2015
01.18

アメリカ自然史博物館 (ニューヨーク)

アメリカ自然史博物館 American Museum of Natural History

ニューヨークに来ると新しいミュージアムを訪れるのが何よりの楽しみ!今回はセントラルパーク西側にある アメリカ自然史博物館 American Museum of Natural History を見学してみました。
古代から現代、そして宇宙に至るまで、あらゆるものが詰まった壮大なスケールの博物館。ここ一番の見どころは世界最大の規模を誇る恐竜の化石コレクションです。

81st St. - Museum of Natural History

場所はマンハッタンの77丁目から81丁目にかけて、4ブロックぶち抜きで建っています。地下鉄 B線・C線の「81st St. – Museum of Natural History」駅から連絡しており、ニューヨークに数あるミュージアムの中でも特にアクセス良好です。なお、もしメトロポリタン美術館と合わせて見学するならセントラルパークを横切るM79番のバスを利用すると便利ですが、ここ1か所だけでも丸一日を要する規模なのでハシゴは無謀でしょう。

ニューヨーク自然史博物館 American Museum of Natural History

ニューヨーク アメリカ自然史博物館 旅行記

こちらが正面入口を入ってすぐの セオドアルーズベルト円形広間。後ろの骨格標本は恐竜バロサウルスです。
着いたらすぐにシアターのプログラムを確認して予約を済ませておくと良いでしょう。僕らはぜひスペースショーを見たかったのですが、特に混合う年末とあって当日分は既に売切れ!代わりにIMAXシアターを予約しました。

アメリカ自然史博物館 見学のヒント

館内は4階建てです。非常にテーマが広いので、興味ある展示から優先的に見学することをおすすめします。人気が高いのは恐竜と宇宙で、4階から下りながら見て廻るとスムーズです。各セクションのハイライトが何なのかは、予め公式サイトで調べておくと見落としを避けられるかと思います。

ご参考まで、博物館で配布されている館内案内図(日本語版)のPDFファイルを掲載しておきます。このページの小見出しは館内案内図の展示室の名前に揃えてあります。

   アメリカ自然史博物館 館内案内図 (1.5 MB) 2014年12月現在

すべての展示室のテーマや主な展示品については公式サイトに解説があります。ものによってはかなり詳しい情報が写真付きで載っていますので、訪問前・訪問後それぞれチェックすることで一層理解が深まりました。すべての展示室のメニューはこちらです。

   www.amnh.org/exhibitions/permanent-exhibitions

竜盤類恐竜

何はともあれ、まずは4階へ。骨格標本のフロアです。
博物館きっての蒐集品である恐竜の化石は圧巻、特に ティラノサウルス・レックス は肉食恐竜の中で最も大きくド迫力です!

ニューヨーク アメリカ自然史博物館

このポーズには、思わず映画「ナイト・ミュージアム」を思い出してしまいました。(笑
ここはニューヨーク自然史博物館のハイライトなので、ゆっくり恐竜との時間を堪能させていただきました。子供たちにも大人気のようです。

鳥盤類恐竜

別のコーナーにはKitagawaの大好きな ステゴサウルス の標本も。もちろん本物ですよ!
大阪市立自然史博物館にあるステゴサウルスは、ここのレプリカなんだとか。

ステゴサウルス

Stegosaurus

い、一億五千万年前!
すべての展示品には平易な英語で解説がついているので理解が深まります。ちなみに背中のトゲトゲは攻撃用の角ではなく、放熱パネルらしいですよ。

ステゴサウルス

先のティラノサウルスと部屋が分かれていますが、恐竜の分類には「竜盤類 Saurischian Dinosaurs」と「鳥盤類 Ornithischian Dinosaurs」があるそうです。これらは恥骨の方向で区別するそうで、竜盤類が進化して鳥盤類に、さらに進化して鳥になったそうで…ここアメリカ自然史博物館を訪れて初めて知りました。

ミルスタイン高等哺乳類ホール

同じく4階から、マンモスの骨格標本です。
これも始めて見ました。こんな四足装甲ロボットがSF映画に出て来そうです。

竜盤類恐竜

エイクリー・アフリカ哺乳類ホール

古代に思いを馳せた後は3階へ、アフリカの動物たちが展示されています。これらは模型ですが、めちゃくちゃリアル!
今年は久しぶりにアフリカにも行く予定なので、ここで定番の動物たちを改めてチェックしておきました。

エイクリー・アフリカ哺乳館

インパラ

マーガレット・ミード太平洋民族ホール

3階の奥の方にあって見落としてしまいそうですが、この展示室の内容は興味深く拝見しました。テーマは太平洋の島に住む人についてであり、米国を代表する文化人類学者 Margaret Mead の研究を元にまとめられています。

ニューヨーク自然史博物館

下の写真はポリネシア、サモアの村の模型。
サモアにはまだ行ったことがありませんが、いつか訪れることができるでしょうか。

ニューヨーク アメリカ自然史博物館

こちらはパプアニューギニア、Sepik River Basin 周辺の民芸品。
セピック川は確か世界遺産に登録されて観光船も出ているみたいですが、ここも超マニアックでなかなか行くのが大変なディスティネーションかと。

アメリカ自然史博物館

一方、近場だとインドネシアのバリ島なんかもあったり。
これは チャロナラン chalonarang の踊りの様子です。

アメリカ自然史博物館

やや古さを感じさせるプレゼンテーションですが、ポリネシアに興味があれば必見!独特の文化や風習が今に残る貴重な島国ばかりなので、ここで興味をもった場所への旅行を計画してみるのも面白いでしょう。こんなことばかり言っているから、いつまでも旅を止められないのですが…(笑

メキシコ・中央アメリカ

2階まで降りてきました。この辺りも個人的に関心が高いのですが、だいぶ薄く広くな印象。
アステカ文明がめちゃくちゃコンパクトにまとめられていたり…

アステカ文明

こちらは有名な 太陽の石 ですね。
オリジナルはメキシコ国立人類学博物館に展示されています。

太陽の石

メソアメリカの古代文明に興味があれば、メキシコシティにある メキシコ国立人類学博物館 の内容がぶっちぎりで素晴らしくおすすめです。ニューヨークから直行便も飛んでおり、5年ほど前に訪れています。少し古い記事になりますがミュージアムの様子は メキシコ国立人類学博物館 のページでご覧いただけます。

スタウト・アジア民族ホール

同じく2階、今度はアジアのコーナーです。
特に日本は一つのセクションが設けられており、その展示の切り口は僕ら日本人が見てもユニークです。詳しくは アメリカ自然史博物館の日本展示コーナー のページにまとめていますのでご覧ください。

アメリカ自然史博物館 ニューヨーク 日本の展示

世界の鳥類

鳥のコーナー。ここはキングペンギンが見どころとのこと。
世界の固有種を追いかけてバードウォッチングをしている僕の目線ではまったく物足りない展示。少し離れた場所にはニューヨークの鳥類のコーナーも設けられていました。

ニューヨーク自然史博物館

ここでは省略しますが、2階には他にも南米やアフリカの民族やアジアの哺乳類などテーマごとの展示室があります。

生物多様性ホール

ようやく1階。少し展示の雰囲気が変わり、瑞々しさに溢れています。
ここまで来ると正直だいぶ歩き疲れるので…遠くから眺めて美しさに癒されましょう。

アメリカ自然史博物館

ミルスタイン海洋生物ホール

お隣の海の生き物コーナー。
見上げると シロナガスクジラ Blue Whale の模型、デカい!

Milstein Hall of Ocean Life

それもそのハズ、地球上に存在したあらゆる生き物の中で最大種とのこと。あらゆる、には恐竜も含まれるそうで、史上最大の生き物だそうです。これはいつか…洋上で出会ってみたいですね。

Evelyn Miles Keller Memorial Exhivit

こちらは案内図には載っていませんが、1階の通路にあった 腹足綱 Class Gastropoda の展示です。
Kitagawaがニューヨークの後に向かうフロリダの名物、コンク貝 Pink Conch を探し出しました。

コンク貝

コンク貝の貝殻はインテリアとして置物を持っていますが、どんな生き物か見たこと無かったものですから…予想通り、けっこうグロいですね。キーウェスト Key West の名物で、チャウダーにして食べると美味しいそうですよ。(笑

ロス隕石ホール

1階の奥の方にある隕石の展示室。
ど真ん中にある巨石は1894年にグリーンランドで発見された ケープ・ヨーク隕石 Cape York Meteorite。直に触れてみることができます。

ケープ・ヨーク隕石

この隕石、解説によるとその起源たるや45億年前に遡るそうで、太陽と同じくらい古いそうです。恐らくこの博物館の展示品の中で一番古いんじゃないでしょうか?そう思って石の上に手を置くと、不思議な気持ちにならずにはいられません。細部の写真や概要は公式サイトでも見られますので、興味があればこちらをご覧ください。

ローズ地球・宇宙センター

アメリカ自然史博物館は惑星や宇宙の展示にも力が入っており、ローズ地球・宇宙センター Rose Center for Earth and Space として分けられているようです。らせん状の通路はハイルブラン宇宙通路。インタラクティブな展示も多く、教育的な雰囲気の強いセクションです。

アメリカ自然史博物館

カルマン宇宙ホール

1971年、アポロ15号が持ち帰った 月の石 Basalt from the Moon を見つけました。
アポロ計画などアメリカの宇宙開発に興味があれば、ワシントンD.C.にある国立航空宇宙博物館の内容が充実していておすすめです。

月の石

ゴッテスマン惑星地球ホール

こちらは地質学標本の展示室。
1階は英語の解説をじっくり読み込む見学になるので、日を改めてゆっくり取り組んだ方が良いかも知れません。ただでさえ慣れない単語の多い恐竜や人類学の後に、地質学や宇宙の解説…ぐったり疲れてしまいます。

アメリカ自然史博物館

IMAXシアター

僕らのチケットに含まれているプログラムとして、IMAXシアターで3Dムービーを見ました。
海中でサメに迫るシーンは迫力がありましたが、似たような映像がずっと続き…眠気を誘います。次回はぜひともスペースショーを見たいと思います。

IMAXシアター

無料ツアー

ニューヨーク自然史博物館では毎日ミュージアムツアーが催されています。
予約不要、参加無料です。

ミュージアムツアー

ミュージアム・ショップ

エリアごとに売店があり、それぞれ商品が異なるようです。
買いに戻るのは大変なので、欲しいものがあればその場で購入を。

ミュージアムショップ

そのほか

館内の水飲み場はニューヨークの水道水。
そのまま飲めると上水道の安全性がアピールされていました。

ニューヨークの水

感想

テーマが人類史を超えスケールも宇宙にまで及びますので、目的を持たずにやって来ると大変なミュージアムです。今回は初めてだったので一通り見ましたが、混雑していたこともあり休憩をしつつ一日がかり、結局閉館まで時間を費やしました。やはりハイライトは恐竜と宇宙ですね、次に来る時はもう少し掘り下げて見学したいと思います。

全体的に内容は薄く広くですが、英語の解説が割としっかり付いているので関心を惹いたものについてメモを取るには苦労しませんでした。最初はあまりに色々なものが展示されていて雑多な印象を受けましたが、かえって飽きずに見学できたのは良かったです。もしファミリーで訪れるなら、ここアメリカ自然史博物館がニューヨークのミュージアムの中で一番おすすめです。結局のところ…自然ってスゲー!という一言に尽きますね。(笑

アメリカ自然史博物館 American Museum of Natural History

アメリカ自然史博物館
American Museum of Natural History

地下鉄 B線・C線「81st St. – Museum of Natural History」駅下車スグ。
(改札と美術館の入口は連絡していますが、混雑している場合は地上の正面玄関へ)
市バスの場合、セントラルパーク79th St.を横切るM79番ほか、M7、M10、M11、M86、M104番で。

【住所】 Central Park West at 79th Street, New York, NY 10024 U.S.A.
【URL】 www.amnh.org/
【TEL】 +1  212 769 5100
【開館時間】 午前10時~午後5時45分
【休館日】 年中無休
【入場料】 大人 $22、子供 $12.50、シニア・学生 $17 (2015年1月現在)
   ※New York City Pass 対象施設

プロフィール
Kitagawa

Kitagawa
南国のアイランドリゾートから地球の果ての辺境まで、4か国語の会話力を駆使して2008年から2024年までに100か国以上を旅しました!飛行機の搭乗歴は1000回を超え、2012年にはFAA(アメリカ連邦航空局)のパイロットライセンスも取得。バンコク在住。
当ブログでは今まで訪れた旅先から、写真を17205枚と心に残った体験を1101件公開しています。(2024.04.19)

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