毎日 | ||
北京 | JL21/JL22 | 毎日 | ~10月25日、12月1日~ | |
成田 | シンガポール | JL711/JL712 | 毎日 | |
ジャカルタ | JL729/JL720 | 毎日 | ||
クアラルンプール | JL723/JL724 | 毎日 | ||
大連 | JL827/JL828 | 毎日 | ||
ハノイ | JL751/JL752 | 毎日 | 12月1日~は金・土のみ | |
マニラ | JL741/JL742 | 毎日 | 10月26日~11月30日 | |
ホーチミン | JL759/JL750 | 毎日 | 10月26日~ | |
ホノルル | JL786/JL785 | 毎日 | 12月1日~ |
2015年末の運行スケジュールを以下にまとめました。
出発地 | 目的地 | 便名(行き/帰り) | 運航日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
羽田 | シンガポール | JL35/JL38 | 毎日 | |
バンコク | JL33/JL32 | 毎日 | 12月12、26~31日を除く | |
上海 | JL85/JL86 | 毎日 | ||
成田 | シンガポール | JL711/JL712 | 毎日 | |
ジャカルタ | JL729/JL720 | 毎日 | 10月26日~ | |
クアラルンプール | JL723/JL724 | 毎日 | ||
マニラ | JL741/JL742 | 毎日 | ||
マニラ | JL745/JL746 | 毎日 | ||
ホノルル | JL784/JL783 | 毎日 | ||
ホノルル | JL786/JL785 | 毎日 |
更新履歴
2014年09月16日 作成
2015年11月22日 フライト情報更新、写真1枚削除、17枚追加
2015年, 2014年, '14 タイ, '14 日本, '15 タイ, '15 日本
コメント
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Kitagawaさん、こんにちわ。いつも楽しく拝見しております。
JALの東京-バンコク便は、新しいシートになったのですね!
スターアライアンス派の私としても、ANAにもがんばって欲しいものです。
といっても、インドに住んでいるので結局いつもTGかSQに乗るのですが、ANAにもフルフッラットのシートを入れてもらいたいものです。(ちなみにデリー→成田はセミフラットのANA Cradle。いつになったらフルフラットになるのやら)
ところで、26日~28日に、シンガポールとタイに遊びに行きます。タイでは週末を使ってKitagawaさんが最近お勧めされていた、Hilton Pattayaに泊まろうと思います(Sheratonと迷いました)!楽しみです~。
もしKitagawaさんのお時間があって、バンコクにいらっしゃるのなら是非お会いしたいですが、お忙しいor海外ですよね?是非お会いしたいので次のオフ会が待ち遠しいです!万一いらっしゃるようならご連絡いただければうれしいです!
でわ。
坂本さん、こんにちは。
(前回、勝手にイニシャルに変えてしまって失礼しました。)
ANAのクレードル、充分じゃないですか!JALの今までのシート、便によっては新幹線のグリーン車の座席と同じレベルだったんですよ。(笑
僕は現在キャリアにこだわらず搭乗していますので、そろそろ青い翼もレポートしなければってところ。JALは出尽くしたので、来年はANAのビジネス・ファーストを記事にしたいと思います。
来週はタイへいらっしゃるのですね!
来週の前半は香港にいますが、週末ならタイに戻っている可能性ありです。
そうそう、僕が幹事ではありませんが、9月26日の夜にバンコクで飲み会がありますけど、良ければお越しになりませんか?だいたい少し遅れて登場しますが、blogの読者様なら僕の顔は知っている?と思うので、お話できるタイミングもあるかと。
では、良いご旅行になりますように。
Kitagawaさん
こんにちわ!お返事ありがとうございます。
JALのシートもそんなにひどかったのですか。TGは、747の一部にすごく古いはずれシートがあるとは聞いていましたが。ANAのレポートも楽しみにしています!
お誘いいただいてありがとうございます。どんな飲み会ですか?とっても興味あります。
ただ、26日はシンガポールから19:35に戻ってくるので、開始時間には間に合わないかもしれません。
初めてなのに遅れて参加してしまうのは大変失礼なので、今度遅れずに参加できそうなときに参加させていただいたほうがいいかもしれないです。
先月、JALの羽田~SGの深夜便で、同じシートを体験しました。
DELTAの777が同じようなスカッドシートでしたが、JALの767は小柄な私でさえ窮屈でした。
棺桶とは素敵すぎる喩えです。
これなら、フルフラットではないけど、スクートのBIZシートの方が、圧倒的にゆったりしています。
ところで、Delamotte Brut N.V. ドゥラモットは、私には残念な味わいでしたが、JAL所縁の銘柄なんでしょうか?
アジアではビジネスにあまり乗らないのですが、キャセイやタイのシャンパンの方が、ずっと美味しかったと思います。