ユネスコ世界遺産 ティカル遺跡 (中米・グアテマラ)

2017年, '17 グアテマラ Add comments

ティカル遺跡観光 グアテマラ旅行記

中米はグアテマラの密林に眠る ティカル遺跡 Tikal。ピラミッド型神殿を多数擁するマヤ文明最大にしてもっとも重要な考古遺跡で、ユネスコ世界遺産にもなっています。広大な熱帯林を丸一日歩き回ることになりますが、グランプラサ周辺のアクロポリスと神殿群は必見です!

ティカル遺跡
Tikal

中米 グアテマラ共和国 ペテン州
(首都グアテマラシティの北東約300km)

マヤ最大級の都市の跡

ここティカルは紀元前200年から900年にかけて、つまりマヤ文明の古典期の時代に栄えた神殿都市で、その面積は576平方キロにも及びます。1956年から1970年にかけてペンシルヴァニア大学博物館の調査団による本格的な発掘調査が行なわれ、神殿、宮殿、球戯場、浴場、墳墓、祭壇や石碑、広場や道路、そのほか3,000を超える建造物と遺構が見つかりました。紀元前600年頃にはすでに人々が定住を始めていたそうで、発掘された最古の建造物は紀元前200年のもの。1979年、自然遺産と文化遺産の複合遺産としてユネスコの世界遺産にも登録されました。(Kitagawa)

ティカル遺跡は主に3か所の建築物群、北のアクロポリス、中央アクロポリス、南のアクロポリスと、Ⅰ号からⅤ号までの5つのピラミッド神殿から構成されています。このうち中央アクロポリスとⅠ・Ⅱ号神殿を見てから西端にあるもっとも高いⅣ号神殿に登るのが基本的な観光ルート。余裕があれば 失われた世界 に足を延ばし、南アクロポリスとⅤ号神殿も見て回ると良いでしょう。(Kitagawa)

行き方

マヤ遺跡観光の拠点となる町 フローレス Flores からティカル国立公園まで約65km。車で片道1時間半が目安です。僕らはグアテマラまで隣国ベリーズから ベリーズシティ発フローレス行き国際バス を利用しましたが、グアテマラの首都グアテマラシティから国内線の飛行機または長距離バスでも来られます。公園内は安全ですが道が分かりにくいので地図は必須、現地でも有料にて販売されていました。

ティカル遺跡ツアー

Kitagawaは好き勝手に回りたかったのでガイド付きツアーではなく旅行会社のミニバスで往復しました。泊まったホテル近くに老舗の San Juan Travel という旅行会社があり、料金は1人あたり 80ケツァール(1,251円)。ティカルの送迎はどこで申し込んでも近年はおおむねこの金額が相場になっているようです。ただし同社はGoogle Mapに寄せられている口コミの評判が著しく悪いので利用は自己責任で。

San Juan 社の場合、バスは往路4便(午前4時半、6、8、10時発)、復路2便(12時半、午後3時発)です。予約をしておけば朝ホテルまで迎えに来てくれ、帰りはどちらでも好きな時刻に乗ることができて便利でした。宿泊先の Hotel Casona del Lago のページも参考にしてください。

ティカル遺跡 ツアー

ティカル国立公園 Tikal National Park

こちらが ティカル国立公園 Tikal National Park のエントランス。
訪れた5月は一年のうちでもっとも気温が高くて日照時間も長いシーズンで、少しフローレスの町を歩いただけでも目眩がする暑さ!冗談抜きで命の危険を感じたので曇りの日を狙って来ました。帽子・サングラス・日焼け止めは必携です。

ティカル国立公園

入場料

ティカル国立公園の入場料は2017年現在、150ケツァール(2,346円)でした。
支払いは現金のみでクレジットカードの使用はできません。

ティカル遺跡 入場料

ビジターセンター

こちらがティカル遺跡のビジターセンター。
中には全体のジオラマが置かれているほか、左手に石碑博物館、右手奥にティカル博物館も併設されています。

ビジターセンター

Tikal Guatemala

ビジターセンターの裏には貯水池の遺構。水の確保も大変だったことでしょう、何もこんな山奥に町を築かなくても…という気がしますね。
それではさっそく壮麗な神殿都市を見て行きましょう!

貯水池

大セイバの木

遺跡に向かう道中にはセイバの巨木が立っていました。
マヤの人々には「聖なる木」として大切にされたそうです。

大セイバの木

コンプレックスQ

セイバの木の先にある分かれ道を右に曲がると最初のピラミッド群、コンプレックスQ。
美しいですね~さすが世界遺産、思ったより整備されているようです。

コンプレックスQ

Complejo de Pirámides Q

マヤ 石碑

コンプレックスR

その奥にあるコンプレックスRは土に埋もれていて、この対比が面白い。

コンプレックスR

マーラー堤道

長~い通りを南下してティカルの中央、グランプラサを目指します。
ティカル遺跡は南北に延びるマーラー堤道のほか、モーズレー堤道、トザー堤道を三辺とする三角形の各頂点に主要な建造物が集中しています。

マーラー堤道

グラン・プラサ Gran Plaza

ティカルの中でも壮大で保存状態が良い建築物が約1ヘクタールの中央広場の周りに集まっています。下の写真で奥のピラミッドがⅡ号神殿、手前のピラミッドがⅠ号神殿で、その向こうが北アクロポリス、こちら側が中央アクロポリス。もっとも重要な広場だったことは想像に難くありません。

Gran Plaza

グランプラサ

Ⅰ号神殿 Templo 1

広場の東側に建つⅠ号神殿は修復工事が終わったようで美しい全貌を見られました。
高さは約51m。9層の基壇と完全に左右対称の作りが美しい!高さは5つの神殿の中で4番目ながら、その存在感は他を圧倒していると感じました。

Ⅰ号神殿

Templo 2

屋根飾りはアフ・ササウ王(第26代王、在位682~723年)の像で、これはティカル全盛期を象徴していると言えるのではないでしょうか?入口に巨大なジャガーの彫刻が発見されたことから「大ジャガーの神殿」とも呼ばれるそうです。

Ⅰ号神殿

下の写真はⅡ号神殿に登って真正面から眺めたところ。
地下からは王と思われる人物の大墳墓が発見されています。

Templo 1

Ⅱ号神殿 Templo 2

広場を挟んでⅠ号神殿に対座して建つⅡ号神殿。
高さ42mで5つの神殿の中ではもっとも低いものの、3層の基壇から3つの部屋を持つ神殿へと続く階段はどっしりと落ち着いており、ティカルでも屈指の安定感を見せてくれます。

Ⅱ号神殿

Ⅱ号神殿

屋根飾りのレリーフから「仮面の神殿」とも呼ばれるそうで、その見事な顔の造形は下から望遠鏡で見た方が分かりやすい。
そしてⅡ号神殿のピラミッドは上まで登れます!

ピラミッド展望台

下の写真は展望台から東向きにグランプラサを見渡したところ。
正面がⅠ号神殿で、左手が北アクロポリス、右手が中央アクロポリスです。

ティカル 見どころ

中央アクロポリス Acrópolis Central

広場の南側に築かれた中央アクロポリスと呼ばれる建築群。
幾度も再建、増築が繰り返されているようで内部は複雑です。

中央アクロポリス

僕らは正面の階段を頑張ってよじ登りましたが、どうやら右手に整備されたスロープもあるようです。
裏側には大小6つの中庭があり、それらを四方から囲むように建物が連なっていました。

中央アクロポリス

Acrópolis Central

通路や階段を巧みに使ってまるで迷路のよう。
ここには宗教的な建物が少なく、支配者層の住居跡とみられています。

Acrópolis Central

北アクロポリス Acrópolis Norte

北のアクロポリスは古典期に築かれた神殿が幾つも集まる聖所で、再建の度に規模を拡大しています。
深さ10mに達する発掘により基壇内から副葬品とともに墓室が発見されており、高位の人物を埋葬した墓所だったようです。

北アクロポリス

巨大な石の祭壇。

ALTAR

広場には人物像の浮彫りや側面にマヤ文字が刻まれた石碑が並びます。
最も古いものが292年、新しいものが869年で、高位の人物を表しているそうです。

Acrópolis Norte

マヤ文明

部分的に基壇の中が見えるようになっており、この巨大なマスクの彫刻は雨神チャクの像と考えられています。

巨大なマスクの彫刻

階段を登って北アクロポリスの上の方へ。
どこまで歩き回って良いのか分かりませんが、割と自由に入って行けてしまうのは中米ならでは(笑

大階段

ティカル遺跡

グランプラサを振り返ります。
正面が中央アクロポリス、右手が展望台を持つⅡ号神殿です。

北アクロポリス

Ⅲ号神殿 Templo 3

存分な見学に満足し、グランプラサを離れてトザー堤道に進みます。
見えてくるのはⅡ号神殿の西側にあるⅢ号神殿。真東を向いており高さは55m、神殿内部の精巧な彫刻から「ジャガー神官の神殿」とも呼ばれるそうです。まだ整備が進んでいないようで、ここは麓から見上げるだけ。

Ⅲ号神殿

Templo 3

こうもりの宮殿 Palacio de los Murciélagos

近くにある宮殿も熱帯林に埋もれていました。

こうもりの宮殿

Palacio de los Murciélagos

Ⅳ号神殿 Templo 4

そしていよいよティカル遺跡のハイライト、Ⅳ号神殿へ。

ティカル Ⅳ号神殿

密林に埋もれているので全貌が見えませんが、ここも階段で上まで登れます。
あまりに暑いのでサンダルで来ましたが、さすがに僕以外にはビーチサンダルで歩いているような観光客は誰一人見かけませんでした(笑

ティカル Ⅳ号神殿

頂上の様子。柵は無いので転落しないように気を付けないと…
ここからご来光を見ようと朝の4時頃にティカルを訪れる人も多いようです。もし日の出前に来るなら道が分かりにくく真っ暗なのでヘッドライトを点けガイドさんに同行してもらいましょう。

Ⅳ号神殿 Templo 4

憧れだったマヤ文明で最大の神殿都市に立つ。
見渡す限りの樹海ですね~これで中米のすべての国を訪れ、旅の大きな節目になりました!

グアテマラ旅行記

左手に見える二つのピラミッドがⅠ・Ⅱ号神殿です。
Ⅲ号神殿も修復工事を行なっているようなので、いつの日か見学できるようになるのかも知れません。

ティカル遺跡 ピラミッド頂上

コンプレックスN 祭壇5号

Ⅳ号神殿の南東にあるコンプレックスNにはマヤの象形文字が刻まれた祭壇が残っていました。
これは美しく直径1.65m、骨を持った二人の人物が描かれているようです。

コンプレックスN 祭壇5号

コンプレックスN 石碑16号

その隣にある石碑。
ティカル全盛期、アフ・ササウ王(第26代王、在位682~723年)の時代に建てられたものです。

コンプレックスN 石碑16号

最盛期には人口が5万人にも達したと推定されるティカル。
ところが900年頃には崩壊を迎え、町は無人となり謎を秘めたまま樹海の中に沈んでしまいます。人口増加による食糧難が原因と考えられていますが、他のマヤ文明の都市と同様になぜ放棄されたのか、その理由は未だ解明されていません。

Gran Plaza

ティカル国立公園では中米の珍しい動物にも出会えました。
この小鳥はつがいで木にとまっていた キヌバネドリ Slaty Tailed Trogon です。

キヌバネドリ Slaty Tailed Trogon

中米の動物

ここまでの見学に半日(3~4時間)かかりました。
この先にはティカル遺跡で最古の区画である ムンドペルディード Mundo Perdido、英語だと Lost World、即ち「失われた世界」と呼ばれる神殿群が待っています。名前からしてロマンを掻き立てますよね!その様子は ティカル遺跡の失われた世界 の旅行記に続きます。

参考文献

・世界遺産を旅する(11)メキシコ・中米・カリブ海(近畿日本ツーリスト刊)
・ユネスコ世界遺産(2)中央・南アメリカ(講談社刊)

ティカル遺跡地図

ティカル国立公園イラスト地図 (1.5 MB)

ティカル遺跡地図

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