ちょっと可笑しくない？アメリカ自然史博物館の日本セクション

ニューヨークにあるアメリカ自然史博物館は膨大な収蔵品を誇り、世界の民族史の研究でも有名です。日本も一つのコーナーが設けられているのですが…その展示内容は「え、そこなの！？」と思わずにはいられないものばかり。僕ら日本人が見ても着眼点が面白かったので、その内容をここでご紹介します。

場所はマンハッタンのセントラルパーク西側です。今まで来る機会がなく、今年初めて立ち寄りました。
ここは民族史だけでなく、恐竜の化石や生物の模型、宇宙の展示でも傑出した内容を誇るミュージアムですので、詳しくは アメリカ自然史博物館 American Museum of Natural History のページをご覧ください。

アジアの民俗館は２階の一角にあります。
事前の知識なしに訪れてみたところ…まずドーンと鎮座しているのはなんと仏壇です。そう来ましたか！てっきり“刀をもった侍”あたりが出迎えてくれると予想していたのですが。（笑
確かに世帯ごとに仏壇で先祖を祀る風習は日本ならではですね。こんな立派ではありませんが、うちにもありますよ。

そして、こちらが中央の展示。
とりあえず髪型にツッコみたい、そしていったいいつの時代でしょう？変な板を持っているのはパッと聖徳太子くらいしか思い付きませんが、誰をモチーフにしているのか謎過ぎます。でも碁やお箏はいいですね、素敵なチョイスです。

こちらのパネルは3月3日、桃の節句です。
20世紀前半の…と書かれているので写真は昭和初期か、あるいは大正か。女の子がいるご家庭では、今でも雛人形くらいは飾っていらっしゃるかと。

続いて 日本人の一生 The Japanese cycle of life というパネル。
左上から「お宮参り」「雛祭り」「端午の節句」、下段に行って「結婚」「葬儀」「盆踊り」となっています。受験戦争、リストラ、老老介護、なんてブラックな内容ではなく一安心。

こんなものも飾ってありました、扇子です。
日本から海外へのお土産としても人気ですね、僕も使ってますよ。

日本のトラディッショナルな計算機、ソロバンも。
アメリカ人の前でソロバンを弾いてやったら驚くだろうなぁ。今でも習っている子供たちはいるんでしょうか？

そして日本家屋。
なんともご立派な、池には鯉でも泳いでそうな庭園です。

畳の並べ方のイラストまで掲載されていました。
最近はマンションでも和室はオプション扱いだし、畳の角を床の間に直角に敷いてはいけないなんてルール、今どき日本人でも知らないかも。

さらに時代を遡ると…こ、古墳！
そんなのありましたね、前方後円墳でしたっけ。もちろん埴輪もいましたよ。

改めて、メインの展示品を別のアングルから。
安直に侍・相撲・芸者あたりを持って来なかったのは興味深い。現代的に刷新すれば、碁はNINTENDOに置き換わり、ルーズソックスの女子高生・メガネをかけたサラリーマン・ゆるキャラってところでしょうか。100年後には今とまったく違った展示がされているのかも知れませんね。

ニューヨーク自然史博物館のアジア民俗館。すべての国を網羅している訳では無く、例えば中国の展示はありますが韓国は無いようです。せっかく日本のコーナーが設けられていますので、訪れたらぜひ実物を覗いてみてください。僕らも忘れかけている文化や、普段気にもかけないようなアイテムまで、英語の解説とともに海外目線で振り返るのはまた新鮮です。
ミュージアム全体については改めて、ニューヨーク自然史博物館 のページで取り上げたいと思います。

2015年, '15 アメリカ合衆国