09.01

地獄の門(トルクメニスタンのダルヴァザ・ガス・クレーター)
半世紀以上も天然ガスが燃え続けている「地獄の門」を見に、はるばるカラクム砂漠ど真ん中のダルヴァザまでやってきました!今後は燃焼の規模が縮小する見込みで、直近のニュースも取り上げています。トルクメニスタン旅行を計画されている方はお早めに…
Darvaza Gas Crater “Door to Hell”
トルクメニスタン カラクム砂漠
(北緯40度15分09秒 東経58度26分23秒)
【行き方】 アシガバードの北270km、車で片道4時間
【入場料】 無料
まずは地獄の門で燃え続ける炎の様子を動画にて掲載します。
一般には ダルヴァザ・ガス・クレーター Darvaza Gas Crater という名称ですが、日本語だけでなく英語でも Door to Hell や Gates of Hell などが通称になっています。
全景はダルヴァザガスクレーターの南西にある小高い丘、ダルヴァザ山 Mountain Derweze から俯瞰できます(岩山なので簡単に登れます)。地面にぽっかりと開いた巨大なクレーターの直径は60~70m、深さはおよそ30m。転落防止のフェンスが最近作られたので(簡単に乗り越えられますが)その手前から観察したほうが安全でしょう。日没後は真っ暗になり、まさに“異世界への入り口”のような姿に目を奪われます。照明は一切無いので足元を照らすものをお忘れなく。
日中は以下のような感じで存在感に乏しく、訪れるなら夕方以降がおすすめです。というか、ここは砂漠の真ん中なので夏場の日中はとんでもない暑さになります。7月末にトルクメニスタンを旅行した僕らはガイドさんの勧めもあってアシガバードを午後4時に出発し、ちょうどサンセットの時間帯にダルヴァザに到着するように動きました。
近くに行くと凄い熱風で、ガス臭も強烈です。
じっくり観察すると、炎は主にクレーター内の壁の部分と崩落した土砂の隙間から噴き出しているように見えました。内側の土砂の部分はあまり燃えておらず、中央にまるでキャンプファイヤーのように大きな火が一つ。過去に撮られた写真と比べると炎の数や勢いが確かに衰えていると感じました。
なお、スマホでは露出やホワイトバランスを合わせるのが難しいと思います。このページに掲載の写真と動画はすべて実際の見た目に近くなるよう色温度やシャッター速度を調整した一眼レフで撮影しました。
地獄の門とは?
この燃えさかる巨大な穴が何なのか簡単に解説しておきます。1971年にガス田の掘削を行なっていたところ崩落事後が発生。そこで危険なメタンガスが拡散しないようにとガスを燃やすために火が放たれました。しかしガスは燃え尽きることなく噴出し続けて、今日に至るまで消えていないそうです…なんと54年間も!
事故はトルクメニスタン独立前のソ連時代に起きており、詳しい経緯や被害は明らかにされていないのだとか…
火はなぜ消えない?いつまで見られる?
これまで50年以上も燃え続けてきたダルヴァザのガスクレーター。消えないというより安全な消し方が分からなかったというのが実情らしく、かつては「地獄の門」として観光名所にしようという動きもあったようです。しかし貴重な天然ガスが無駄に燃え続けている状況をトルクメニスタン政府も放置しているわけではなく、鎮火に向けた取り組みが2020年代に入ってようやく動き始めたようです。
地獄の門の歴史を振り返り、燃焼を止めるアイデアやその難しさについてナショジオが2023年に特集記事を組んでいます。とても分かりやすくまとめられているので、興味がある方は以下のリンク先をご一読ください。
This ‘Gate to Hell’ has burned for decades. Will we ever shut it?
www.nationalgeographic.com/premium/article/gate-hell-darvaza-gas-crater-turkmenistan-extinguish
また、既にトルクメニスタン政府はガスの漏出を減らす対策を始めているようです。僕らが地獄の門を訪れたちょうど一週間後、先月初めのAFPの配信ですが、燃焼の規模は既に縮小していると報告されていました。世界でも類を見ないタイプの“見どころ”なので、旅行者としても今後の進展が気になるところです。
Turkmenistan’s methane-spewing ‘Gateway to Hell’ loses its anger
www.france24.com/en/live-news/20250806-turkmenistan-s-methane-spewing-gateway-to-hell-loses-its-anger
地獄の門への行き方とホテル
首都アシガバードから北に270km、車で片道4時間の距離。カラクム砂漠の中の一本道をひたすら北上するだけですが、幹線道路から少し離れているのでバスなどで来るよりチャーター車を使ったツアーで訪れるほうが安心です。また、前述の通り日没後が映えるスポットなので、日帰りではなく地獄の門で一泊するプランが一般的。設備の整ったホテルはありませんが、テントを張ったゲストハウスがいくつか営業しており宿泊可能です。
上の写真に写っている車で地獄の門に来て、一番手前のテントに泊まりました。アシガバードからダルヴァザまでの車窓からの眺めや、地獄の門で泊まったキャンプサイトのお部屋や豪華なバーベキューの様子は別ページに掲載しています。当ブログの カラクム砂漠縦断と地獄の門への行き方・絶景キャンプ体験 をご覧ください。
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